共済保険とネット保険・違いや特徴とは?

共済保険とネット保険どちらを選ぶべきなのでしょうか。そもそも共済とネット保険、何がどう違うのでしょうか?まず、共済とネット保険は全く別のもので、取扱い金融機関やセーフティネットの有無なども違います。一般的に共済は、民間医療保険と比べて保険料に相当する「掛金」が安いので、どちらを選べばよいか迷っている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、共済とは何かを説明した上で特徴や
ネット保険との違い、どのような場合に共済を選ぶと良いのかを解説していきます。
共済保険とは?
そもそも共済とは何か、その仕組みをご存知ですか?
共済は聞いたことあるけれど、いまいち 内容を説明できないという方も少なくないのではないでしょうか。
ここでは、民間の生命保険と比較して共済の特徴である
① 組合員のみ利用できる
② 非営利事業
という2つについて主に解説していきます。
共済は出資金を支払って組合員になる必要がある
共済に加入しようとすれば、保険の掛け金(保険料)のほかに、組合員になるための出資金を払わなければなりません。
ただし、出資金は共済によって違いますが、1,000円程度でも良いですし、共済を解約して組合を脱退するときには返却してくれますので、損にもならないし負担にもなりません。
◆共済は非営利事業という分類
共済は先に書いたように組合員の助け合いですから、株式会社のような営利を目的としていません。
したがって、共済金(保険金)の支払が思ったより少なく余剰金が出てしまった場合は、それを割戻金として組合員に還元します。
◆共済の種類は主に4種類
では共済には具体的にどのような種類のものがあるのでしょうか。広く知られている4つの共済について解説しましょう。
民間医療保険と同様に共済にもさまざまな種類がありますが、全国展開している共済は以下の4つです。
■全労済
労働組合委員や勤労者の福利厚生を目的としている。
組み合わせが可能など、共済の中でも保障のバリエーションが豊富である。
■都道府県民共済
居住地か勤務先がある都道府県の共済に加入できるが、8県(山梨県、福井県、鳥取県、徳島県、愛媛県、高知県、佐賀県、沖縄県)では行われていない。
また、転居する場合は移管手続きを行うことで保障を引き継ぐことが可能。
■CO・OP共済
居住地域のコープの組合員となることで加入できる。
■JA共済
JA共済連の各都道府県の支部を通じて各地のJAで構成されている。
農家でなくても准組合員として加入することが出来る。
共済と民間保険(ネット保険)の違いを比較
まず、共済と民間医療保険では根拠となる法令や監督庁が違います。
共済では、「都道府県民共済」「全労済」「CO・OP共済」は消費生活協同組合法に基づき厚生労働省が監督官庁、「JA共済」は農業協同組合法に基づき農林水産省が監督官庁となっていますが、民間医療保険は保険業法を根拠法令とし、管轄は金融庁です。
この理由として、共済は基本的に組合員を対象にした非営利のものですが、民間医療保険は幅広い方に向けて営利目的で販売される金融商品だからです。
また、加入の際の告知にも違いがあります。
共済の告知は、申込書の該当箇所に記入をして申告し、健康診断の結果の提出は必要ありませんが、民間医療保険は、場合によっては健康診断の結果などが必要です。
共済保険のメリット・デメリット
●メリット
・掛金が安い
終身でない商品が多いため、月々1,000円や2,000円ほどの掛金で加入できる共済商品が多い。
・掛金が一律
年齢による掛金や保障内容の差をなくして(高齢者や子供を除く)、仕組みを簡素化している共済もある。
・パッケージ商品のため分かりやすい
死亡保障と医療保障をセットにして選ぶわずらわしさを無くし、掛金も一律にした分かりやすい商品も多い。
●デメリット
・保障金額が少ない
民間医療保険の保険料に比べて掛金が安い反面、万が一のときの備えやがん診断保障などで加入限度額が低い共済もある。
・カスタマイズしづらい
ほとんどの共済では商品数が保険会社に比べて少なく、保障設定の自由度も低い
・年齢が上がるにつれて保障内容が手薄くなる
共済には保障期間が終身の商品が少ないため、高齢になると加入できる商品が限られたり、保障額が少なくなったりする。
共済保険とネットの保険、どちらがおすすめ?
共済保険と医療保険どちらがいいというものではなく、特徴に応じて自分に合ったものを選ぶことが大切です。
ここでは2つの場合を考えます。
●死亡保障を考えている
前述の通り、共済には死亡保障額の上限額がありますので、少額の保障の場合には共済が適している可能性があります。
ただし、共済は入院保障などもセットなので、単純に死亡保障だけを考えている場合には、単品の生命保険と、保険料の比較をすると良いでしょう。
万が一の遺族の生活保障といった数千万円の保障の場合は生命保険を検討しましょう。
●療保障を考えている
一昔前までは共済の医療保障は種類が少なかったのですが、最近は終身タイプなど、さまざまなタイプの商品が発売されています。
そして、掛金(保険料)が割安なのが共済の大きなメリットです。
共済と医療保険、保障期間や保障内容や保険料をきちんと比較して自身に合うものを選びましょう。
共済に加入する際の確認事項
必要な保障に共済だけで備えるのか、それとも他の保険と組み合わせて備えるのか、共済の加入の仕方もさまざまですが、いずれの場合も以下の3点をしっかりと確認してから加入することをおすすめします。
・加入目的の再確認
・万が一の場合に共済の保障額で足りるかどうか確認
・共済のメリット・デメリットを確認
まとめ
ネット保険と共済は、似ているようで異なるものであることがご理解いただけたでしょうか?両者の大きな違いをまとめると、次のようになります。
ネット保険は年齢や性別によって保険料が変わるが、共済は同じ保障なら一定である。
ネット保険は保障が充実しており柔軟性が高い一方、共済は最低限のシンプルな保障しかない。ネット保険は不特定多数の人が加入できるが、共済は地域や共済の種類によって組合員が限られる。
最後に注意として、どちらか加入するのは一方でないといけないということはありません。ネット保険と共済の、両方に加入している方もたくさんいらっしゃいます。
重要なのはそれぞれの違いを明確にした上で、自分にとって最適な保障に加入することです。