がんの治療費はどれくらい?がん保険の保証内容・金額について学んで行きましょう!

今までは、がん保険の必要性について学びましたね。
生涯で何らかのがんにかかる確率は、男性:62%、女性:47%となっており、2017年にがんで死亡した人は373,334人と50%を超える非常に高い確率が出ていましたね。年齢が高くなるにつれて、がん罹患リスクは高まると言われています。
では、実際にがんの治療の費用はどれくらいかかり、それをカバーしてくれるがん保険にはどういった保証があるのでしょうか。
今回はがん保険のより深い内容や保証のところまで学んで、全般的な保険を検討する上での足がかりとしましょう!
がんの治療はどこまで負担する必要があるの?
がん保険に入るメリットは前回で学んだと思うのですが、実際がんという病気になってしまったら、どのような項目に対して費用を支払う必要があるのでしょうか?
がんの治療では、手術代、薬代といった治療費のほか、入院中の食事、有料の部屋を希望した場合にかかるベッド代、交通費など、治療に伴う間接的な費用も必要となって来ます。また外来では再診料や投薬注射料などを、通院のたびに支払うことになります。これらの費用は、健康保険や国民健康保険など公的医療保険で一部まかなえるものと、患者さん側で全額負担するものに分けられます。 公的医療保険が適用されるのは、手術代、検査代、薬代といった直接的な治療に対してです。費用全体のうち患者さんが支払う割合は、70歳未満の成人ならば3割などと自己負担割合が決められており、残りは公的医療保険から支払われる仕組みになっています。
わが国では、最新の治療や、新しい薬・医療機器を使った治療などは、公的医療保険の給付対象になっていません。また、保険が適用されない(保険適用外)診療を受けた場合には、併せて受けた保険適用の治療も含めて、全額自己負担となるのが原則です。
しかし、厚生労働大臣が「先進医療」として認めた治療については、保険適用外の診療と、保険診療の併用が認められ、保険適用の治療部分については公的医療保険の給付の対象になります。個室を選択した際の差額ベッド代なども同じように、保険適用外になります。
がんの治療にかかる費用ってどれくらい?
治療にかかる費用は、がんの種類、病状、治療内容などによって変わります。また、2年ごとに医療費の価格設定(診療報酬)が見直されるため、その年によっても違いが出てきます。最近は、入院について、診断された病名・症状と治療内容、入院日数などの組み合わせに応じて、医療費をある程度定額化した診断群分類包括評価(DPC)を導入する医療機関がふえてきました。 治療が長期間にわたると、費用はかさみますが、その負担を軽くする制度もあります。
公的医療保険が適用される医療費については、患者さんの自己負担割合は一定(1~3割など)に設定されていて、1ヵ月に支払う上限額も決められています(高額療養費制度※下部参照)。そのため、治療費の自己負担分の総額が高くなっても、限度額を超えた費用に対して払い戻しが受けられます。これらは、年齢によって決められており、75歳になると、「後期高齢者医療制度」が適用になります。受診するときに、「後期高齢者医療被保険者証」を医療機関等に提示すると、医療費の自己負担は1割(現役並み所得者は3割)になります。
今後、2025年問題と言われているように、後期高齢者(75歳以上)に達するので、がんに対する国の制度も変わっていく可能性もありますね。 ※高額療養制度:3割分を一旦負担し、その後払い戻しが受けられ、実質負担分を少なくできる制度。年収によって、その上限が決められています。例:【69歳以下の場合】370万〜770万円の場合、80,100円+(医療費-267,000)×1%
また、会社員や公務員であれば、入院などで仕事を休んだときに給料が支払われなくても、健康保険から給料の約3分の2である「傷病手当金」が最長1年6か月間もらえるので、働けなくとも、給料の代わりとして手当をもらうこともできます。さらに、40歳以上の人が末期がんと診断され、介護が必要になってしまった場合は公的介護保険の介護サービスを自己負担1割で利用できます。では、参考までに、かかる病気の確率の高いがんの平均在院日数と入院費用を見て行きましょう。
- 胃がん 19.3日 約28.9万円
- 結腸がん
- 直腸がん 18日 約25.2万円
- 気管支・肺がん 20.9日 約20.8万円
- 乳がん 12.5日 約23.1万円
入院費用ひとつとってみても、想像以上に入院費用がかかるとわかります。もちろん国が負担してくれるものもありますが、上記の通り、がんの治療を進めるにあたり、支払わなければならない費用の項目は多く存在しています。いざという時の備えを考えると、がん保険に入るメリットを感じることができますね。
がん保険からもらえるお金・保証内容って?
がん保険に入っているとどんな給付金と保証内容があるのでしょうか。 もらえるお金には、下記の保証内容があります。
- 診断給付金 がんと診断された時にもらえる一時金。100〜300万円が多い。
- 入院給付金 がんで入院した時にもらえる給付金。1日あたり5000円〜15000円が多い。
- 手術給付金 がんで手術をした時にもらえる給付金。手術に応じて、入院給付金額日額の10、20、40倍が多いと言われている。
- 通院給付金 退院後にがん治療のために通院した時にもらえる給付金。1日あたり、5000円〜15000円が多い。
- 先進医療特約 先進医療を受けた時、技術料相当額に対してもらえる一時金。通算2000万円までが多い。
- 女性特約 女性特有のがんの治療目的で所定の手術を受けた時などにもらえる一時金や給付金。
診断、入院、手術、通院、先進医療、女性に対する特別な補償がありますね。 上記の他に、実損填補型のがん保険というものがあり、この場合は実際にがん治療にかかった費用がかかった分だけ補償される内容になっています。
がんにかかる人が多いだけに、保証の内容も様々に分かれおり、網羅してくれる形になっています。入院費用が20万円を超えてくるので、それだけでもがん保険加入の意味を感じることができるかもしれませんね。
民間の保険だけではなく、共済保険についても把握しておこう。
民間保険と異なり、共済保険の最大の特徴は「営利を目的としていない」ということです。そのため比較的掛け金が安かったり、余剰に積み立てられた保険料の割戻金があったりもします。今回は簡潔な説明にとどめますが、民間の保険だけではなく、共済というのも選択肢にあることを認識しておきましょう。
がん保険について正しい理解をして、保険選びをしましょう
がん保険について理解は進んだでしょうか。がん保険はメジャーな病気に対しての保険ですから一度検討してみると保険全般の理解もより深まるので良いでしょう。その際は共済も選択肢に入れてみましょう。選択の幅を広く持つことは、保険選びにおいてとても大事になります。検討段階で迷った時は、今回の記事ならびに前回の記事を読み返して、そもそもの保険の意義から振り返ってみるのも良いですね。