全国共済お役立ちコラム

入院費用・医療費控除とは?

2022-1-4

納税者がその年の1月1日から12月31日までの1年間で一定金額以上の医療費を支払った場合に申告すると、所得税等が軽減されるというものです。
医療費控除の対象となるのは多くの場合、支払った医療費が10万円を超えた場合です。
医療費控除には、保険適用外の医療費等も含まれますが、高額療養費として支給を受けた金額は除かれます。
また高額療養費以外にも給付を受けていれば、医療費から除かれる場合があります。

医療費控除の仕組み

多額の医療費を支払った場合、確定申告を行うことで所得税が戻ってくる場合があります。ここでは、もう少し詳しく医療費控除についてふれてみます。

『1/1~12/31に支払った医療費』-『保険金等補てんされた額』-『10万又は所得金額の5%』
以上の、結果だされた額が控除額(200万限度)となります。
その年の医療費の合計が10万以上なら控除になる可能性大ということです。
また、所得が200万以下なら医療費合計が10万円以下でも控除になるということです。また扶養関係が無くても生計一ならば家族の分まとめて認められるため大家族なら有利ですよね
ちなみにそのときは一番所得の多い(税率が高い)方で申告したほうが有利でしょう。

控除の対象となる費用は??

●医療費控除の対象となる費用
医療費控除の対象となるのは治療目的の費用です。
治療費や入院費、入院や通院のための交通費、治療または療養に必要な医薬品の購入の
費用などがあたります。
病院での診療代はもちろん、ドラッグストアで購入した医薬品代(予防・健康増進目的は不可)、通院・入院時にかかる交通費(ガソリン代不可)、介護状態で医師から
「おむつ使用証明書」を発行してもらった場合のおむつ代等も含まれます。

保険金等補てんされた額については、社会保険などから支給を受ける療養費、出産一時金、生命保険契約などの医療給付金などです。なお、保険金はその目的となった医療費からのみ引くので、他の事由から生じた医療費からは引きません。

入院時に医療費控除の対象とならない費用はある??

入院すると、治療に直接かかる費用以外にもさまざまなお金が発生します。
しかし、入院に関わる費用であっても、医療費控除の対象にならないものもあります
入院時に医療費控除の対象として認められない費用を確認しておきましょう。

●パジャマレンタル代やタオル代
入院した場合、パジャマ(病衣)をレンタルことも多いですが、これらの費用は基本的に医療費控除の対象にはなりません。
病衣レンタルが強制の場合でも、それは病院側の都合であり、医師の治療に必要とは解釈し難いために控除の対象とはならないようです。
寝巻き、洗面具、タオルなど入院時の日用品費も、医療費控除の対象にはなりません。

●テレビ代や冷蔵庫の使用料金
入院時にテレビ代や冷蔵庫の使用料金の支払いが発生するケースもあります。
しかし、これらの費用は医療費控除の対象にはなりません。
医療費控除とは「治療に必要である費用」であることが大前提です。
そのため、治療とは直接関係しないテレビ、ないし冷蔵庫の使用にかかる料金は控除の対象外となります。

●医師や看護師への謝礼として支払った費用
入院したら、医師や看護師に退院時などにお世話になったことへのお礼として現金やギフトを渡すことがあります。
これらにかかる費用は医療費控除の対象にはなりません。
医療費控除とは「治療に必要である費用」にのみ認められます。
患者に治療を行った医師、看護師であっても、法的に定められた支払いを超えた費用などは私的事情による支払いと見做されます。

●家族等がお見舞いに来た際の交通費
家族の誰かが入院した場合、家族はお見舞いのために病院に通います。
なかには、新幹線、飛行機などを利用して数万円~数十万円もの交通費をかけて、見舞いに通う人もいるでしょう
しかし、こうした場合でも交通費は医療費控除の対象として認められません
患者本人の通院などの付き添いにおいては、家族の交通費が控除の対象として認められることもありますが、お見舞い時の交通費は認められません。

●美容整形等の理由で入院した際の費用
美容整形のほとんどは保険適用外の治療です。
美容整形の施術が保険適用外なのと同様に、美容目的の施術で入院した際にかかる費用も保険は適用されません。
美容整形などの入院費は、保険適用の原則と同様の理由から医療費控除の対象にもなりません

医療費控除の手続きってどうするの??

医療費控除を受ける際に必要だった領収証の添付が、平成29年分の確定申告から不要となります。それに代わって「医療費控除の明細書」の添付が必要となりました。
医療費控除の明細書には下記1~5の記入が必要になります。

1. 医療を受けた方の氏名
2. 病院・薬局などの支払先の名称
3. 医療費の区分
4. 支払った医療費
5. (4)のうち生命保険や社会保険などで補填される金額
※ポイント※
医療機関や薬局から交付された領収書をもとに作成することになりますので、領収書をこまめにとっておくことが重要です

また、健康保険組合が発行する「医療費のお知らせ」を添付することで、明細の記入を簡略化することができます。
なお、平成29年分から平成31年分までの確定申告については、今までと同様に医療費の領収書の添付や提出での手続きが可能です。
※医療費控除の明細書に記載された医療費については、5年間は税務署長から求められた場合に領収書を提示もしくは提出する必要がありますので、その間は保管が必要となります。

まとめ

いかがでしたか?保険料控除と医療費控除は、うまく活用すれば所得税や住民税を軽減でき、家計を大きく助けてくれる可能性があります。
自営業、会社員を問わず、両制度をしっかりと理解して、積極的に活用することをおすすめします。