老後の不安も解決!?将来の生活費を準備できる個人年金保険とその特約について

老後の生活資金を準備するという目的の個人年金保険。死亡したときの保障よりも、生きている間の備えに重点を置いている保険のため「生存保険」と呼ばれています。では個人年金保険とは具体的にどんなものなのか、特約にはどういったものがあるのか見ていきましょう。
個人年金保険ってどんなものなの?
個人年金保険は、老後の生活資金を準備するという目的の生命保険。もし加入している間に死亡した場合は、払い込んだ保険料程度の保険金しか支払われないため、死亡保障機能はあまりありません。
また、個人年金保険には入院保障などの特約をつけることも可能です。主な仕組みとしては、契約した際に定めた一定年齢(60歳や65歳)から、同じく契約時に定めた所定の年金額が受け取れるという仕組みです。
保険料の支払い方法は、年金開始時まで支払いを続ける分割払いと、年金受取開始前に完了する支払い方法。また、退職金などのまとまった資金で契約時に一括して払い込む一時払いなどの方法があります。分割払いには月払・半年払・年払など、いくつかの種類がありますが、まとめて払えば払うほど保険料総額が少なくて済むので、その分の貯蓄性が増します。
老後の資金準備の目的って?
老後の資金準備には主に二つの目的があります。まずは現役引退から支給開始までのつなぎの資金を準備するため。もう一つは、公的年金で不足する上乗せ資金を準備することです。
少子高齢化が進んでいることもあり、老後の生活資金不足に対しての不安は若い世代ほど大きく、20代で個人年金保険に加入する人もいます。将来的に結婚や出産、子どもの教育などにお金が必要になります。資金配分を考えたうえで、加入するかどうか判断することをオススメします。
個人年金の種類と特徴
個人年金にはさまざまな種類があり、メリット・デメリットがそれぞれ違います。それぞれの特徴について見て行きましょう。
確定年金
個人年金の中でも代表的なのが確定年金。確定年金の特徴は、将来の年金受取金額がはじめから確定しているところです。10年確定年金であれば「年金額×10年」が受け取れます。もし仮に年金受給期間に亡くなった場合でも、残った分は遺族が受け取ることができます。
・メリット
確定年金の最も大きなメリットは、年金受取総額が確定しているので安心できるところ。そして、年金開始が60歳以上で年金支払期間が10年以上だった場合は、個人年金保険料控除により所得控除を受けることができます。
・デメリット
デメリットは、設定した確定期間しか年金が受け取れないところです。
終身年金
生きている間は一生涯、年金を受け取れるのが終身年金。多くの終身年金の商品には最低保証期間が設定されています。10年の保障期間が付いている場合は、最低保障として10年間、年金を受け取ることができます。
・メリット
終身年金のメリットは生きている間、一生涯年金を受けとることができるので、長生きした場合のリスクにも対応できるところです。
・デメリット
年金が開始されてから早い段階で亡くなってしまった場合、払込保険料総額よりも年金受取額が少なくなる可能性があるところがデメリット。また確定年金と比べると、同じ年金額に設定した場合、少し割高になることもあります。
変額年金
変額年金は運用実績によって年金額が変わります。株式や債券などで資産を運用し、その運用の実績によって年金や解約返戻金などが増減する個人年金保険です。もちろん投資リスクは個人が負うことになります。
・メリット
変額年金のメリットは運用の実績によっては年金額が増える可能性があるところ。また、インフレにも対応できるメリットもあります。
・デメリット
デメリットは運用するにあたって必ずリスクがあり、将来の年金額が変動する可能性があるところです。また、個人年金保険料控除ではなく一般生命保険料控除になります。
外貨建て年金
外貨建て年金は、為替変動によって年金額が変わってきます。外貨建て個人年金も円建ての商品と同じく、年金額がはじめから確定しています。
日本円より利率の高い外貨での運用になるため、有利になるところが特徴です。しかし、年金の受取りが外貨になるため、実際に円で受け取る際には、その時点の為替レートで受け取ることになるため注意が必要です。
・メリット
外貨建て年金のメリットは、円が低金利のため外貨のほうが高い利率である場合が多いというところです。
・デメリット
デメリットは為替変動によるリスクがあり、日本円に換算するときに手数料が発生するというところです。
個人年金保険の入院特約の種類ってどんなものがあるの?
個人年金保険の入院特約は、大きく2種類にわかれます。不慮の事故によるけがの入院や手術費用を保障してくれる「傷害入院特約」。また、不慮の事故によるけがや、病気の入院、手術費用を保障してくれる「疾病傷害入院特約」。
どちらの特約を選ぶかは、一般的な医療保険や生命保険の入院保障と比べながら、保険料とのバランスを考えて選択していくことをオススメします。
入院特約を付帯させる際の注意点
個人年金保険の入院特約は老後の入院費用を保障してくれるという訳ではありません。特に気をつけなければならないのが、保障される時期です。
通常、個人年金保険の特約は年金保険の契約期間に保障がされるというもの。個人年金の契約期間は保険料を払い込んでいる期間のため、定年前の現役世代であるということが一般的です。
それとは逆に、年金を受け取るようになってからは個人年金保険の契約期間ではないため、特約の保障がされない場合が多いもの。特約が保障してくれるのは、あくまで保険料を払い込んでいる期間だけ。老後は保障がなくなってしまうので、別の保険への加入も検討する必要があるといえるでしょう。入院特約は月々の保険料と実際に事態が起きる確率や可能性、その際の負担額を考慮し、加入すべきかどうか検討することをオススメします。