全国共済お役立ちコラム

共済のガン保険って?通常のガン保険と違う?

2020-9-8

ご自身のライフステージや、日本人のガンの罹患率が高い事を受けて、ガンに備えて検討をしている人は少なくないかと思います。これまでのコラムでも、ガン保険についていろいろな視点から勉強をしてきましたね。
しかし、実はガンに対する備えは「ガン保険」だけではない事をご存じでしたでしょうか?
今回は、「共済」のガン保険について見ていきたいと思います。そもそも「共済」とは?という基本知識から、「保険」と「共済」の違い、共済のガン保険のメリット・デメリットを一緒に確認していきましょう!

そもそも「共済」ってなに?

「共済」とは、協同救済(互いに助け合う、お金を出しあって必要な人を助ける)を制度化したものになります。将来我々の生活を脅かす可能性のある様々なリスクに備えて、組合員があらかじめ一定の「共済掛金」を拠出して協同の財産を準備しておき、万が一組合員にリスクが発生してしまった際に、そこから共済金を支払う仕組みになります。つまり、組合員一丸となり、他の組合員が困っている時に助ける、というシステムです

共済と保険はどう違うの?

共済も保険も、「リスクが発生した際に経済的な損失を補うもの」ですので、そこは同じ意味合いになります。では一体何が違うのでしょうか?それは大きく4つ程あげられます。

① 根拠法令、監督官庁が異なる
② 用語の違い
③ 営利・非営利の違い
④ 加入対象者の違い

まず①に関してですが、保険会社が扱う保険の根拠法令は「保険業法」、監督官庁が「金融庁」になりますが、対して共済では、根拠法令は「消費生活協同組合法」や「農業協同組合法」、監督官庁は「厚生労働省」や「農林水産省」となります

そして②に関して、保険では以下のような用語を使いますが、
1:保険料
2:保険金
3:契約者
4:配当金
共済では用語が以下のように変わります。
1:掛け金
2:共済金
3:加入者
4:割戻金
用語の違いで保障内容が大きく異なる事はありませんが、頭に入れておくと理解しやすいでしょう。

③について、保険会社は営利目的、共済は非営利で行っている事業となります。共済事業は、組合員が自ら積立金の運営をし、資産運用などはせず組合員を助けるという事を最大の目的としています。

④の違いについてですが、保険は不特定多数の人が対象なのに対し、共済は組合員とその家族が対象になります

保険と共済について4つの大きな違いを確認できました。では、ガンに備えたい場合、通常の保険と共済保険はどちらを選ぶべきなのでしょうか?次から、共済のガン保険について詳しく見ていきましょう。

共済のガン保険の内容とは?

共済のガン保険は「ガン共済」と呼ばれていますが、実はガン共済単体で扱っている共済は少ないため、医療共済を基本コースとし、特約としてガン共済をつける形がほとんどになります。それでは、ガン共済の保障内容をいくつかあげていきましょう。

①ガン診断共済金
:ガンと診断された時に支給される一時共済金。100万~200万円程。
②ガン入院共済金
:ガンで入院した際に支給される共済金。1日あたり5千~1万円程で、日数無制限の場合が多い。
③ガン手術共済金
:ガンで手術を受けた時に支給される共済金。1回あたり金額が10万~40万程で決まっていたり、「ガン入院共済金日額」に一定の倍率をかけて計算されることもある。
④ガン放射線治療共済金
:ガンで放射線治療を受けた時に支給される共済金。1回25万程で金額が決まっていたり、「ガン入院共済金日額」に一定の倍率をかけて計算されることもある。
⑤ガン治療共済金
:ガン再発時や長期治療の際に支給される共済金。1~2年に1回を限度として100~200万程で金額が決まっていたり、「ガン入院共済金日額」に一定の倍率をかけて計算されることもある。

一見、一般的なガン保険と保障内容が似ているように感じますね。それでは、次はガン共済のメリット・デメリットを見ながら特徴をつかんでいきましょう。

ガン共済のメリット

ガン共済のメリットは、大きく3つ程あげられます。

①掛け金(保険料)が安い
月々1000~2000円の掛け金で加入する事ができ、気軽に加入しやすいという事が特徴です。また、年齢や性別に関係なく掛け金が一定のものもあります。
②割戻金(配当金)がある
割戻金とは、決算の際に剰余金がある場合、組合員に支給されるお金の事を言います。必ずあるわけではありませんが、時に30%前後も戻ってくる事がある為、全体を通して支払金が安くなる場合があります。
③商品のパッケージ化
前述した通り、ガン共済は一般的に「特約」として加入する為、システムがシンプルで選びやすいという特徴があります

ガン共済のデメリット

ガン共済のデメリットも、大きく3つ程あげていきます。

①保障金額が少なめ
ガン共済は掛け金が安い分、保障内容が手薄になる場合があります。先進医療特約を考えた場合、例えばガン保険では保障上限金額が500万円~2,000万円なのに対し、ガン共済では500万円~1000万円となり、ガン保険よりもガン共済では保障金額が少なめに設定されて傾向にあります。
②高齢の場合、保障が手薄くなる傾向にある
掛け金が一定な分、ガン罹患リスクなどのバランスを考え、高齢者の保障金額が減額される傾向にあります。
③若い人向けではない
ガン保険の定期タイプの場合、年齢が若いうちは保険料が安く、年齢が上がるにつれて増額していきます。これにより、年齢によってガン共済の掛け金が、ガン保険の保険料を上回る期間が発生する可能性があります

まとめ

以上より、ガン共済は以下のような人に向いていると言えるでしょう。
・保険料を抑えたい人
・ライフステージを考慮し、大きな保障が必要ない人
ガン共済は、掛け金を安く抑えて加入ができる為、家計に余裕がない方にはおすすめだと言えます。しかし、子供が学齢期であるなど大きな出費が多い人は、手厚い保障を受けられるガン保険を検討した方が良いかもしれませんね