課税対象になる保険、ならない保険とは?

30代以上の保険加入率はいまや、80%以上にものぼりますが、その目的としてはやはり、“いざ”という時の経済的なサポートかと思います。
しかし気になるのが、「受け取った保険金等には税がかかるのか?」ということです。
実際に病気やケガ、死亡など、万が一のことが起こった際に、「せっかく毎月保険料を払っていたのに思っていたよりも受け取った金額が少なかった――」とならないように、保険金等にかかる税の内容をしっかりと把握し、計画的な保障を受けられるようにしましょう。
課税対象保険・非課税保険
保険に加入したら病気やケガ、死亡した際に保険金等を受け取ることが出来るかと思いますが、貰えるお金全てに税がかかるわけではありません。
では、課税対象になる保険と、そうでない非課税となる保険はそれぞれ何が当てはまるのか見てみましょう。
生存している被保険者の、病気やケガ等に対する一時的な給付金に対しては、税がかからなく、実はこれは、所得税法施行令第30条第1号《非課税とされる保険金、損害賠償金等》の規定により、「身体の傷害に基因して支払を受けるもの」つまり「自身の病気やケガにより受け取る給付金」に関しては、非課税の対象となると決められている為です。
課税対象保険と税の種類:どうやって税の種類が決まる?
それぞれの財産にかかる税は、保険金の種類や契約内容(契約者・被保険者・受取人は誰か)によって変わってきます。
!補足!
◇契約者(保険料負担者)
:保険の名義人で、毎月の保険料を支払っている人になります。
(保険料=支払うお金/保険金=受け取るお金)
◇被保険者
:保険がかけられている人であり、病気やケガ、入院などで保障が貰えます。被保険者が死亡した場合は、受取人に保険金がおります。
◇保険金受取人
:被保険者が死亡した場合に保険金を受け取れる人です。
では、保険金の種類別に見ていきましょう。
◎死亡保険金
終身保険や定期保険などで受け取れる死亡保険金による税の種類は、以下のように変わってきます。契約者・被保険者・受取人の3つの要素がポイントになります。
◇「契約者と被保険者が同じ人」の場合 :相続税
◇「契約者と受取人が同じ人」の場合 :所得税
◇「契約者・被保険者・受取人が全て異なる人」の場合 :贈与税
◎満期保険金・解約返戻金
学資保険や養老保険などで受け取れる満期保険金・解約返戻金による税の種類は、以下のように変わってきます。契約者・受取人の2つの要素がポイントになり、被保険者が誰かは関係ありません。
◇「契約者と受取人が同じ人」の場合 :所得税
◇「契約者と受取人が異なる人」の場合 :贈与税
◎年金保険金
個人年金保険で受け取れる年金保険金による税の種類は、以下のように変わってきます。満期保険金・解約返戻金同様、契約者・受取人の2つの要素がポイントになります。
◇「契約者と受取人が同じ人」の場合 :所得税(雑所得)
◇「契約者と受取人が異なる人」の場合
・保険金の受け取りを開始した初年度 :贈与税
・2年目以降 :所得税(雑所得)
◎収入保障保険の死亡保険金
収入保障保険で受け取ることができる死亡保険金は、死亡保険と同様の条件下で受け取る事ができますが、支払われ方は年金保険金と同じようになりますので、税分類の考え方としては、死亡保険金・年金保険金のパターンの組み合わせになります。
◇「契約者と被保険者が同じ人」の場合
・保険金の受け取りを開始した初年度 :相続税
・2年目以降 :所得税(雑所得)
◇「契約者と受取人が同じ人」の場合 :所得税(雑所得)
◇「契約者・被保険者・受取人が全て異なる人」の場合
・保険金の受け取りを開始した初年度 :贈与税
・2年目以降 :所得税(雑所得)
それぞれの税算出方法は?
相続税・所得税・贈与税の課税対象額の算出方法につきましては、以下のコラムを参考にして頂ければと思います。
「死亡保険金にかかる税は「相続税」だけではない?」
「相続税対策に有効!?生命保険の活用」
※なお、所得といっても雑所得の場合は、以下のような算出方法になりますのでご注意ください。
【雑所得の算出方法】
雑所得金額=1年間に受け取った年金(年金金額)-支払った保険料(★)
年金保険金・収入保障保険の死亡保険金の★の計算方法は、
★=年金金額×(支払った保険料の総額÷年金の総支給見込み額(①))
①:確定年金の場合=年金金額×支給期間
:終身年金の場合=年金金額×平均余命(※)
※所得税法施行令の「余命年数表」より
最後に
将来の、保険金を含めた資金計画をする際は、自分が受ける保険金は、どの税になるのか、どのくらいが課税対象になるのか、それに対してどのくらいの税率がかけられるのかを考えることが大切です。