交通事故、起こしてしまったらいつまで保険に影響する?

日頃からどんなに注意をしていても、避けられない事故もありますよね。万が一、交通事故を起こしてしまい、保険会社へ保険金の請求をした場合、翌年からの等級は下がり、さらに「事故有」の等級として扱われます。そうなると保険料も高くなり、いつまで「事故有」の等級で扱われてしまうのだろうと不安に思う方も多いのではないでしょうか。今回はそんな自動車保険における交通事故の適用期間について、詳しく解説していきたいと思います。交通事故は誰しもが遭遇する可能性がありますので、車を運転される方・運転免許をお持ちの方は是非読んでいってください!
「事故有」として扱われる期間は事故有係数適用期間による!!
冒頭でもお伝えしましたが、交通事故を起こしてしまうと、同じ等級であっても無事故の時よりも低い割引率が適用される為、保険料が高くなります。この低い割引率が適用される期間のことを「事故有係数適用期間」といい、いつまで「事故有」として扱われるかはこの「事故有係数適用期間」によって決められるのです。一般的に新規で自動車保険に加入した場合、事故有係数適用期間は「0年」となります。その後、3等級ダウン事故1件につき「3年」、1等級ダウン事故1件につき「1年」が前年の事故有係数適用期間に加えられます。また、1年間無事故だった場合、前年の事故有係数適用期間から「1年」が引かれます。ただし、事故有係数適用期間の上限は「6年」、下限は「0年」です。
事故有係数適用期間の目的
事故有係数適用期間の導入は、2013年10月から各保険会社で始まり、現在までにすべての保険会社で導入されています。それまでの等級制度では、同じ等級であれば事故有でも事故無でも同じ保険料となっていました。
しかし、前年契約で事故がなかった契約者のリスクと前年契約で事故があった契約者のリスクを比較した場合、前年契約で事故があった契約者のリスクの方が高い傾向にあり、同じ等級内で保険料負担の不公平が発生していました。
そのため、同じ等級内での保険料負担の不公平を解消するために事故有係数適用期間が導入されたのです。
事故有係数適用期間の具体的な事例
前述までで事故有係数適用期間の概要と目的について説明させて頂きました。今度は具体的に18等級の自動車保険の契約者が事故を起こした場合の等級と事故有係数適用期間がどのようになるのか見ていきたいと思います。
事例①:3等級ダウン事故があった場合
事故無の18等級(保険料割引率54%)で3等級ダウン事故を起こし、自動車保険を使用した場合、その翌年は「事故有」の15等級になり、保険料割引率は33%まで下がります。その後自動車保険を使用しなければ、保険料割引率は2年後に「事故有」の16等級で36%、3年後に「事故有」の17等級で38%、4年後に「事故無」の18等級で54%となります。つまり、事故を起こす前の事故無の保険料割引率に戻るまで4年かかることが分かります。
事例②:1等級ダウン事故があった場合
事故無の18等級(保険料割引率54%)で1等級ダウン事故を起こし、自動車保険を使用した場合、その翌年は「事故有」の17等級になり、保険料割引率は38%まで下がります。その後自動車保険を使用しなければ、保険料割引率は2年後に「事故無」の18等級で54%になります。つまり、事故を起こす前の事故無の保険料割引率に戻るまで2年かかることになります。
事例③:2年連続で3等級ダウン事故があった場合
事故無の18等級(保険料割引率54%)で3等級ダウン事故を起こし、自動車保険を使用した場合、その翌年は「事故有」の15等級になり、保険料割引率は33%まで下がります。このとき、さらに3等級ダウン事故を起こし自動車保険を使用すると、保険料割引率は、2年後に「事故有」の12等級で27%、3年後に「事故有」の13等級で29%、4年後に「事故有」の14等級で31%、5年後に「事故有」の15等級で33%、6年後に「事故有」の16等級で36%、7年後に「事故無」の17等級で53%となります。つまり、事故を起こす前の事故無の保険料割引率に戻るまで7年かかることになります。
保険を解約したり保険会社を変更した場合、事故有係数はリセットされる!?
交通事故を起こして事故有係数が適用されてしまった場合、どうにかして保険料を安く戻せないかと考える方も多いのではないでしょうか。しかし残念ながら、保険を一度解約したり、保険会社を変えたとしても事故有係数適用期間は引き継がれます。解約後13か月経過すればリセットされて事故無・新規6等級から契約することはできますが、6等級も決して割引率は高くないので、そのまま事故有の契約を続けた方がお得になる可能性は高いと言えるでしょう。
まとめ
いかがでしょうか?
このように事故有係数適用期間は、事故の等級によって決められています。
一度交通事故を起こしてしまうと、「事故無」の保険料割引率に戻れるまで時間がかかってしまいますので、今一度、交通事故に対して細心の注意を払うようにしましょう。