全国共済お役立ちコラム

高齢者の通院が難しいときには介護保険が適用される?

2022-9-6

年齢を重ねて高齢になってくると、どうしても通院はつきものですよね。平均すると月2~3回は通院しているという高齢者が多いようです。
自分で通えるうちはいいのですが、状況によっては付き添いが必要になってきます。通院の頻度が高くなると家族の都合が付きづらいことも考えられます。そうなった時、誰を頼ればいいのでしょうか。
今回は、介護保険の通院介助について解説していきます。
少しややこしいところもあるので、「どんなときに適用されるのか」「費用はどのくらいかかるのか」などについてしっかり知っておくことが大切ですので、ぜひ今回の記事を参考にしてみてくださいね。

高齢者の通院介助は介護保険で適用される?適用の条件とは

 

通院介助とは、通院で移動する際に介助をお願いできるサービスです。一般的に通院に向かうまでの準備も含まれます。通院のための着替えなども介助してもらうことが可能です。
高齢者の通院は1か所にとどまらないことが多く、家族の場合だと毎回の付き添いは難しいでしょう。
この通院介助は、介護保険を利用することで経済的負担も緩和されます。しかし、対象となる人には次の一定条件を満たしていなければなりません。

・介護認定のレベルが要介護1~5である
・ケアプランとしてケアマネージャーの必要度があると判断されている

介護保険に入っているからといって誰でも通院介助のサービスが受けられるということではないので注意が必要です。
また、通院介助が以下の場合、介護保険適用外になる場合もあります。

自宅や介護施設以外から通院するのはNG
介護保険の通院介助サービスは自宅や介護施設で生活をしている人のためのサービスです。
自宅もしくは生活している介護施設以外から通院するときには介護保険の利用はできません。

通院前後の予定に付き添ってもらうのはNG
自宅から通院をした場合でも、「病院に着く前に銀行に寄る」「病院の後に買い物をしてから帰宅する」などといったようないわゆる寄り道は介護保険適用外となってしまいます。
必要性に応じて処方箋薬局までの介助は適用範囲内と認められることが多くなっています。

病院に到着後の介助はNG
あくまで通院準備と移動のみが適用とされるので、病院の待合室での介助ができないのが原則です。
事業所によってはトイレの介助はOKというところもあるので、確認してみましょう。

介護保険を利用した場合高齢者の通院介助費用はどれくらいかかる?

 

気になるのは介護保険を使った通院介助の費用ですよね。ここでもケースによってさまざまな料金設定となっています。

徒歩や電車・バスなどの公共交通機関を利用した場合
この場合は訪問介護サービスの「身体介護」という項目に該当します。
自己負担額が1割とした場合を見ていきましょう。
・20分未満……167円
・30分以上1時間未満……396円
・1時間以上……579円
・それ以上プラス30分毎……84円ずつ加算

これらに加えて本人とヘルパーさんの交通費、介護サービス料をプラスしたものが1回分の費用となります。

介護タクシーを利用した場合
この場合には介護保険の「通院等乗降介助」という項目に該当します。
こちらも自己負担額が1割と想定して計算すると、1回あたり99円となります。
これらに加えて運賃や介助費用が加算されます。
その他にも乗降の際に介護器具が必要な場合にはレンタル料が発生します。レンタル料金は事業所によって異なるのでチェックしておきましょう。

通院の移動以外のサポートも受けたいという場合はどうしたらいい?

 

通院だけでなく買い物などいろいろな用事を済ませたいという方もいるでしょう。
そのような場合には介護保険は利用できませんが、福祉タクシーを活用することをおすすめします。
メリットとしては、
・車椅子やストレッチャーに乗ったまま利用できる
・利用目的に制限がないので通院だけでなくいろいろな場所への移動が可能

デメリットとしては
・全額自費になる
・介護保険タクシーのドライバーとは異なり資格は持っていないので、乗降時の介助を行なえない

ということが挙げられます。
家族が付き添える場合や自力で乗降が可能な場合などケースに応じて福祉タクシーも活用していくのが良さそうですね。

高齢者の通院費用をもっと安くおさえたいときの方法とは?

 

介護保険の利用で高齢者の通院費は抑えられるものの、費用がかかることには違いありません。
また、介護保険には一定の利用上限があり、通院したくても枠を使い切ってしまったという場合もあるでしょう。
そのような場合にはほかに何か方法はないのでしょうか。

自治体や非営利団体によるサービスを利用する
家族が通院の介助を行なえない場合、自治体運営の団体やボランティア団体、NPO法人などの非営利団体などを頼ることもできます。
福祉車両を使った送迎などのサービスを受けられるところもありますので、ぜひ活用してみてください。

訪問診療
医師が定期的に自宅で診察してくれる訪問診療を利用してみるのもひとつの手です。通院時の移動がなくなるため身体的にも負担が減ります。
ただし、これには「1人で通院することが困難」「自宅療養中である」という条件が伴います。
突発的な体調不良にも往診として対応してくれるところも安心です。

まとめ:高齢者の通院には条件次第で介護保険が適用される

高齢者の通院の際にはさまざまなサポートがあることを知ってもらえたかと思います。介護保険にはケースごとにこまかく条件が提示されているので少しわかりにくいと感じてしまうところもあるかもしれませんが、なかなか家族での介助が難しい場合には有効的な手段です。
介護保険の通院解除の利用を考えている人はまず担当のケアマネージャーさんに相談しましょう
これを機に高齢者の方々とそのご家族がより負担なく通院できるようになるといいですね!