こどもの医療保険を検討する際のポイントとは?

子どもが成長する中で、万が一のことが起こってしまった場合の備えとなる保険。加入する必要があるかどうかに関しては、なかなか検討が難しい部分もあると思います。
地方自治体の医療補助制度など、無理に保険に加入する必要がない人もいるでしょう。それでも心配だから、念のために検討しておきたいという人も少なくないはずです。
今回は、子供の医療保険に加入するかどうか見極めるうえでのポイントについて考えてみましょう。
こどもの入院率ってどんなもの?
厚生労働省の平成20年度のデータによると、0~14歳の子どもが入院する確率は、全体の0.2%に満たないという結果が出ています。また、35~64歳の年齢層が入院する確率は0.7%という結果が出ています。0~14歳の子どもが入院する確率を35~64歳の年齢層と比較すると、3分の1以下ということになり、とても低い数値となっています。
こどもに対しての国や自治体の医療費補助制度とは
子育てをするうえで、国や自治体の医療費補助制度は大きな柱となっています。そもそも、子どもの入院する確率はとても低いことに加え、もし入院が必要な病気にかかったとしても、子どもの公的医療保証はとても充実しています。
通常、健康保険に加入していれば医療費は3割負担となりますが、小学校就学前なら自己負担割合は2割だけ。また、子育てを支援する目的で、その2割や就学後の3割の全額または一部を助成してくれる乳幼児医療助成制度もあります。各自体によって制度の内容に違いがありますが、乳幼児や子どもの場合は、こういった支援を受けることができます。
さらに、各地方自治体で助成額や条件は変わりますが、義務教育就学時医療費助成制度が設けられており、最大15歳(中学校卒業)まで助成を受けられる制度もあります。
このような制度により医療の保障を受けられる期間は、「公的制度だけでも十分」といえるかもしれません。そのため、助成制度を受けられる期間から外れるタイミングで、医療保険への加入を検討するのも選択肢のひとつといえるでしょう。
自治体ごとの助成制度の差とは?
乳幼児や義務教育就学児の医療費助成制度に関しては、対象年齢の拡大や自己負担の撤廃など、全国的にその助成内容は充実してきています。
東京都を例にあげると、すべての市区で中学校卒業まで以上が助成対象年齢になっており、ほかの地域と比較しても手厚い助成内容になっています。その中でも、千代田区は高校卒業までが対象とされており、さらにその助成内容は手厚くなっています。しかも、所得制限がなく、すべての乳幼児や義務教育就学児が対象となります。
一方、お隣の横浜市は小学1年生までしか対象とならず、1歳以上からは所得制限があります。この差はかなり大きいといえます。神奈川の中では厚木市も中学卒業までが対象で、所得制限もありません。横浜市と比較すると手厚い保障となっています。
このように、医療費の助成がある年齢と、所得制限、自己負担の有無など、各地域によって大きなばらつきがあることがわかります。
いずれにしても、医療費の助成があるのが「中学校卒業まで」と「小学校1年生まで」では大きな違いがあります。居住している地域の助成内容を調べてみることをおすすめします。また、入院と通院では適用内容が変わるなど、一律ではないケースもあるため注意が必要です。
こどもの医療保険として考えるべきこと
「地方自治体の医療費補助制度がすでに終わってしまった」とか、「それでも念のために子どもの医療保険を考えている」というのであれば、最低限の保障で掛け金の安い共済と、18歳以降も継続できる保障内容が整った医療保険を検討してみてはいかがでしょうか。
掛け金の安い保険としては共済がおすすめです。全国共済や都民共済などの共済は、月額の安い掛け金で入院給付金がつきます。また、手術内容に応じて一時金が出たり、死亡共済金、後遺障害共済金などが出たりする保険です。子どものための共済制度ですので、通常よりも割安に設定されているのが特徴です。
子どもの将来を考えて保険の加入を検討する場合には、保障内容が充実した医療保険も選択肢のひとつ。終身保険に加入すれば、たとえ18歳までに大きな病気にかかっても、一生涯医療保険に加入し続けられるメリットがあるため、早めに入っておくと大きな安心につながります。
加入するなら掛け金の安い保険がおすすめ
子どもの医療保険は、加入しているほうが安心につながりますが、そのためには月額の保険料を負担しなければなりません。子どもの入院率が低い点や、乳幼児・義務教育就学児の医療費助成制度が充実している点から、これらの医療費助成制度の対象である期間は加入の必要性はあまり高くないかもしれません。
家族全体の保障を考えた場合、子どもの医療保障よりも夫婦の死亡保障や医療保障の確保を優先したほうが、リスクに備えられます。また、毎月の出費も抑えられるため、お金を効率よく使えます。
ただ、それでも不安な場合は、子どもの医療保険への加入を検討してみましょう。また、現在居住している地域の乳幼児・義務教育就学児の医療費助成制度が切れるタイミングや、すでに切れている場合は、加入を検討する時期といえるでしょう。