全国共済お役立ちコラム

医療保険は何歳まで必要?医療保険を選ぶポイント

2022-6-3

結婚や出産、住宅ローンを組んだときなどに、医療保険を検討する方が多いのではないでしょうか。加入後、子供が独立したり、住宅ローンを完済したり色々なことが落ち着いたときに、もう医療保険っていらないのでは?と考える方もいるかもしれません。
仕事からの完全リタイアをし始める60代、公的医療保険制度の自己負担割合が減る70歳以上の人にとって、医療保険の必要性はあるのでしょうか。
ここでは、医療保険は何歳まで必要なのか、高齢者と呼ばれる年齢になっても引き続き加入し続ける必要はあるのかどうか、医療保険の継続に関して気になることを解説します。

医療保険は何歳まで必要なのか

医療保険に加入する理由は人それぞれなので、一概に何歳まで必要だと言い切ることはできません。ただし、公益財団法人 生命保険文化センターの調査によると、30代以降の加入率が7割を超えていることが分かっています。30代は結婚や出産、マイホーム購入などのライフイベントが起きるタイミングです。こういった人生の転換期をきっかけに医療保険に加入する人が多いことがうかがえます。

では、例えば子供を育て終わったり、ローンを完済したりした際に医療保険はお役御免となるのでしょうか。

医療保険に加入し続けるにはそれなりのコストがかかりますし、特に70歳以上の高齢者は公的医療保険の自己負担割合が軽減されるので、医療保険を継続する理由はないように思えますが、一概に必要なくなるとはいえません。

その理由について検証する前に、まずは公的医療保険制度の内容についておさらいしておきましょう。

公的の医療保険制度について

日本における公的医療保険では、医療費の自己負担割合が年齢や所得によって以下のように区分されています。

70歳以上75歳未満・・・2割負担

70歳未満および70歳以上の現役並み所得者・・・3割負担

75歳以上の一般または低所得者・・・1割負担

現役並みの所得がある一部の人を除き、ほとんどの高齢者は70歳以上になると医療費の自己負担割合が2割、そして1割と段階的に減っていきます。

もともと医療保険は公的医療保険だけではカバーできない分を補填するためのものであるため、医療費の自己負担が軽減されるのなら、現役世代ほど手厚い医療保障は必要ないと考える人も多いようです。

高額療養費制度について

日本の公的な健康保険には、1ヶ月の医療費が一定額を超えると、その分は健康保険が負担してくれる制度があります。これを高額療養費制度と呼びます。

この「一定額」は、年齢や収入によって違うのですが、70歳未満で一般的な収入であれば概ね8万円+αくらいで済みます。

ひとつの医療機関における医療費が1か月100万円かかったとすると、自己負担額は3割の30万円ですが、8万円+αを超えた分の約21万円余りが高額療養費として健康保険から払い戻されます。

医療費の自己負担額の上限が8万円+αで済むのなら、わざわざ民間の医療保険で備えるのではなく、その保険料分を貯金にまわして、そこから医療費を払うほうが合理的だとも考えられます。

医療保険が必要な人の特徴

70歳以上になると、現役並み所得者を除き、公的医療保険の自己負担割合、高額療養費制度の上限額、共に低くなります。

医療保険は元々、公的医療保険制度でカバーできない分を補填することを目的としたものですので、現役世代に比べて公的医療保険の保障内容が手厚くなる70歳以上になったら、民間の医療保険は不要では?と思う人も多いかもしれません。

しかし、結論からいうと、民間の医療保険による保障が必要な高齢者も少なくありません。

確かに70歳以上になれば、1回あたりの自己負担額は少なくなりますが、一方で、病気やケガで入院するリスクは若年層に比べて高くなります。

老後は公的年金だけで生活費をカバーするのが難しい

定年退職を迎えると、多くの人は公的年金と貯蓄で生活費をまかなうことになります。

65歳以上の無職世帯の家計収支は、夫婦のみの世帯では実収入から社会保険料や税金を除いた可処分所得、いわゆる手取りが22万5,501円、消費支出が22万4,390円、単身世帯では手取りが12万5,423円、消費支出が13万3,146円となっています。[注7]

それぞれの収支を比較してもわかる通り、夫婦のみの世帯でも単身世帯でも家計に余裕はなく、医療費の負担が大きくなった場合、かなり貯蓄を取り崩すことになる可能性が大きいです。

70歳以上はひと月あたりの医療費の自己負担上限額は低くなるものの、公的医療保険の対象外となる差額ベッド代や先進医療の技術料などは保障されません。入院が長引くと負担が大きくなっていくことが懸念されます。

公的医療保険制度が充実していても、やはり医療費の自己負担が家計を圧迫することが考えられるため、医療保険も上手に活用する必要があるでしょう。医療保険には加入年齢の上限が設けられているものも多いため、なるべく早いうちから加入しておくと安心です。また、少しでも早い方が保険料も抑えられます。

ただし、現役世代に加入した医療保険について一度も見直しをしていない場合は注意が必要です。日帰り入院が給付対象外だったり、給付の対象となる範囲が狭かったりと、保障が現代の状況に合っていない可能性や、逆に保障が過剰な場合があるからです。適切な保険料で適切な保障をつけるようにしましょう。

医療保険を選ぶポイント

①支払う保険料と受けられる保障のバランスが取れていること

健康面のリスクは年齢と比例しています。そのため、医療保険の保険料率も、加入する年齢が高くなるほど上がり、支払う保険料が高くなります。

保険料の負担が大きければ、保障内容や金額を縮小して、家計へのダメージを極力防ぐようにしましょう。また、医療保険は、健康面のリスクが低い若い年齢から加入していれば、毎月の保険料の負担は軽く済みます。

あるいは、保険料の払込を働いているうちに済ませてしまえば、老後は保険料の負担をせずに保障を受けることが可能です。高齢になった時の生活を圧迫しないよう、早いうちから計画的に保障を確保しておきましょう。

②加入できる年齢の上限を考慮し、保険期間は終身にすること

医療保険の保険期間は、一生涯の保障が得られる終身タイプと、年数や年齢で一定期間が決まっている定期タイプがあります。

ただし、定期タイプは更新のたびに保険料が上がるうえ、80歳など一定の年齢になると更新ができなくなります。

特に、平均寿命が長い女性は、定期タイプの医療保険が更新できなくなった後も長く生きる可能性が高いのです。また、医療保険に加入できる契約年齢の上限は、70歳~80歳が平均です。

③長期入院に対応していること

年齢や性別、疾病などの要素によって平均在院日数は大きく変わりますが、高齢者の病気やケガは、加齢に伴う回復力の低下などによって治療期間が長引く傾向があります。

入院給付金の支払限度日数は、短期入院で済むことが多い若年層は30日型の選択が多く見られますが、高齢者では60日型や120日型で備えておくと安心です。

まとめ

日本の公的医療保険制度は、高齢者の負担が軽くなるようさまざまな措置がありますが、必ずしも永続的であるとは言い切れません。

超高齢化社会・少子高齢化社会となったいま、老後の生活資金となる年金や貯蓄だけでなく、医療費についても自助が必要不可欠です。

医療保険は、高齢になってから準備を始めようとしても、加入年齢に上限があったり、一部の保障が受けられなかったりする恐れがあります。

最新の社会保障について常に把握しながら、不足する分を医療保険で準備できるよう、早いうちから加入や見直しを行いましょう。