全国共済お役立ちコラム

保険の基礎知識!保障・保証・補償の違いとは?

保険のサービス内容を比較・検討していると、「保障・保証・補償」と、読み方は同じでも漢字が異なる表記を目にすることがあるはずです。漢字のニュアンスから、その意味をなんとなく理解している人もいるかもしれません。しかし、明確な意味の違いまでを知っている人は、それほど多くないのでは? 今回は、保険の基礎知識として、「保障・保証・補償」が持つそれぞれの意味の違いを解説します。

実は明確に使い分けられている『保障・保証・補償』

漢字の違いからこれらの言葉の意味を判断している人も多いかもしれませんが、実は明確に使い分けがされています。それは、「生命保険では保障」、「年金関係では保証」、「損害保険では補償」という使い分けです。

「生命保険のパンフレットでは保障が使われている!」「損害保険では補償が使われていた!」と、納得される人も多いもの。では、それぞれの言葉の意味を見ていきましょう。

生命保険で使われる『保障』

保障という漢字の「保」には「守る」という意味があります。また、「障」には「差し障りのある」という意味があります。つまり保障には、「差し障りのあるものから守る」という意味があるのです。

生命保険は家計を支える一家の大黒柱に万が一のこと、要するに「差し障りのあること」が起こったとき、そのリスクから家族を「守る」ためのサービス。もしものことが起こったときのリスクに備え、それらのリスクから守ってくれるサービスなのです。そのことから、生命保険では「保障」という漢字が用いられます。

生命保険ではさまざまな「差し障りのあること」から家族を「守る」保障が用意されています。
前述の通り、家計を支える大黒柱に万が一のことがあった場合の死亡保障をはじめ、病気になったときのリスクに備える医療保障。また、介護保障や老後保障なども用意されています。
尚、生命保険では保険の加入者が保障される期間のことを「保障期間」と表記します。

年金関係で使われる『保証』

次は「保証」について見てみましょう。
家電などを購入したときに添えられている保証書などにもこの漢字が用いられているように、保証には「証し・約束」という意味があります。要するに、「大丈夫だという証しや約束を守る」という意味があります。

年金制度は「老後をはじめ障害が残った場合でも、その後の生活は大丈夫ですよ」という証を守るためのもの。そのため、年金関係では「保証」という漢字が用いられるのです。

たとえば、支給が開始された時点から一定期間(保証期間)については受給者の生死にかかわらず給付が保証され、保証の期間が終了した後は生存している限り生涯にわたって支給される年金である「保証期間付終身年金」。その名称にも「保証」という漢字が使われています。
尚、年金関係では給付が保証されている期間のことを「保証期間」と表記します。

損害保険で使われる『補償』

損害保険で使われる「補償」という漢字。「補」には「おぎなう」という意味があり「償」には「つぐなう」という意味があります。補って償うという漢字から、補償には「発生した損害を補って償う」という意味があります。

損害保険は発生してしまった万が一の損害に対し、補って償うことを目的とした保険。その目的から「補償」という漢字が用いられます。

損害保険のサービス内容を見ていると、「補償内容」や「補償範囲」という言葉が表記されています。それは、「どのような災害や日常生活に潜むリスクに対し、その損害を補って償うのか?」という意味で使われています。

『保障・補償』が混在するケースもある

明確な意味の違いがある「保障と補償」ですが、それらが混在することもあります。それは、第3分野と呼ばれる保険で使用されるケースです。

保険は、第1分野を「生命保険」、第2分野を「損害保険」、第3分野を「医療保険」として呼ぶことがあります。

第1分野の生命保険は生命保険会社が取り扱い、第2分野の損害保険は損害保険会社が取り扱います。しかし、第3分野の医療保険に限っては、生命保険会社と損害保険会社のどちらも扱っています。そのため、第3分野ではそれぞれの保険会社の文化にしたがい、保険の説明の際に生命保険会社では「保障」、損害保険会社では「補償」の漢字を使いますので注意しましょう。

保険内容を深く理解するために言葉の意味も理解する

保険内容を比較・検討していると、難しい漢字を目にすることも多く、保険のサービス内容を深く理解することを諦めたくなることもあるでしょう。そのうえ、漢字の意味まで理解できないとなると、冷静に比較・検討することができなくなります。

保険というのものは、本人はもちろんのこと家族にマッチしたものを選ぶからこそ、安心の備えになります。最適な保険を選択できるよう、「保障・保証・補償」の意味の違いを理解し、何に対しての備えになるのかをイメージしながら、じっくり比較・検討されることをおすすめします。