全国共済お役立ちコラム

保険で税金対策ができる?

2021-4-1

普段私たちが生活している中で、「税」は常についてまわるものですよね。物を購入する時も税が含まれた金額が請求され、当たり前のように支払っています。
しかし、会社で仕事をして給与を貰っているとかかる税、住んでいるだけでかかる税等は、意外とばかにならないものです。
もしもこれらの税を減額できるのであれば、それに越したことはありません。
今回はその1つの方法として、保険と節税についてお話していきましょう。

知ってる?個人でできる節税について

「税」というと例えば、商品を購入した際にかかる「消費税」、輸入品にかかる「関税」、自動車を持っている人にかかる「自動車税」などがあげられます。
そして、忘れてはいけないものが、お話しするテーマに深く関連する「所得税」そして「住民税」です。

◎所得税とは?
個人の所得に対してかかる税金のことを言います。

ここでポイント!
所得税は、所得が多くなるに従い税率が高くなります。支払い能力に応じて公平に税を負担する為です。

所得税の計算は、1年間の総所得のうちの課税所得に税率をかけることで求められます。

◎住民税とは?
住まいのある都道府県・市区町村に納める税金のことで、道府県民税、市町村民税合わせて「住民税」と呼びます。

ここでポイント!
住民税は、均等割(平等に負担する金額)と、所得割(前年所得額に対する負担額)から成り立ちます。

会社に勤務している方は、会社側が本人の給料から所得税・住民税共に差し引き、本人の代わりに納税している為、あまり自分の各税について意識した事がないという方も少なくないかと思います。
しかし、適切な手続きを行えば節税できる場合がある事をご存じでしたでしょうか?

そんな税金対策のできる術として、以下のようなものが挙げられます。

・ふるさと納税(寄付金控除)
・住宅ローン控除
・生命保険料控除
・地震保険料控除
・医療費控除
・iDecoやNISAを利用
・特定支出控除
・両親を扶養家族にする

今回は、その中の「生命保険料控除」に焦点を当てて見ていきましょう。

生命保険料控除とは?

生命保険料控除とは所得控除の1つであり、支払った保険料に応じて税金が軽減される制度です。一定の金額が契約者の所得から差し引かれた状態で税率が掛けられる為、所得税・住民税の負担が軽減されるのです。

生命保険料控除の対象とは

保険といっても全てが対象になるわけではなく、控除の種類というものが決まってしまっています
しかし、平成22年度税制改正に伴い生命保険料控除制度が改正された事により、控除の種類が新たに追加されました。
この「新制度」は、2012年(平成24年)1月1日以降に締結した保険契約に適用されます。

2011年(平成23年)12月31日以前に契約し「旧制度」対象のままとなっている方でも、2012年(平成24年)1月1日以降に「更新」「特約付帯」「転換」等を行った場合は、以降の保険料が「新制度」の対象となります。
控除等の計算をする際は、ご自身の契約年や更新状況等を確認した上で行いましょう。

◎「新制度」の対象となる契約
2012年(平成24年)1月1日以降に「生命保険」「介護医療保険」「個人年金保険」関連の保険に契約したからといって、“とりあえず「新制度」の対象になる”というわけではありません。
対象契約をよく確認しておく必要があります

【対象となる生命保険契約】
・保険金等の受取人のすべてを、本またはその配偶者、その他親族とすること
・生存又は死亡に伴う一定額の保険金が支払われる保険契約もしくは他の契約等に付帯した契約
(定期保険、無配当終身保険、ガン保障定期保険特約など)

【対象となる介護医療保険契約】
・保険金等の受取人のすべてを、本人またはその配偶者、その他親族とすること
・病気や傷害等により保険金が支払われる保険契約のうち、入院・通院等の医療費に伴い保険金等が支払われる保険契約または他の保険契約に付帯した契約
(医療保険、医療特約、通院特約など)

【対象となる個人年金保険契約】
・年金を給付する定めのある保険契約または他の保険契約等に付帯した契約
・年金受取人を、本人またはその配偶者とすること
・保険料を10年以上にわたって定期的に支払う契約
・受取人の年齢が満60歳になってから受け取る、10年以上の定期または終身の年金である
(個人年金保険料税制適格特約が付加された12年保証期間付終身年金保険など)

※支払った生命保険料が控除の対象となるかどうかは、保険会社等から送られてくる証明書によって確認することができます。

「新制度」の控除限度額、そして控除額の計算方法

控除適用額は無制限ではなく、限度額が決まっています。

このように、各控除限度額が決まっているのと同様、全てを合計した全体の限度額も決まっています。

ここに注意!
住民税に関しては、全体の限度額が「7万円」と、「2.8×3=8.4万円」よりも少なくなっている為注意が必要です。

◎「新制度」の控除額計算方法

【所得税】

所得税控除額は、

一般生命保険料控除 (50,000円×1/4)+20,000円=32,500円
介護医療保険料控除 (70,000円 ×1/4)+20,000円=37,500円
個人年金保険料控除  80,000円超のため40,000円

となり、合計110,000円となります。

課税される所得金額が356万円であった場合、

対象保険加入なし:356万円×20%=712,000円
対象保険加入あり:(356万円-11万円)×20%=690,000円

となる為、所得税は22,000円安くなります

【住民税】

※一般・介護医療・年金それぞれに適用

例:(先ほど同様)一般生命保険に年間5万円/介護医療保険に年間7万円/税制適格の特約が付いた個人年金保険年間8万円

住民税控除額は、

一般生命保険料控除 (50,000円×1/4)+14,000円=26,500円
介護医療保険料控除  70,000円超のため28,000円
個人年金保険料控除  70,000円超のため28,000円

つまり合計は82,500円となりますが、全体の住民税限度額により70,000円となります。

住民税の課税標準額は10%だとすると、

70,000円×20%=7,000円

となり、この場合、対象保険に加入していることで住民税が7000円程安くなる事がわかります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。保険による控除について知っているか知らないかで、合計数万円の損得になりますので、積極的に利用していきたいものです。難しそう、面倒くさいなどと思わずに、保険から送られてくる書類をしっかりチェックし、損のないように申告しましょうね。