医療保障か教育費の貯蓄か!?こども保険と学資保険の違いについて

こども保険の内容は子どもの医療保障がメインですが、養育費や教育費のための貯蓄型商品の側面もあります。同じような内容として学資保険もありますが、両者の違いはどのようなものがあるのでしょうか。今回は、こども保険と学資保険の違いについて解説します。
こども保険の特徴
こども保険は、子どもの医療面の保障を中心に考えられた商品です。子どもの成長段階では、大人と同じようにケガをすることもあります。病気にかかり入院をすることもあります。こうした医療面での保障を行うことを目的としたものが、こども保険。学資保険とは異なり、主軸が医療という点で区別するようにしましょう。また、こども保険には友達など第三者にケガをさせてしまった場合などの保障もあります。
子どものケガや入院について備える場合には、学資保険への特約追加ではなく、医療に特化したこども保険に加入するほうが多くのメリットを受けられるケースがあります。なぜなら、保障内容や保障の対象となる範囲が充実しているケースが多いためです。
学資保険に特約として医療保障を付ける場合には、別の契約としてこども保険に加入する人は多くありませんが、もし学資保険に入っている場合で医療面の保障に不満や不安を感じた場合は、必要に応じて加入を検討することをおすすめします。
学資保険の特徴
学資保険は、子どもの教育資金を積み立てる貯蓄性の高い保険です。その主軸は教育資金の積み立てとなり、こども保険との根本的な違いになります。しかし、実際には「こども保険=進学費用積立」として紹介されることもあります。その理由は、子どもに対する親の興味関心の中心が、子どもの教育プランにあるからです。
子どもが生まれてから常に気になるのが、子どもの将来のこと。今後、どのように成長していくかについて考えない日はないほどです。子どもの成長を考えるとき、教育プランに興味を持つ人が多く、そのニーズを満たすために保険会社から多くの商品が販売されているのです。
学資保険は、やがて訪れる子どもの進学などに合わせて教育資金を受け取ることができます。また、高い貯蓄性を保っている点も人気の理由のひとつです。積み立てた保険料が、当初から設定した時期に受け取れる点も、学資保険にメリットを感じる人が多い理由といえるでしょう。
こども保険と学資保険の違いは?
では、こども保険と学資保険とは何が違うのでしょうか。実は、それほど明確な違いがないのが実情です。なぜなら、こども保険と学資保険は、保険会社によって同じ意味や同じ商品として取り扱われていることが多いためです。
同一商品として扱われることが多いことから、保険を選ぶ際に混乱してしまう人が多いのも事実です。本来は2つの保険には違いがあります。しかし、子どもの未来にとって、医療の保障も教育の備えもどちらも必要なもの。同一として扱うほうが加入者の理解が深まると判断されることが多いのです。
学資保険は教育費のための資金を積み立てることが最大の目的です。これを最優先事項としてプランを組み、必要に応じて子どもの万が一の死亡や病気・ケガのリスクに対し、医療費などを保障する内容を追加する商品です。
しかし、こども保険と同様、子どもだけでなく父や母などの契約者に万が一のことが起きた場合、それ以降の払い込みが不要となる制度がセットされるなど、2つの違いがわかりにくくなっているのも事実です。
子ども保険は主に子どもの医療保障に重点を置きつつ、教育資金に備える保険。学資保険とは逆に、子どもの万が一の病気やケガに備える目的で選ぶようにしましょう。また、子ども保険は子どもの身の回りについての保障に重点を置いたもので、教育資金を準備することを一番の目的にはしていないということです。
保険選びの際に大きくわけて考えるなら、学資保険は教育資金資金が必要なとき給付金を受け取り、こども保険はケガや病気の際に治療に必要な資金を給付金として受け取るという点に注目するようにしましょう。
どちらを選ぶかのポイントは?
子ども保険と学資保険には、貯蓄を優先する「貯蓄型」と、養育資金がありつつも契約者の保障が厚めの「保障型」に分けられます。どちらのタイプでも、あくまで貯蓄のための保険。期待している貯蓄性が満たされているかどうかが選ぶ時の重要なポイントになります。
また、一般的に保障型商品で契約者の保障が厚いほど、あるいは子どもの医療特約などをつけるほど貯蓄性は下がり、満期の時のリターンは少なくなります。
子どもに生命保険や医療保険をかけている場合は、養育資金を用意することに特化した「貯蓄型」がおすすめ。医療や死亡保障などの保障もついた「保障型」は、養育準備金を別の形で用意できる人におすすめです。満期保険金から払込保険料累計を引いた差額が大きいものが、貯蓄性が高いといえます。
子どもの将来はもちろんのこと、家族の将来にとってどういった保障や貯蓄が必要なのかをイメージし、複数の保険商品の見積もりを取ったうえで比較・検討してみることをおすすめします。