子供が他人にケガをさせたら保険は適用されるのか?

子供を持つ親にとって、子供自身のケガや病気は一番の心配事といえます。さらに、子供が他人に誤ってケガをさせたりしまったり、物を壊して損害を与えてしまったといった場合の対応も考えておきたいもの。子供の場合、故意ではなくても時には大きな損害を与えてしまうリスクもあり、その場合の責任は親にのしかかってきます。
いつ自分の子供が他人にケガをさせてしまうか分かりません。そんなときに対象になる保険を知っていれば安心です。ここでは「個人賠償責任保険」について解説しています。育ち盛りのお子さまがいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
個人賠償責任保険(個人賠償責任補償特約)とは
「個人賠償責任保険」とは、日常生活で他人にケガをさせてしまったり、他人の物を壊してしまったりして、法律上の損害賠償責任が発生した場合に補償する保険です。小さなケガならまだしも、後遺障害が残ってしまうような大きなケガの場合には高額な賠償金額になることもあり、簡単に支払うことはできません。
個人賠償責任保険なら誤って他人にケガをさせてしまっても適用されます。同居の家族の事故も補償の対象となるので、安心安全に生活したいニーズにマッチした保険と言えます。(対象となる家族の範囲は保険会社によって異なることがあります。)
また、個人賠償責任保険は個別の保険商品として用意されているわけではなく、火災保険や自動車保険など幅広い損害保険商品に特約として付帯できるものです。
補償の対象となる範囲が広いのがこの保険の特徴。家族の中の誰かがこの補償を付けていれば、家族全員のリスクに対応することができます。
火災保険や自動車保険は家族の誰かが加入しているケースも多いと思いますので、これらの保険のどれかひとつに、個人賠償責任の特約を付けておくと安心です。
|個人賠償責任保険で対象となる事例
個人賠償責任保険は次のケースなどで適用されます。個人賠償責任保険は、幅広いリスクに備えられる保険です。
・自転車に乗っていて歩行者と衝突し、怪我をさせてしまった
・店舗で買い物中に、誤って高級な食器を割ってしまった
・飼い犬が他人にかみついて怪我をさせてしまった
・自宅(マンション)のお風呂から水漏れして、階下の住宅の家財に損害を与えてしまった
|個人賠償責任保険で対象にならない事例
個人賠償責任保険に加入していても補償されないケースはあります。なぜ補償されないのかというと、そもそも個人賠償責任保険は“自分のせいで誤って他人に怪我をさせ、法律上の損害賠償が発生する場合”が対象になるからです。当然、一緒にいた相手が一人で転んで怪我をした場合など、損害に対し何の責任も負っていない場合は対象になりません。
そのほか、対象にならない事例は次のようなケースです。
・スポーツ中に起きた場合(例えば、野球のピッチャーをしていてボールが打者に当たった)
・相手が同居の家族の場合(例えば、兄弟のメガネを踏んで壊してしまった)
・ケンカの場合(相手に当たったら怪我をすることが想定できる行為なので故意になります)
子供が起こした他人への損害は親が責任を負うことに
子供が自転車に乗っていて歩行者に重傷を負わせてしまい、その親に数千万円の損害賠償命令が出た判決事例が記憶にある人もいるのではないでしょうか。普段、子供が自転車に乗ってあちこち出かけているという家庭はごく一般的ですので、子供のいる家庭では、このような事件は他人事ではないでしょう。
そこまで深刻な事故にはならなくても、買い物中に商品を壊してしまったとか、公園で遊んでいて他の子供にケガをさせてしまった、キャッチボールをしていて他人の家の窓ガラスを割ってしまった…など、損害賠償が必要になる可能性は身近に潜んでいます。
いざ、子供が他人を傷つけたり物を壊してしまったりした場合には、損害賠償の責任は親にかかってきます。そうしたリスクをカバーするのが個人賠償責任保険です。
子供がケガをさせてしまったら、まずお詫びを
トラブルの謝罪をする場合には、親だけで行くのではなく、子供本人も一緒に謝りに行くのが良いでしょう。当事者である子供とその親の両方が、トラブルを真剣に受け止め反省していることが相手に伝わることが大切です。
謝罪に一緒に行くことで、子供自身も「自分がどんなことをしてしまったか」「自分のしたことでどんなことが起こってしまうのか」を理解することができるでしょう。
謝罪はできる限り当日中、遅くともその翌日にはできるようにしましょう。謝罪までの時間が空いてしまうと、相手の中で子供とその親へ印象が悪くなってしまうことも考えられます。
他の親との間でその出来事に尾ひれがついた状態で広まってしまう、といった事態を避けるためにも、その日のうちに相手へ連絡を取り、謝罪の予定を設定しましょう。
まとめ
子供同士のトラブルに限らず、トラブルが起きてしまったときは相手に「トラブルを重く受け止め、反省している」ことが伝わることがポイントです。
トラブルの後処理が長引き、日常生活に支障が出てしまうことを避けたいのは相手も同じ。なるべく早くお互いがいつも通りの生活に戻れるように、迅速に誠実に対応をするよう心掛けたいですね。
また、思わぬ子供同士のトラブルでケガをさせてしまったり、また子供自身がケガをしてしまった時に備えて対応できる保険を確認して