全国共済お役立ちコラム

ガン保険ってどういう商品?

2020-9-1

テレビをつけていると、1日に1回は必ずと言ってよい程よく見るガン保険のコマーシャル。しかし実際、その「ガン保険」の内容を皆さん知っていますでしょうか?「ガン」という病気に対して、怖い病気だとは知っていてもどこか他人事に感じてしまうこともあるかと思います。では、実際に日本におけるガンにかかる確率はどのくらいなのでしょうか。
ガンとは何なのか、日本のガン罹患率の現状、かかった場合にかかる金額をふまえて、ガン保険がどういうものなのか、一緒に見ていきましょう!

体になにが起こっているの?「ガン」について知ろう!

皆さん、もちろん「ガン」という病名は聞いたことがあると思いますが、実際にはどういうものをガンと呼ぶのか知っていますか?

実は、どんなに健康な人でも毎日数千個以上ものがん細胞が発生していると言われています。しかし、私たちの体内には細菌やウイルスからからだを守る防御システムの働きを持つ「免疫細胞」が備わっており、がん細胞が発生しても退治してくれるので、発症しなくてすむのです。
ところが、生活環境内に存在する化学物質など外的因子や、生活習慣の乱れ、ストレスなどの心理的な要因により体が変化してしまうと、ガン細胞が免疫細胞よりも強くなってしまいます。
そうなると、ガン細胞が細胞分裂により勝手に増殖してしまい、細胞の集団が出現します。この細胞集団がじわじわと広がっていく場合、また転移を起こす場合に、これを「悪性腫瘍」、すなわち「ガン」と呼ぶのです。

怖い病気だとは知っているけれど…実際は?ガンの現状を知ろう!

ガンは怖い病気だということは皆さんご存じかと思いますが、「まさか自分が」と、他人事に感じてしまう事もあると思います。そこで日本でのガンの現状を見てみましょう。

「ガン大国、日本」とも言われるように、ガンは日本の死因要因の第1位です。
また、統計的に、生涯のうちにガンにかかる確率は、男性65.5%(2人に1人)、女性50.2%(2人に1人)となっています。年齢別の罹患率を見ると、女性は30歳代後半から徐々に高くなりますが、男性は50歳代から急上昇する傾向があります。
統計を見ても、実はガンはとても身近な病気であることがわかりますね。

がんの治療にかかる費用

万が一ガンにかかってしまった場合、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。
ガンを患ってしまった部位などによって変動しますが、ここでは平均的な金額を見ていきます。

入院をした場合、入院期間は平均約18日になります(乳がん・子宮がんは一般的にもっと短い)。そして1日にかかる入院費は、平均約1万6千円。よって、1回の入院でかかる合計金額は、平均約28~29万円程になるのです。

以上は入院の費用のみですが、他にも治療で外来する際にかかる金額も考えなければなりません。入院費、外来費など、全て含めて見ると、ガン治療にかかる1年間の自己負担金は、平均86万円にものぼります。
しかし、実際は給付金や医療費還付金などがありますので(平均62万円)、実質負担金は平均24万円程になります。ただし、給付金には「民間保険」の給付金も含まれているので、民間の保険に加入していない場合は負担額がもっと大きくなってしまうのです。

万が一のガンの備えとして考えておきたい1つの事として、「ガン保険」があります。次からは、ガン保険について見ていきましょう。

ガン保険とは?

ガン保険とは、ガンになった時だけ保障される保険のことです。ガン以外の病気やケガでかかったお金については保障されません。万が一の事態に備えて入るものが「保険」ですので、十分に備えれば備える程、もちろん支払う保険料は高くなってしまいます。
ガン保険は、「ガン」のみに限定しているため、保険料が安くすむことが利点と言えます。

ガン保険の基本的な保障とは?

現在では、様々な保険会社から沢山の商品が出ていますが、それぞれのガン保険の商品の中身となる「基本的な保障」は、どの商品でもおおむね共通しています。ここでは、その基本的な保障ひとつひとつを大まかに説明します。

◎診断給付金(診断一時金)
ガンと診断されたときに受け取れる一時金。基本的には100万円~300万円の間が多い。

◎入院給付金・通院給付金
ガンで入院したときに支払われる給付金。入院1日につき5千円~2万円の中から選べるものが一般的。

◎通院給付金
ガンで通院したときに支払われる給付金。入院1日につき5千円~2万円の中から選べるものが一般的。

◎手術給付金
ガンで手術を受けたときに受け取れる給付金。固定給付型と、変動給付型に分かれている。金額は、10万円のものから100万円のものまで、プランや商品により幅広い。

◎先進医療給付金
ガンの治療を目的として先進医療を受けた時、技術料を補う給付金。一般的には1,000万円または2,000万円の範囲内で保障。

◎放射線治療給付金
放射線治療を受けたときに支払われる給付金。放射線治療1回につき、10万円~30万円を支給されることが多い。

◎抗がん剤治療・ホルモン剤治療給付金
抗がん剤治療・ホルモン剤治療などを受けたときに支払われる給付金。治療を受けた月ごとに10万円~30万円が支払われるものが多い。

一般的に皆、いつ頃ガン保険に入っているの?

一般的には、20歳代までは男女共に約20%の加入率に留まっていますが、30歳代に入ると途端に約44%にまで上昇している傾向にあります。30歳代は、家族が増えたり、住宅の購入など、ライフステージに大きな変化が起こりやすい時期である為、将来の事を考え、万が一に備える人が多くなることが理由であると考えられます。

まとめ

以上、ガン保険の概要について説明してきました。ガン保険が必要かどうかは、最終的にはそれぞれの家庭の経済状況や価値観によっての決断になるかと思いますが、まずはよく理解を深めて、それぞれ1人1人に合った最適な選択をしていきたいですね。