医療特約は必要?どのくらいカバーできる?

子供が小さいうちは、まだ免疫がしっかりと備わっていない為病気に罹りやすいです。年齢ごと・季節ごとで子供に流行しやすい病気は3つ前のコラムでお話したものが例としてあげられますが、どれも悪化をすると入院が必要になる可能性があり、親としては心配になりますよね。そんな時、万が一の入院や手術の為に、やはり子供保険の医療保障特約をつけておいた方が良いのか?と、まだ疑問に思っている方いらっしゃるのではないでしょうか。
今回はこの医療特約で、どのくらい保障されるのか、本当に必要なのかをお話していきます!
子供保険の医療保障特約では、どのくらいカバーされる?
皆さんは、子供保険の医療保障特約で実際どのくらいの金額が保障されるのかご存じでしょうか?
商品によって変わりますので、今回は例として挙げていきますが、「入院保障」「手術保障」「放射線治療保障」の3つの保障金額についてお話していきましょう。
◎入院保障金額の例
・入院初期保険金:22,500円(入院保険金日額の5倍)
※入院初期保険金のない場合もある
・入院保険金:日額4,500~5,000円×入院日数
※入院保険金は、1回の入院につき120日までと制限がある事が一般的。
※災害・疾病による入院の支払日数に制限は設けていても、8大生活習慣病による入院の場合は支払日数制限無しという商品もある。
◎手術保障の例
・外来手術保険金:22,500~25,000円(入院保険金日額の5倍)
・入院中の手術保険金:90,000~100,000円(入院保険金日額の20倍)
※商品によっては保障対象外の手術がある場合がある為、確認が必要。
◎放射線治療保障の例
・放射線治療保険金:45,000~50,000円(入院保険金日額の10倍)
保険会社によっては、病気を対象外とし、不慮の事故でのケガによる入院・手術・放射線治療だけを保障する「無配当傷害医療特約」を選べる商品がありますので、医療保障特約を検討する際にはこちらも併せてチェックしておきましょう。
子供保険の「医療保障特約」を検討する際の注意点!
子供保険に医療保障特約をつけると、1つの保険で教育費の積み立て・病気やケガへの備えができる為、家計管理がしやすいというメリットがあります。その為、保険をシンプルにしたいが、いざという時にも備えたい、という方には向いているかもしれません。
しかし、よく理解していない状況で「貯蓄もできる上に、病気・ケガになった時に保障もされる万能保険」という安易な認識で付帯してしまうと、後々後悔してしまう事になる恐れがあります。
医療保障特約を付帯した人の中には、
「子供が病気やケガになった際の保障が少しくらい必要だと思ったが、自分が住んでいる地域では子育て支援がとても充実していて、中学卒業までは通院も入院も、子供の医療費負担が実質ゼロだったので無駄になった。」
「貯蓄重視型の子供保険の中には、払込保険料総額を5~10%も上回る商品もあるのに、自分は20年間保険料を支払って結局赤字になってしまった。」
という感想を持った方もいらっしゃいます。
◎特約に頼りすぎると元本割れするので注意!
子供保険には元から特約がセットになっている商品もあれば、自分で特約を付帯できるものもありますが、特約がついている(またはつけた)商品の場合、将来的に受け取る金額が払込保険料総額を下回る可能性がありますので注意が必要です。
◎医療保障特約は、医療保険としては不十分
子供保険の医療保障特約は、通常の医療保険と比べると保障内容が十分とは言えないというのが事実です。通常の医療保険の特約は、ガン特約、通院・入院特約など様々な選択ができますが、子供保険の医療保障特約は特定の病気に対しての保障を十分に備えるなどのカスタマイズができない為、付帯した所で安心できるかと言ったら、そうでないのも事実です。
結局のところ、「医療保障特約」はつけるべきか?
こちらの答えは、ずばり「人による」となりますが、最近では「子供保険に医療保障特約は不要」という考え方を持つ人が増えている傾向にあるようです。
確かに、小さな子供は抵抗力も弱く病気にかかりやすいですし、不安に感じる事も多いかと思います。そしてその為に備えておきたいと思う方も多いでしょう。
しかし、子供保険への加入目的の1つとして、「しっかりした積み立て」を考えている場合は、返戻率の低い保障重視型の子供保険を利用するよりも、返戻率の高い貯蓄重視型の子供保険を利用し、その上で「医療保障」への備えとして保険料の安い通販型の保険を利用するなどした方が現実的でしょう。
社会保障制度が利用できる事も忘れないで。
そもそも子供に医療保障が必要なのかどうかも、子供の保険を考える上で大切なポイントです。というのも、生まれたての赤ちゃんの場合は一定の割合での入院数はいるものの、統計的には10代までの子供は、他の年代に比べて入院治療を受ける割合が少ないのが事実だからです。その為、一般的な傾向としては、子供の治療費が他の年代と比べて特別高くなってしまうというわけではないようです。
更に、医療保険を考える前に、社会保障制度も利用できるという事も忘れてはいけません。
◎公的医療保障制度の利用
大人でも病院にお世話になった際に、治療費が全額負担でないのはご存じですね。それは公的医療保障により、実質自己負担が全体の3割程度になるからです。その制度はもちろん子供にも適用されます(未就学児は2割)。
◎子ども医療費助成制度の利用
こちらは、全ての都道府県・市区町村が実施する、子供の医療費を助成する制度です。
住んでいる地域によって違いますが、「乳幼児医療費助成」・「義務教育就学児医療費の助成」などにより、中学卒業までの子供の医療費自己負担額はかなり軽減される為、ご自身の地域の助成制度を是非一度確認してみてください。
まとめ
子供の病気やケガの備えを考える際に、まずは子供に医療保険自体が必要かどうかを考えましょう。その結果やはり医療保険をつけておきたいと考える場合は、子供保険への医療保障特約の付帯がよいのか、他の医療保険でカバーするのかをバランスを考えながらよく検討すると良いでしょう。