全国共済お役立ちコラム

妊娠・出産での入院は保険が適用されるの?

2022-1-5

妊娠・出産はご夫婦にとっても親族の皆さんにとっても、とても喜ばしいことでしょう。
自然分娩で出産し、母子ともに健康ですぐに退院ができるのが一番望ましいことです。しかし、いざ出産ともなれば思いもよらないトラブルが起き、外科的手術
が必要になってしまう場合やなかなか体調が回復せず入院期間が長引いてしまう場合もあります。
出産だけではなく妊娠中や出産後にもさまざまな費用がかかります。それぞれのタイミングで必要な費用を事前に把握し、負担を軽減するために利用できる制度や保険をよく理解しておきましょう。

出産時にかかる費用がどれくらい?

医療機関の規模によって若干の差はありますが、公益社団法人国民健康保険中央会が調査した正常分娩の平均出産費用は50万5,759円となっています。
そこから出産育児一時金の42万円を差し引くと、8万5,759円が自己負担になります。

こちらは正常分娩の場合の出産費用の平均のため、帝王切開や吸引分娩などの異常分娩になった場合は異なります。

| 妊娠・出産に伴う入院は基本的に保険適用外
入院や手術をした場合、公的医療保険が適用され、自己負担は実際にかかった治療費の3割のみとなります。

当然、妊娠・出産に伴う入院・手術も3割だけ負担すれば良いと思いがちですが、実は、妊娠・出産で入院したとしても原則、公的医療保険は適用されません。
自然分娩は病気でもなければケガというわけでもないので、公的医療保険が適用外となります。
したがって、治療にかかった費用は全額自己負担となります。

| 異常分娩による出産の場合には医療保険がおりる
妊娠・出産に関するすべての医療行為が、公的医療保険の対象外というとそういうわけではありません。

異常分娩とよばれる出産をした場合には入院費用や手術費用が公的医療保険の適用となる可能性があります。

異常分娩の代表的なものには、帝王切開、切迫早産、吸引分娩などがあります。

帝王切開の手術費用は日本全国の医療機関を問わず一律で22万1,600円(32週未満の早産の場合24万5,200円)となります。
公的医療保険が適用されるので、3割負担で66,480円(32週未満の早産の場合73,560円)分は支払う必要があります。

異常分娩の状態によっては入院が長引してしまう可能性もありますので、公的医療保険や出産育児一時金の他にも、民間の医療保険でプラスαの保障を準備すると安心ですね。

| 出産費用の助成制度について
市区町村や各健康保険組合では、出産の際に公的な助成金制度を利用できます。
少しでも費用負担を抑えるためにも自分がどの制度を利用できるか確認しておきましょう。
各種制度の説明と利用条件などを解説していきます。

・出産育児一時金制度
正常分娩の場合、出産そのものに対して公的医療保険は適用されませんが、別途「出産育児一時金」を受け取ることができます。
出産育児一時金は一児につき一律42万(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は40.4万円)が給付され、出産費用の支払いに充てることができます。
ただし、前述の通り正常分娩の出産費用は平均50万円かかるため、42万円の出産育児一時金ですべてをカバーしきれない場合もあります。
また、加入している健康保険組合から出産育児一時金を医療機関へ直接支払う「直接支払制度」を出産する医療機関が導入していない場合、出産育児一時金が支給されるのは退院後になるため、病院窓口で一度出産費用を支払わなければなりません。
直接支払制度を利用しない場合、出産育児一時金が支給されるのは申請から1~2ヶ月後ですので、前もって出産費用を準備しておく必要があります。

・出産手当金制度
こちらの制度は、給与所得者の加入する「健康保険」の被保険者であることが条件となります。よって、国民健康保険加入者はこの制度の利用対象外となります。
被保険者が出産のため勤務先を休職している場合、出産の日以前42日(多児妊娠の場合98日)~出産の翌日以後56日目までの範囲で出産手当金が支給されます。
支給額は各健康保険組合とも被保険者の給与の2/3と設定している場合が多いです。申請方法は「出産手当金支給申請書(申請書名は異なる場合があります。)」に記載し、各保険組合に提出します。

・傷病手当金制度
こちらの制度も、給与所得者の加入する「健康保険」の被保険者であることが条件となります。よって、出産手当金の場合と同様に、国民健康保険加入者はこの制度の利用対象外となります。
傷病手当金は、業務外で傷病等により療養生活を送るために支給される助成金制度です。
被保険者が妊娠中の異常で入院または自宅療養を行う場合、この制度が適用されます。
各健康保険組合とも、支給期間は最長1年半、支給額は概ね給与の2/3となります。
申請方法は「傷病手当金支給申請書(申請書名は異なる場合があります。)」に必要事項を記載し、各保険組合に提出します。
ただし、出産手当金と共に利用する場合には注意が必要となります。傷病手当金支給額より、前述した出産手当金の方を多くもらっているならば、傷病手当金は支給されません。
逆に、傷病手当金の支給額が出産手当金の支給額を超える場合には、その差額分を受け取ることが可能です。

妊娠・出産を考え始めたら、医療保険についても検討しておきましょう

ここまでは公的医療保険について話をしてきましたが、妊娠や出産を考えている方は、民間の保険会社が販売している医療保険に加入することをおすすめします。

ここからは、どうして妊娠や出産を考えている人が医療保険を検討した方がよいのかを説明していきます。

| 出産には100万円を超える多額な費用がかかることもある
おすすめ理由 その①・・・出産には多額の費用が必要となるため。

出産に関わる平均費用としては、約50万円と言われていますが、入院する病院や個室を利用した場合には100万円を超えてしまう場合もあります。

加入している健康保険に申請すると、子ども1人につき42万円の「出産育児一時金」が受け取れるとはいえ、それでも多額の費用が必要となってしまいます。
医療保険に加入しておいてお金の心配をしないですむ方が、安心して出産に臨むことが出来ると思います。

| 妊娠が分かってからでは医療保険に加入できないこともある
おすすめ理由 その②・・・医療保険に誰でも加入できるわけではないから。

医療保険の加入には審査があり、医療保険や共済の中には、妊娠している方は加入できない場合もありますので早めに加入しておいた方が良いでしょう

また、過去に帝王切開や切迫早産など異常分娩で出産した場合、一定期間医療保険の加入を断られることもあります。
当然、帝王切開になるかどうかは妊娠しないとわかりませんし、5人に1人が帝王切開で出産すると言われているので、その前に加入しておいた方が良さそうです。

まとめ

妊娠・出産では思いもよらないトラブルが発生するかもしれません。
公的医療保険や出産育児一時金などの各種制度でカバーできない分は、民間の医療保険に加入し、備えを万全にしておきましょう。