入院費用保険の相場は?

医療保険の見直しをするきっかけの中でも特に多いのが、「保険料」に関する悩みではないでしょうか。
現在加入している商品の保険料は妥当なのか?
毎月の保険料が安いが本当に大丈夫なの?
というように、保険料に関する悩みは尽きないですよね。ケガや病気で入院をする可能性は誰にでもあるものです。
そしてその日はいつやってくるかわかりません。入院時にかかる費用は治療費だけではないことを知っておきましょう。
ここではそんな入院費用の相場について、見ていきましょう。
月額の保険料はどれくらいが目安なの?
実際に医療保険への加入を検討する際は、自身の収入や将来のリスクなどに加え、
保障内容が自分に合っているか考慮したうえで、どのくらい支払えるか月額保険料の
目安を見極めることが大切です。
■収入別の月額保険料の目安
公益財団法人生命保険文化センターがまとめた「平成30年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、年間払込保険料の世帯年収に占める割合は6.7%です。
これを平均値と考えると、生命保険や医療保険に支払う保険料は、年収の5~7%がひとつの目安となります。
すでに生命保険に加入している場合は、現在支払っている保険料が収入の何%を占めるか計算したうえで、新たに加入する医療保険の予算を組むのがおすすめです。
また医療保険の基本的な保障の1つに「入院給付金」があります。 これは、病気やケガで入院したときに保険会社から支払われるお金のことで、入院に伴って発生する一時的な出費や、入院期間中の収入減をカバーすることができます。
給付額は、医療保険の加入者が契約時に、入院1日あたり5,000円、10,000円などと
設定します。入院給付金は、病気やケガの治療を目的に入院した場合に支払われます。
そのため、検査入院など治療を目的としない入院では支払われません。また、病気による入院給付金とケガによる入院給付金両方の支払要件を満たしている場合、どちらか一方の入院給付金が支払われます。
入院給付金はいくらに設定すべきなの?
入院時にかかる費用の全額や、逸失収入のすべてを、医療保険の入院給付金で賄うことを考える必要はありません。加入時に、考えうるすべての負担を幅広く想定して保障を充実させると、それだけ毎月支払う保険料が高くなり、家計を圧迫することにもなりかねません。したがって、医療保険で必要な保障の一部を確保し、実際の入院時に不足する金額は、貯蓄でカバーすると考えるのが現実的な対応でしょう。
たとえば、医療費の自己負担額を公的医療保険制度の高額療養費制度の1か月の限度額から1日あたり約3,000円と想定し、その他の食事代や日用品費、家族の交通費などで1日2,000~3,000円程度を見込むことで、合計1日5,000~6,000円を入院給付金として最低限確保することを考えてはいかがでしょうか。あるいは、差額ベッド代や予備的な費用、逸失収入額を必要に応じて上乗せし、10,000円か、15,000円くらいまでを入院給付金の額に設定してもいいかもしれません。
入院費用日額の平均
医療保険に加入を検討する場合、1入院あたりの給付金日額をいくらにすればよいのか
悩ましいところですね。
実際の入院費用は病気の種類によって変わってきます。
また、医療保険を検討する場合は、入院給付金の日額を決める参考のために
1日あたりの入院費用も気になるところです。
ここでは、入院費用の平均額を紹介します。
●入院時の自己負担費用は?
入院1日あたりの自己負担費用は、全体の約4人に1人は、1日1万円~1万5千円で、一番多くの割合を占めています。次いで多いのが、1日2~3万円未満で、全体の14.1%です。また、全体の平均は19,800円、約2万円となっています。
●入院期間の平均日数は?
ケガや病気によって入院日数に大きな差があることがわかります。
退院患者全体の平均在院日数は31.9日となっています。疾病分類別で見ると、精神及び行動の障害が291.9日、神経系の疾患が82.2日、循環器系の疾患が43.3日となっています。
いわゆる3大疾病といわれる「がん」「脳卒中」「心疾患(急性心筋梗塞)」の場合は何日くらい入院するのでしょうか。
3大疾病の「がん」は「悪性新生物」のことで、胃の場合で19.3日、気管支及び肺は20.9日です。「脳卒中」は脳血管疾患に含まれ、その日数は89.5日、「心疾患」は20.3日となっています。
●病気やけが別の入院費用の平均額
健康保険の自己負担割合を3割として概算した自己負担の目安をみると、1入院費用は、10万~70万円くらいまでの幅があります。
また1日あたりの自己負担の目安でみると、傷病により1万~5万円くらいまでの幅があり、多くは2万円前後となっています。
いくらくらいの貯えがあれば大丈夫?
ここまでみてきたように、何らかの病気やけがで入院した場合、病院に支払う平均的な入院費用は3割負担でも10~30万円程度。
そこから健康保険の高額療養費を利用した後の入院費用の自己負担額の平均は20.8万円です。
急に医療費が多くかかっても大丈夫な貯え(余裕をみて50万円くらい)があればよいですが、それだけの貯蓄がない人や貯蓄があったとしても使用する目的が決まっていて預貯金を取り崩したくないといった人などは、入院費用への備えとして医療保険の加入を検討するとよいでしょう。
まとめ
いかがでしたか。入院費用を全て保険でまかなう方法もありますし、預貯金が潤沢であれば預貯金でまかなう方法もあります。万一のとき、家計から入院費用を支出できるかどうかという視点で考えてみましょう。
万一のときに預貯金を取り崩したくないと考えて、医療保険へ加入する選択をする方が多いことも視野にいれて、1入院あたりの給付金を日額5,000円にするか10,000円にするかについては、預貯金とのバランスを考えながら決めましょう。