がん保険の先進医療ってなに?

皆様は「先進医療」という言葉をご存知でしょうか?「先進医療は最新の治療法」、「治療費が高額」などといった漠然としたイメージはお持ちかもしれませんが実際にどのようなものかよく知らない方も多いのではないでしょうか。実は、先進医療は「がん保険」にも関わりのある言葉です。漠然としたままの状態では、不測の事態の時に困るのはあなた自身です。
よく耳にする言葉だからこそ、理解しておきたいものですよね。今回は、先進医療とがん保険の関係性について触れていきます!
先進医療保険とは?
先進医療とは、厚生労働大臣が定める高度な医療技術を用いた治療のことで、公的医療保険の対象にするかを評価する段階の先進的な医療技術を指します。
先進医療の費用は内容によりさまざまで、数千円程度のものから、1,000万円を超える費用がかかるものまで幅広く存在します。先進医療にかかる費用は、基本的に患者が全額自己負担する決まりになっております。
先進医療の種類は80種類
先進医療の技術数は、現在で約80種類と言われております。未承認の医薬品や医療機器の使用又は医薬品若しくは医療機器の適応外使用を伴うかどかなどの観点から先進医療Aと先進医療Bに分けられ、それぞれ先進医療Aが23種類、先進医療Bが57種類となっています。
先進医療A・B両者の技術は、有効性や安全性などが確認され、公的医療保険制度の適用になれば先進医療から除外されます。先進医療の技術から取り下げられたり、削除されたりする医療技術もあります。
そのため、先進医療の技術数や内容は一定ではないと言えるでしょう。
先進医療を受けられるのは限られた医療機関のみ
先進医療は、技術ごとに決められた適応症に対し、基準と適合する医療機関で行われる治療に限るため、先進医療が実施可能な医療機関は限定されています。
先進医療の費用は全額自己負担
先進医療は、将来的に健康保険等の適用が検討されている技術であり、現時点では「健康保険が適用されない治療」とされております。
基本的には先進医療にかかる費用は全額自己負担になってしまいます。
ただし、通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料など)の費用は一般の保険診療と同様に健康保険が適用されます。
先進医療を受ける方が少ない理由
先進医療保険を受ける方は比較的少ないと言われています。その理由と考えられているのは以下の3点です。
①先進医療は、医師が合理性と必要性を認めた場合にしか実施されない
先進医療を受けるには、医師がその合理性と必要性を認める必要があります。
②先進医療は、厚生労働省の認めた医療機関でしか受けられない
例えば、がんの治療法として注目されている陽子線治療は全国で10か所の病院、重粒子線治療は4か所の病院でしか受けられないとされています。
③一部の先進医療は、費用が高額になる
がん治療で有名な一部の治療(陽子線治療や重粒子線治療)では、費用が200万円以上かかります。
このように、先進医療を受けるためにはさまざまなハードルがあるのです。
先進医療特約を活用しよう
先進医療保障は医療保険やがん保険に特約などで付加できますが、医療保険の先進医療保障と、がん保険の先進医療保障では保障内容が異なります。
前者は、病気・ケガにより所定の先進医療を受けたときに受けられる保障であり、一方、後者はがんの治療を目的として所定の先進医療を受けたときに受けられる保障です。
先進医療の保障額は、医療保険の場合でもがん保険の場合でも、「先進医療にかかる技術料相当額」としている保険が多いですが、なかには1回につき定額の一時金や技術費に連動した相当額の一時金を上乗せで保障する場合もあります。
先進医療を受ける際の注意点とは?
先進医療の技術は、物凄い速さで随時見直されるため、治療を受けようとしたときには先進医療ではなくなっている可能性もある為注意しましょう。もし保険診療になっていれば負担割合は3割等で済み、経済的負担を抑制できます。もし自由診療になっていれば全額患者負担になるので、経済的負担は逆に増えてしまいます。そういったトラブルを未然に防ぐためにも、常に最新の情報を得るように心掛けましょう。
がん保険で受けられる先進医療は2種類のみ!
がん治療では「陽子線治療」と「重粒子治療」が主に先進医療とされています。
それぞれの治療費は、陽子線治療で平均270万円、重粒子線治療で平均309万円と非常に高額です。
これら治療を受けなければならなくなる可能性は低いとされていますが、万が一の事態を想定すると先進医療特約の必要性はあるように感じられます。
まとめ
既に医療保険に加入していて、それに先進医療特約が付加されていない場合は、検討する必要性があるかもしれません。
先進医療は技術料が全額患者負担であることから、費用が高額になりやすいです。ただ、お金がないからと希望する治療方法を諦めることは極力避けたいものです。そのためにも、先進医療保障のある保険によって必要な経済的備えを確保しておきましょう。