入院保険と労災保険の違いについて正しく理解しましょう!

保険の種類は実に様々あり、簡単な仕組みのものから法律が絡む複雑な制度のものまで幅広く多岐に渡り混乱してしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は入院保険と労災保険の違いについてご案内していきたいと思います。
入院保険と労災保険では適用される範囲が異なることに注意が必要です!
入院保険はあくまで生命保険から派生した商品と言えます。民間が販売している保険ですので、当然ながら加入契約をしなければ給付金を受け取ることができません。また、入院保険は個人が契約するものですので保険料は個人がすべて負担します。
それに対して、労災保険は業務中にケガや病気をしたときに治療費が支払われるものとなっており、原則、労災保険は労働者が保険料を負担するのではなく会社が負担ものとなっています。
明確な違いとして入院保険は個人の任意ですが、労災保険は会社の義務となっていることです。
労災保険の意義は労働者を保護することにあります。会社は労働者に対して保護をする責任をもっています。労働保険の考え方は、業務中に死傷したときは会社が治療費を負担する義務があるということです。しかしながら、従業員の死傷に伴う支出は会社にとって負担が大きくなることが多く、会社の負担を減らすために労災保険という制度が出来上がりました。
つまり、労働者を保護することが目的ですが、その保護する義務を負っている会社をサポートすることが本来の労働保険の役目です。
労災保険の使い方はどのようにすればよいのでしょうか?把握しておきましょう
労災保険を使うには事故の内容などにより手続きの方法は異なってきますが、基本的には必要書類に診断書を添付して地域の労働基準監督署という所に提出します。
ですが、通常は個人で労災保険の手続きを行うことはあまりなく、会社の担当者が手続きを行うのが一般的です。
労災保険の適用範囲は原則業務中ということになっておりますが、通勤途中も適用範囲に含まれます。これは通勤も業務のために必要な行動だと捉えられているためです。通勤の途中で寄り道をした場合に労災保険が適用されるかというのは、たまにニュースになることがありますが、最終的には裁判で争われることがあります。一般的には通勤ルートを大きく外れない範囲であれば、ちょっとした買い物に寄ったりする場合などは労災保険が認められる場合もあります。
しかし、きちんとした線引きがされていないので、納得できないときは争うことも考える必要があります。
労災指定病院って聞いたことがありますか?近くにあるか調べてみましょう!
労災指定病院とは労災を専門に扱う病院です。普通の病院と異なる点は、当人が治療費の支払いに全く関与する必要がなく、ほとんどすべてのことを労災保険で対応してくれることです。自宅や会社の近くにあるか調べておくと良いでしょう。
通常の場合、健康保険の知識や労災保険についてあまり意識することはないでしょう。本来健康保険では使うことができない業務中の怪我でも健康保険を使ってしまったりすることもあるかもしれません。
しかし、本来労災保険を使うケースでも健康保険を使ってしまうと労災隠しということにもなりかねませんので注意が必要です。
入院保険と労災保険の違いを理解して適切に対応できるようにしましょう!
入院保険と労災保険の違いについて見てきましたが、いかがでしたでしょうか。
入院保険は民間の保険会社が個人に対して販売しているものです。それに対して、労災保険は会社が保険料を負担する、法律によって定められた保険となっています。
業務中の怪我では健康保険や入院保険を使わず、労災保険を適用するようにしましょう。また、それは通勤途中の怪我でも同様です。労災保険の知識をしっかりと持っておき、適用できる場面で、適切に対応できるようにしましょう!
入院保険と労災保険だけではなく、健康保険など病気や怪我に関する保険の種類はたくさんあり、どの場面でどの保険が使えるのかということは迷うこともあるでしょう。
しかし、これらの保険に関して正しい知識を持っておかないと、労災保険が使えるのに誤って入院保険を使ってしまったり、それに気づかずにいることで結果的に自分が損する場面もあります。保険は難しいものと思い込まず、これらの保険を理解するためには民間の保険と国の法律による保険の違いだけでもポイントとして押さえておけると、より安心ですね!