教えて!保険料の見積もりってどのように計算されるの?

保険に加入する際、ほとんどの方が加入前に保険料の見積もりをされているかと思います。しかしこの保険料、保険会社や加入する方の属性などによって、見積もられる保険料の額は全く異なりますよね。そうなると、この保険料はどのように見積もられているのだろうと気になる方も多いのではないでしょうか。今回は、そんな保険料について、どのようにして見積もられているのか、「生命保険」と「火災保険」を例に詳しく解説していきたいと思います。保険への加入を考えている方や、保険料の仕組みについて気になっている方は是非読んでいってみてください!
生命保険の保険料はこのように見積もられている!
ではまず、生命保険の保険料について解説していきたいと思います。
生命保険の保険料は、以下の3つの予定率によって算出されます。
- 予定死亡率
- 予定利率
- 予定事業費率
それでは、それぞれの項目について詳しく説明していきたいと思います。
■予定死亡率
予定死亡率とは、過去の統計から性別や年齢別の死亡者数(生存者数)を予測して、将来の保険金などの支払いにあてる必要金額を算出するときに求められる死亡率のことをいいます。
■予定利率
保険会社は資産運用による一定の収益をあらかじめ見込んで、その分を保険料から割り引いています。このときの割引率を予定利率といいます。
■予定事業費率
保険会社は契約の締結・保険料の収納・契約の維持管理などの事業運営に必要な諸経費をあらかじめ見込んで保険料に上乗せしており、このときの上乗せされている諸経費の割合を予定事業比率といいます。
このように、生命保険の保険料は3つの予定率から算出されており、そのうち「予定死亡率」や「予定利率」は過去の統計データや実績データに基づくものとなります。
ですので、保険会社によって保険料が大きく異なるのは、「予定事業率」の違いが原因であると考えられます。
火災保険の見積もりの基準はこれ!
続いて、火災保険の保険料の見積もり方について説明していきたいと思います。
火災保険の保険料は主に以下の項目を基準に算出されます。
- 建物の評価
- 建物の所在地・構造区分
- 保障内容
- 保険期間・支払方法
- 割引
それでは、それぞれの項目について詳しく見ていきましょう。
■建物の評価
火災保険の保険料を算出する際、まず初めに建物評価額を算出します。建物評価額は、入力された情報に応じて、「新築費単価法」と「年次別指数法」 のどちらかで算出され、それぞれの算出方法は以下のようになります。
- 新築費単価法
1平方メートルあたりの標準的な単価や延床・専有面積をもとに算出する方法です。
- 年次別指数法
建物の新築時の建築費である建物代金に新築された年数に応じた指数(建築費倍率)を乗じることで、物価の変動などを反映させて算出する方法です。
■建物の所在地・構造区分
建物は火事だけでなく大雪や台風などの自然災害からも損害を可能性がありますが、特定の自然災害による損害の起きやすさは地域によってばらばらです。そのため、建物の所在地も保険料に大きく影響してくるのです。また、建物の所在地だけでなく、構造によっても損害を受けるリスクが異なります。そのため、建物の構造によっても保険料が異なり、コンクリート造のマンションなどの「M構造」の保険料が最も安く、続いて鉄骨造の一戸建てなどの「T構造」、最後にどちらにも該当しない木造一戸建てなどの「H構造」という順番で保険料が高くなっていきます。
■保障内容
当然のことながら、どんな補償をつけるかによっても保険料が変わります。建物以外にも家財の補償もつけたり、さまざまな特約をつけたりと、補償を厚くすればするほど保険料は高くなります。ですので、不要と思われる補償や特約を必要に応じて外すことで、備えたいリスクには備えつつ、保険料を抑えることをおすすめします。
■保険期間・支払方法
同じ建物、同じ所在地、同じ家財など、条件が同じであっても、保険期間の長さや保険料の支払方法によって保険料は異なります。
■割引
保険会社によっては、築浅割引などさまざまな割引があり、適応される場合もあります。割引の種類は保険会社によって異なる為、保険会社ごとに、どのような割引制度があるか確認すると良いでしょう。
まとめ
いかがでしょうか。このように保険料の計算にはさまざまな要因が関係しており、1つ条件が異なるだけでも保険料は全く異なってきます。今回紹介した算出方法において、もし保険料が高騰してしまう恐れがある項目があれば、他のどの項目で保険料を抑えられるかなどを考えておき、無理のない範囲で保険の加入が出来るよう、予め備えておくと良いでしょう。