高齢者おすすめの食事はこれ!健康で長生きするためのひと工夫

食事は健康で豊かな生活を送るためには欠かせないものとなっています。年齢と共に身体の変化はつきものです。高齢になれば今まで好んでいたものが食べにくくなるなど戸惑う人も多いのではないでしょうか。
おいしく感じられないと偏った食事になってしまったり積極的に食事を摂らなくなったりする高齢者の方もいます。なんと高齢者の3割がカロリー不足とも言われているのです。
しっかり噛むことで認知症や寝たきりなどを防ぐ効果も期待できます。
今回は、高齢者の心身の変化や高齢者でも食べやすいおすすめの食事、必要な栄養などについてくわしく解説していきます!
高齢者の身体の変化に実は食事生活と健康の大きな原因があった!
高齢になると少しずつ身体の変化が起こり、食事面にも影響してきます。一体どんなものがあるのか具体的に挙げてみると、
・噛む力や飲み込む力の低下
・消化吸収能力の低下
・味覚の衰退
・ストレスや薬の副作用による唾液の減少
があります。
高齢者になるにつれて噛む力や飲み込む力はどんどん弱くなっていきます。また、消化吸収や味覚が低下して食欲減退につながってしまいます。
唾液の分泌が減ると食事がうまく摂れなくなったり、口腔内の細菌が増えてしまい細菌の付着した食べ物が気管に入り誤嚥性肺炎を引き起こしたりすることもあるのです。
こういった原因からきちんと食事を摂れないと当然必要な栄養が足りない状態になってしまいます。栄養が足りなくなるということは、筋肉や筋力の低下、骨量にまで影響を及ぼします。そして免疫力や体力が下がり病気に罹りやすい状態となってしまいます。このような状態からやがて認知機能の低下や寝たきりなどが引き起こされる可能性があるため、食事には気を配ることが重要になってくるのです。
どんなものが食べやすい?食事にひと工夫加えることで高齢者の食事が豊かになるポイント
高齢者が食べやすくて栄養が摂れる食事にはどのようなものがあるのでしょうか。
まずは高齢者が食べやすい形状の食事と食べにくいと感じる食事について見ていきましょう。
高齢者が食べやすい形状の食事
・ミンチ状にしたやわらかいもの
・とろみが適度についているもの
・なめらかなゼリー状のもの
・口の中で散らばらないもの
固い肉や魚はミンチ状にやわらかくしたものが食べやすいとされています。おかゆなどとろみがついているものは食べやすくなります。口の中でまとまりやすくてのどごしの良いやわらかいバナナなどはおすすめです。
高齢者が食べにくい形状の食事
・繊維質が多いもの
・パサパサした食感のもの
・粘りや弾力が強いもの
・口の中で張り付いてしまうもの
・さらっとした水分量の多いもの
・味に刺激があるもの
・液体と固体が混ざっているもの
ゴボウやれんこん、イカやタコなど繊維質が多い食材はそのままの形状で出すと飲み込むのは難しいので、隠し包丁を入れると比較的食べやすくなります。柔らかくなるまでしっかり火を通しましょう。パンなどパサパサしがちなものも工夫が必要です。
水分は大切ですが、さらっとした食事はむせやすく危険な場合があります。片栗粉やゼラチンを使ってとろみをつけるのもひとつです。
海苔やわかめといった上あごに張り付いて取れにくい食材もひっかかりやすいので食べにくいでしょう。
酢醤油や柑橘系といった酸味など刺激のある味付けや液体と固体が混ざった料理も同じくむせやすい食事となるので注意が必要です。
高齢者が食べやすくなる調理のポイント
ほかにも一工夫することで高齢者でも食べやすくなる調理方法を以下に
まとめました。食事のバリエーションも増えるので参考にしてみてください!
・硬い野菜や果物類はすりおろして料理する
・肉や魚介類は筋が多いので小さく切るかつみれにする
・食材を炒める前に茹でる
・食材を煮込む時には一度焼く
・卵やマヨネーズ、ヨーグルトなどとろみのある食材を料理に活用する
・トマトの皮などは嚙み切れないので取り除く
市販の介護用食品も豊富に販売されています。高齢者向けの宅配弁当などを定期的に入れてみるのもいいでしょう。すべて手作りと思ってしまうと大変になってしまいます。介護用食品を上手に取り入れながら負担にならないような食事づくりにしていきましょう。
高齢者の健康な食事におすすめなのはタンパク質!アルブミンを高める
高齢になっても健康に過ごすにはタンパク質を摂ることが大事になってきます。タンパク質はどのような食品から摂ることができるのでしょうか。
・肉類
・魚介類
・大豆製品
・卵類
・乳製品
が挙げられます。
特に乳製品はタンパク質とカルシウムを同時に摂取できるのでおすすめです。
肉類は少量でもタンパク質を摂取できるので、あまり量が食べられない高齢者の人でも取り入れやすいのではないでしょうか。
高齢者は低栄養になりやすく、それと共に血液中のタンパク質の量「アルブミン」も低下してしまいます。アルブミンが低下すると悪性腫瘍や腎不全、肝機能の低下といった命に関わるリスクが高くなります。タンパク質を毎日の食事に少しずつ取り入れることでアルブミンの量は保たれます。
とはいえ、タンパク質だけでなくほかの栄養素もバランスよく取っていくことが1番の理想といえるでしょう。
まとめ:高齢者の身体の変化に合った食事が健康で長生きできるコツ
高齢になるとついついやわらかくて食べやすい食材を選んでしまいがち。しかしそれでは栄養が偏ってしまったりカロリー不足にも陥ったりしてしまいます。その結果、認知機能の低下やちょっとした転倒で骨折、そのまま寝たきりになる可能性もあるのです。
今回の記事を参考に、ぜひ高齢者の身体の変化を把握して調理にひと工夫してみてください。食事がさらに楽しく彩り豊かなものになるでしょう。