シニア世代のケガを保障してくれる保険は?

シニア世代は普段の生活の中でもケガをしてしまうリスクが高まる傾向にあります。そのため、小さなことが大きなケガにつながりやすいシニア世代にこそ、突然の事故によるケガのリスクを保障する保険は重要ではないでしょうか。
ケガの保険といえば「傷害保険」ですが、今加入している医療保険にもケガの保障が付いているがそれでは足りないのか?など疑問や不安もあるかと思います。ここでは、傷害保険についての必要性や補償内容、そして医療保険の違いについてなどを詳しく解説していきます。いざという時のためにも、ぜひ参考にしていただければと思います。
シニア向け傷害保険の補償内容
シニア向け傷害保険では、シニア世代特有のリスクに備える補償内容となっています。
まずは、シニア向け傷害保険の補償内容について詳しく紹介していきます。
|基本の補償内容
シニア向け傷害保険はケガによる入院、通院、手術に対して保険金が支払われるプラン、死亡に対して保険金が支払われるプランなど、各保険会社で補償を絞り込んだプランを販売しています。商品によっては、部位、症状別保険金というプランがあり、ケガをした部位や症状の重さに合わせて保険金を受け取ることができます。
|骨折した場合の保険金
シニア向け傷害保険の補償内容としてよくみるのが、骨折してしまった場合の特別な補償です。骨折した部位や入院日数に合わせて、保険金を受け取れるので、骨折によって発生する医療費の一部を賄うことができます。しかし、ケガをする前に骨粗しょう症や病的骨折と診断された部位が骨折した場合は、補償を受けられない可能性があるのでご注意ください。
|ケガによる後遺障害に備える
ケガをした場合、部位や症状によっては障害が残ってしまう可能性もあります。シニア向け傷害保険では、ケガによる入院、通院や死亡に対する補償だけでなく、後遺障害に対する補償を用意している商品もあります。障害の重さにあわせて保険金が支払われますが、保険会社ごとに補償対象となる後遺障害等級は異なります。シニア向け傷害保険への加入を検討している方は、補償対象となる後遺障害等級を確認しておきましょう。
シニア向け傷害保険の特約の種類
シニア向け傷害保険は、基本的な補償内容に加えて特約をオプションで追加することで、補償をさらに手厚くすることができます。
ここでは、特約の3種類を紹介します。
①個人賠償責任
誤って他人にケガをさせてしまった場合など、法律上の損害賠償責任が発生する場合があります。この損害賠償責任を補償するのが個人賠償責任危険補償特約です。
②天災によるケガを補償
地震や津波、噴火などの天災によって負ったケガに備えるのが天災危険補償特約です。地震や噴火などの天災が多い日本に住んでいる以上は、入っておきたい特約です。
③ホームヘルパーにかかる費用を補償
シニア向け傷害保険の特約には、ホームヘルパーにかかる費用を補償するものがあります。ケガによって長期間、自由に身体を動かせなくなると料理や洗濯などの家事をすることができなくなります。そのため、近くに身内などがいない一人暮らしの方は、ホームヘルパーの助けが必要になるでしょう。シニア向け傷害保険のホームヘルパー費用特約に加入していれば、ホームヘルパーの雇用にかかる費用を給付金で補うことができます。一人暮らしの方は、万が一に備えて、この特約に加入しておくとよいでしょう。なお、入院中を要件とし、一人暮らしの方は対象外となるものもあるので、補償される場合を充分確認する必要があります。
傷害保険と医療保険の違い
傷害保険と似た内容の保険として「医療保険」があります。
どちらもケガや事故に備える保険なので、どちらに加入しても同じだと考えている方は多いかと思いますが、実際には傷害保険と医療保険とでは明確な違いが存在します。
傷害保険は「急激・偶然・外来」の3つの条件を満たした「ケガ」だけが補償対象ですが、医療保険では病気も補償対象に含まれます。
ただし、傷害保険の場合はケガの治療で通院をすれば保険金が支払われますが、医療保険では原則的に入院を伴う通院でないと保険金が支払われないケースがあるので注意しましょう。
また、医療保険に加入する際は病歴や健康状態の告知義務があります。持病がある場合や過去に大病を患った経験がある場合は、医療保険に加入できない可能性があります。さらに虚偽の告知を行った場合は、保険金が支払われないことがあります。
一方の傷害保険には告知義務がありません。そのため、医療保険よりも傷害保険のほうが加入しやすいといえます。
傷害保険への必要性が高い人
傷害保険への加入に向いている人の特徴は以下の3通りです。
①スポーツを趣味として行っている人
普段からスポーツを趣味として行っている人は、そうでない人に比べてケガのリスクが高いといえます。
そのため、万が一の事態に備えて傷害保険に加入しておくのは賢い選択です。
ただし、長年スポーツを続けてきたことが原因の慢性的な痛みなどは傷害保険の補償対象外となります。
「急激・偶然・外来」の3つの条件を満たした突発的なケガに備えるという意味で、傷害保険への加入をご検討ください。
②ケガのリスクが高くなる高齢者
歳を重ねるにつれ、体のいたる所の筋肉が衰えていくためにケガのリスクが高まるので、高齢の方は傷害保険への加入を検討されるのが良いといえます。
医療保険は年齢によって保険料が変わってくるため、高齢になれば保険料が高額になりやすいです。
また、過去の病歴や現時点での健康状態によっては医療保険そのものに入ることができない場合もあります。
その点、傷害保険なら告知義務はなく、年齢や性別で保険料が高額になるといったことがないので、突発的なケガのリスクに備えることができます。
ご家族に高齢の方がいらっしゃる方は、傷害保険へのご加入を勧めてみるのも選択肢のひとつです。
③健康上の理由から医療保険の加入が難しい人
傷害保険は告知義務がないことに加え、保険料の設定をする際に職種しか見られないため、持病を持っているなどの健康上の理由で医療保険の加入が難しい人でも比較的加入しやすいです。
しかし、傷害保険はケガの補償はされますが、病気による入院費や治療費は保障されません。
持病を持っているが、病気による入院費や治療費にも備えたいという人は「引受基準緩和型の保険」や「無選択型の保険」であれば加入できる可能性は高いです。
▶引受基準緩和型保険
保険会社へ告知する項目が少なく引受基準も緩いため、持病がある人でも加入しやすい保険
無選択型の保険
健康状態にかかわらず、加入時の告知や医師の審査、健康診断結果の提出などが全く必要ない保険
「引受基準緩和型の保険」や「無選択型の保険」は保険料が一般的な保険と比べて高くなっているなどのデメリットもあるので、自分自身に合った保険を検討してみてください。
まとめ
傷害保険の補償内容や医療保険との違いについて解説しました。
傷害保険は「急激・偶然・外来」の3つの条件を満たした事故やケガのみが補償対象となる保険です。
医療保険に比べて「病気」は補償の対象外という欠点があるものの、加入のしやすさや保険料が割安で手厚い保障が用意できるなどのメリットがあります。
特に、普段からスポーツをしている方や高齢者、健康上の理由から医療保険への加入が難しい方にとっておすすめできる保険です。
このほかにも、商品によってさまざまな補償や特約が用意されているので、自分の年齡や生活、健康レベルに合わせて、補償プランと特約を選ぶとよいでしょう。現在加入中の保険の補償内容だけでは不安だという方は、シニア向け傷害保険への加入を検討してみてはいかがでしょうか。