子供の医療保険の必要性 医療費助成でカバーできる?

子供が小さいころは、思いがけないことでケガをするものです。特に入院するようなことがあると、親としては心配になります。
教育資金の準備のため学資保険に加入する際に、子供の医療保険も合わせて検討することがあると思いますが、子供の医療保険は必要なのでしょうか。
子供には公的な医療保険制度に加えて自治体の医療費助成などもあるため、医療費がかさむことは少ないかもしれません。
今回は子供が医療保険に加入することのメリットや検討する際のポイントをお伝えします。
子供の医療保険が必要かどうかは人によりけり
子供の医療保険加入においては、「家庭の経済状況」と「医療保険に加入する目的」を考える必要があります。
以下の方法によって子供の医療保障を準備できます。
・一般的な終身保障が付いた医療保険に加入する
・学資保険の医療特約を付加する
・子供用の共済保険に加入する
・親の医療保険や生命保険の家族の医療費を保障する特約を付加する
保険料は親が支払うことになりますが、保障を受けるのは子供なので、子供の将来を第一に考えなければなりません。
まずは、そもそも子供の医療保険が必要となるかの判断材料から見ていきましょう。
家庭の総収入や預金額・どのような目的で子供の医療保険を用意するのかについて検討してみてください。
|医療保険は必要と考えれるとき
①公的医療保険や自治体の医療費助成ではカバーできない費用を補う
公的医療保険は、差額ベッド代や先進医療の費用などには適用されません。
また、自治体の医療費助成が受けられることが多いと前述しましたが、その助成の内容(対象年齢、自己負担の有無など)は各自治体で決められており、自治体によっては助成が乏しい可能性もあります。
医療保険へ加入していれば、一般的には入院の際に給付金が受け取れ、公的医療保険や自治体の助成ではカバーしきれない費用を補えるため、いざというときのための備えが手厚くできます。
②子どもの将来の保険を準備しておく
医療保険は通常、加入時に健康状態などについての告知が必要です。
もし加入時に健康状態に問題があった場合、保険自体へ加入できない、もしくは加入できても、特別条件を加えられることがあります。
将来保険に加入したいと考えたタイミングで、加入できないことも考えられます。
また、基本的に医療保険は、加入時の年齢が高くなるほど、保険料も高くなります。
保険料が安い子どものうちに終身医療保険に加入しておけば、安い保険料で一生涯の保障を確保しやすくなります。
子どもが小さいうちに医療保険への加入を済ませておくことは、将来のリスクを回避し、お手頃な保険料で保障を確保することにつながるかもしれません。
|不要であると考えられるとき
①公的サポートが充実している
民間の医療保険に加入しなくても良いといわれる大きな理由は、「日本は医療費や治療に対する公的サポートが充実している」という点が挙げられます。
特に病院に行く確率が高い、0~4歳では、公的医療保険制度によって親の負担額は2割に留まります。
さらに、高額療養費制度によって1カ月の医療費が親の所得に対する上限を超えた場合には、医療費が控除されます。
また、一世帯の1年間にかかった医療費が10万円を超える場合には、医療費控除を受け取れるため、支払った税金の一部が戻ってきます。
これらに加えて各自治体によっては、「こども医療費助成制度」を導入しており、一定の年齢に達するまでは子供の医療費を無料とすることで、子供がいる家庭を支援しています。
所得制限があったり、0歳から15歳や22歳までと子供の支給年齢などの受給要件は自治体によりますが、それぞれの自治体の窓口に申請を行うことで全額助成される自治体も多いです。
そのため、サポートが充実している地域では、医療保険が不要と考えられます。
ただし、自治体の支援には地域差があり、国からのサポートだけでは経済的に厳しいという家庭もあるでしょう。
不要と判断する場合は、医療費の負担と医療保険の保険料支払い負担をよく比較して、慎重に検討することが重要です。
子供の医療保険を選ぶポイント
子供の医療保険に加入するか否かを決めたら、続いて実際にどのように医療保険を選んでいけば良いのか、4つのポイントをご紹介します。
医療保険は子供だけでなく家族全体の「安心」につながるため、家族の状況に合った医療保険を選ぶことが重要です。
①保障期間
治療や入院など、治療に関わる保障を受ける期間は、「子供が自立する時点で終了させるも」しくは「子供が自立した後も継続させる」どちらかを選択しましょう。
「子供が自立する時点で終了させる」を重視する場合は、学資保険の医療特約を付加・子供用の共済保険に加入・親の医療保険や生命保険の家族の医療費を保障する特約を付加、の選択がおすすめです。
一方で、「子供が自立した後も継続させる」ことを重視する場合は、一般的な終身保障が付いた医療保険への加入が適しているといえます。
一般的な終身保障の場合は、保険料を支払う年齢が低いほど低額で加入できるうえ、保障される期間も長くなります。
②保障金額
入院給付金や手術給付金・通院給付金などを含む保険金の受取額を指します。
いくらの保障金額が設定されているのかによって、医療保険の保険料が変わるため、医療保険選びでは欠かせない項目です。
子供の年齢が低いと、公的なサポートが厚く医療費などの負担も小さいため手厚い医療保険の保障は不要なケースも多いですが、子供が自立した後の一生涯の保障を考える場合は、保障内容がしっかりとした医療保険を選ぶ必要があります。
この点については、医療保険に加入する目的から、選択しましょう。
③先進医療特約の有無
先進医療とは、厚生労働大臣が指定する高度な医療技術を用いた治療を指します。
保険治療に含めるか否かを評価している途中段階である治療であるため、保険診療と併用はできますが、先進医療に関する支払いは全額自己負担となります。
高度な医療技術であるため、病気やケガにより効果的であるといえますが、全額自己負担であるため高額な医療費が特徴です。
この先進医療の医療費に対する給付があるのがオプションとして用意されている先進医療特約です。
先進医療を選択するためには、まとまったお金が必要となるため、先進医療の医療費を保障内容に盛り込んだ医療保険を選ぶか、特約として追加するのがおすすめです。
④保障か貯蓄かどちらを優先するか
現在の医療保険では、保険料支払いの負担を抑えることができるうえ保障も十分に充実した掛け捨てタイプが主流です。
しかし、保険料の還付や保険契約の解約返戻金を受け取れる貯蓄タイプもあります。
掛け捨てタイプは解約返戻金がない分保障内容の充実に特化している商品が多くなっています。
そのため、保障と貯蓄のどちらを選ぶのかと考えても良いでしょう。
まとめ
子供にとって医療保険が必要かどうかは、親の考え方によって変わってきます。
子供の健康状況を踏まえて、万が一の病気やケガのリスクに備えたい場合には医療保険に加入しておくことで安心できるでしょう。
また、年齢の若いうちから終身保険に加入しておくことで保険料を安く抑えながらも一生涯の保障が受けられます。
さらに保険料を払い込み済みにしてしまえば、子供が保険料を負担することなく利用できる終身保障をプレゼントできます。
毎月の家計状況を鑑みながら、保障と保険料のバランスが取れる医療保険を選ぶようにしましょう。