全国共済お役立ちコラム

70歳以上の高齢者でも加入できる生命保険

2022-6-4

高齢になってくると、ケガや病気、もしもの死亡への心配が増えてくるのではないでしょうか。一般的には新規で契約できるのは60代までという生命保険が主流ですが、70歳以上になってからでも入れる保険はあるのでしょうか?
ここでは、「死亡保険」「医療保険」や持病がある人向けの保険、「認知症保険」など70歳からでも入れる保険について解説していきます。
ご自身に万一があった場合や、日々の健康と豊かな老後のためにもぜひ参考にしていただければと思います。

高齢者にはどんな保険が必要なのか

高齢者といっても、現在は必ずしも皆さんが60歳でリタイアして・・・というわけではなくなりました。60歳を過ぎても現役で頑張って仕事をされている方も多くなり、高齢者というイメージも人によってかなり違ってきているのかもしれません。しかし、年金生活になって収入が減少する方も多いでしょう。また老後の住まいのことを考え始める方や、自由に使える時間を楽しむために新たな生きがいを見つけたいと何かを始める方もいるでしょう。同じく高齢の親の介護等を経験される方も多いと思います。

このように様々な点で、大きく生活が変化する時期でもあります

どんな時に保険が必要になるか考えていきましょう。

【死亡保険について】

万一のときに遺された家族が生活に困らない資金があれば、高額な死亡保障は必要ではなくなります。その分、自分の医療保障に重点を置きましょう。

【医療保険について】

年を重ねていくと、ますます医療保険が必要になってくると思います。若いときに比べてケガや病気等の治療日数や入院が長引くと思われるなら、医療保険やがん保険は終身タイプに加入しておくと保険料が変わらず安心です。

【老後の資金つくりについて】

老後の資金つくりにも保険が利用できる場合があります。

まとまった資金があれば、保険料を一括払いで支払うことでお金の運用ができる終身保険や個人年金保険等もあります。ただし、一般的に契約後数年はそのまま据え置く必要があり、一定期間が経過する前に解約すると、解約返戻金が支払った保険料を下回る場合があります。あくまで余裕資金で行うのがおすすめの保険商品です。

70歳以上の高齢者でも加入できる保険

ここからは、70歳以上の高齢者でも加入できる4種類の保険を詳しく解説していきます。

▶「死亡保険」

万が一の死亡時に保険金が支払われる死亡保険。お葬式費用や亡くなった後にご家族が自宅を整理する際にかかる費用などに備えることができます。ネットから加入できる死亡保険の一部は、70歳や75歳など、70代になってから契約できます。

死亡保険には、所定の期間のみ保険がおりる「定期保険」と、生涯にわたって保障が続く「終身保険」があります。定期保険の場合、所定の年齢まで1年ごとに自動更新するものと、10年間や90歳までのように、決まった期間にわたって保障されるものがあります。

また、70歳以上、持病があっても入りやすい死亡保険もあります。

生命保険に入るときには、健康に関する告知が必要です。持病がある、最近に入院や手術をしたばかりのときには入れないことがあります。

そこで告知項目を少なくして、持病がある人でも入りやすくした「引受基準緩和型」という種類や、告知のない「無選択型」の保険があります。

死亡保険の引受基準緩和型や無選択型にも、契約の上限年齢が75歳や85歳など、70代になってから入れるものもあります。他の条件が同じ標準的な保険に比べて、保険料は割高になります。

「医療保険」

70代になると、公的制度での医療費の自己負担のしくみが年齢とともに変わっていきます。70歳からは自己負担割合が基本的に2割、75歳になると1割になります。また、「高額療養費」の自己負担限度額も70歳からは所得に応じて現役世代よりも引き下げられ、1カ月あたりに負担する医療費が軽くなることがあります。

ただし、70歳時点での日本人の平均余命は男性が約16年、女性が約20年となっています。

70代以降の老後の暮らしは20年前後続くのが平均的であることを踏まえて、医療保険を見直したり、新規加入を検討したりしてもいいでしょう。

医療保険には保障が一生涯続く「終身型」と、保険期間1年で毎年更新できるような「定期型」があります。後者の場合も、100歳までなど高齢になっても続けることができます。

また、持病や入院歴があると、通常の医療保険には加入できないことがあります。そんな方に向けて、「引受基準緩和型」という医療保険があります。

標準的な医療保険に比べて告知項目が少ない保険です。他の条件が同じ標準的な保険に比べて、保険料は割高になります。

「がん保険」

日本人の死因の第1位である「がん」にかかったときの治療費に備えられるのが、がん保険です。75歳や80歳といった高齢になってからでも新規加入できるがん保険もあります。

がんにかかったときの診断一時金のほか、抗がん剤治療、ホルモン剤治療、先進医療など、70代になってからでもがんでの治療費用に備えられます。

「介護保険・認知症保険」

高齢になると、身体に不自由が生じて要介護状態になったり、認知症になったりするリスクも出てきます。

所定の要介護状態になったときに保障される介護保険や、認知症になったときに給付金がおりる認知症保険があります。

また、介護や認知症への保障が付いた医療保険にも、契約上限年齢が75歳や79歳など、70歳以上でも入れるものがあります。

70歳からの保険選びのポイント

まずは、現在加入している保険の保障内容や、何歳まで保障が続くのかを確認することが大切です。

死亡保険を検討する際には「葬儀資金、配偶者や家族の生活資金をカバーするもの」として検討し、医療保険・がん保険を検討する際には、公的医療保険でどこまでカバーされるかを知っておき、民間の保険ではどのような保障が必要なのかを考え自分に合った保険を選びましょう。健康上の理由などで通常の保険に入れなかった場合は「引受基準緩和型」「限定告知型」というタイプの保険もありますので、そちらも検討しても良いかもしれません。それでも加入が難しい場合は、「無告知型」「無選択型」を検討してみましよう。

まとめ

70歳以上になってから、高齢の生活でのリスクに備えて入れる保険は複数あります。月々の保険料は若い人に比べて高額になる傾向がありますし、持病がある人向けの保険は割高にもなりがちです。

年金と貯蓄で生活している方は、保険料の支払いが負担にならないよう、家計のバランスを考えながら契約することが大切です。自分に合った必要な保険を選んで、毎日の安心につなげたいですね。