短期的な入院でも給付金が受け取れるの?入院に備える医療保険の入院保障とは

保険を比較・検討していると、さまざまな保障があることに気づきます。万が一の病気やケガで死亡したときに保障してくれる生命保険や三大疾病に備えた保険など、たくさんの種類があるなかで、入院保障というものが気になることもあるでしょう。病気やケガによる短期的な入院でも保障してもらいたい。今回はそんな人のための保障、入院保障について詳しく見ていきましょう。
入院保障とはどんな保障?
入院保障とは医療保険のなかでも中心的な保障。病気やケガによる治療のための入院に対し、給付金が支払われる保障です。近ごろでは短期的な入院が増えていることから、日帰り入院や1泊2日の入院から給付金が受け取れるタイプが主流となっています。
入院の給付金とは?
入院保障は、入院給付日額5,000円や10,000円といった内容で契約するのが一般的です。病気やケガで入院した場合、入院日数に応じて給付金が支払われます。また、入院給付金には、病気の治療が保障の対象となる「疾病入院給付金」と、不慮の事故によるケガの治療が保障の対象となる「災害入院給付金」があります。
病気やケガによる入院の保障となる入院保障ですが、どんな入院でも給付金が受け取れるわけではありません。入院保障の約款で定められた条件を満たした入院以外は保障の対象外となるため、事前の確認は必要です。
一般的な入院の条件としては、責任開始期と呼ばれる時期が重要なポイントになります。
責任開始期とは、保険会社が保険の契約における責任を開始し、保障が始まる時期。保険会社の承認を前提として、申し込みや告知・検査、第一回目の保険料の払い込み完了後に責任開始となるのが一般的です。通常、この責任開始期以降に発生した病気やケガであることが、入院の条件として定められています。
また、災害入院給付金が支払われるケースは、不慮の事故を原因とする入院で且つ、事故の日を含め180日以内に開始したものであることが条件として定められているケースが一般的です。
尚、疾病入院給付金と災害入院給付金の両方が重複して給付されることはありませんので、注意が必要です。
いつから入院給付金を受け取れるの?
では、入院給付金はいつから受け取ることができるのでしょうか。
近ごろ主流のタイプでは、1日目からや1泊2日型など、短期間の入院でも給付金が受け取れます。以前のタイプでは、5日間以上の継続入院の場合で5日目から給付金が受け取れるといったタイプもあります。こういったタイプの契約では、4日目までは給付金は支給されません。
主な給付金の支給開始日のタイプは次の通りです。
- 1日目から保障(日帰り入院から保障)…入院1日目から給付される
- 1泊2日型…継続して2日以上入院したときに1日目から給付される
- 5日型…5日以上継続して入院したときに5日目から給付される
- 8日型…災害入院給付金は通算で5日以上、疾病入院給付金は継続して8日以上入院したときに1日目から給付される
基本的には上記のように、契約で定められた日から給付金を受け取ることができます。ただし、5日目から支給されるタイプで契約していたとしても、短期入院特約を付加することで、1日目から4日目までも給付金を受け取ることができます。保険の商品によって保障のタイプはさまざまですので、じっくりと内容を確認するようにしましょう。
入院給付金の2つの限度日数に注意
医療保険の入院給付金では、給付日数に対し「1入院あたりの支払限度日数」と、「通算支払限度日数」の2つの限度があるため注意が必要です。
たとえば「1入院あたりの支払限度日数」では、60日・120日・360日・730日などと、給付金が支払われる限度日数が定められているのが一般的です。通常、支払限度日数が長くなればなるほど、保険料は高くなります。
注意しなければならないのが、1入院の考え方です。1入院と聞くと、一続きの入院期間と考えてしまいがちですが、実際は異なります。一度退院したあとに同じ病気や医学上その病気と重要な関係にある病気にかかり再び入院しなければならなくなった場合、前回の入院と合わせて1入院として扱われますので注意が必要です。
ただし、たとえ同じ病気で再入院した場合でも、前回の入院の退院日翌日から次回の入院までの期間が180日を超すケースでは、新たな入院として扱われるのが一般的です。
「通算支払限度日数」は、保険の期間中に入院給付金を受け取ることのできる限度日数。700日・730日・1,000日・1,095日などの通算支払限度日数が定められています。たとえ保険期間中の入院期間であっても、合計日数が通算限度日数を超えてしまうと、入院給付金は受け取れませんので、こちらも注意が必要です。
入院時の思わぬ出費に備える入院保障
入院時の保障が中心となる医療保険。健康なうちは必要性を感じないかもしれませんが、病気やケガで入院することになった場合、治療費や入院費などの思わぬ出費が発生します。そう考えると、入院保障はぜひ検討しておきたいところです。保障内容や給付金について正しい知識を身につけ、将来の入院時のリスクに備えたいものですね。