全国共済お役立ちコラム

入院費用は共済でどれくらい保障されるの?

2022-1-8

ケガや病気の入院などに備えて医療保険を検討していると、「民間の医療保険」の他に「共済保険」というものをよく目にします。
同じ医療保険なのに何が違うのだろうと悩まれる方も少なくはないかと思います。
共済保険は掛金がお手頃で加入しやすいことで人気です。しかし、民間の医療保険に比べてお手頃な分、入院した場合の保障内容は充実しているのかなど気になる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は共済保険の入院保障について詳しく解説していきたいと思います。

共済とは?

共済とは、組合員の「相互扶助制度」のことです。
地域や職域で設けられているものが多く、特定の企業・団体の利益追求ではありません。そのため共済の運営元は非営利団体であり、運営元と組合員はあくまでも対等な関係です。
組合員がみんなでお金(掛金)を出し合い、何かあった時に組合員全員で、組合員の誰かが事故や病気などで困っていたら助け合う(共済金支払い)という考えのもと運営されています。
共済と保険は、根拠となる法令や監督官庁が違うだけで、形態自体は同じようなものです。
組合員であればほぼ誰でも加入できることも、共済の大きな特徴です。加入時の持病・既往症などについて一定の告知義務はあるものの、そのために加入を断られるケースは少ないでしょう。

|共済の種類を確認しましょう!
共済には大規模なものから小規模なものまで様々なものがあり保障内容も異なります。
ここでは、一度は聞いたことがあるような主な共済を紹介していきたいと思います。

・都道府県民共済
居住地か勤務先の都道府県民共済に加入することが出来ます。
ただ、8県(山梨県・福井県・鳥取県・徳島県・高知県・佐賀県・沖縄県)には、県民共済はありません。
転居する場合は移管手続きを行うことで保障を引き継げます。

・こくみん共済
労働組合委員・勤労者の福利厚生を目的としている
組み合わせができるなど共済の中では保障のバリエーションがある

・COOP共済
COOPとは、生活協同組合(いわゆる生協)のことです。
居住地のCOOP組合員になることで、COOP共済に加入できます。

・JA共済
JAとは、農業協同組合のことです。主に農家の方が対象です。
ただ、農家でなくても、準組合員としてJA共済に加入することはできます。

|各共済組合の保険の掛金と入院保障内容
主な共済として「都道府県民共済」「こくみん共済」「COOP共済」「JA共済」を先ほど紹介しました。ここからは、各共済組合の保険から入院したときの1日あたりの保障額が1万円の保険を紹介していきたいと思います。
また、以下に紹介している共済保険の保障内容は同一ではありません。例えば、入院保障以外に死亡保障が付いていたり、手術を行うと保障を受けられたり、健康保険適用外の先進医療に対する保障が付いていたりします。さらに、その保障の金額の大きさも異なっています。詳細は各共済組合のホームページなどで確認をしてください。

・都道府県民共済
生命共済入院保障2型
月額掛金: 2,000円

入院時の保障を重視した保険です。
加入は満18歳~満64歳まで、65歳以降は別保険に継続加入になって85歳まで保障。
事故入院は1日目から184日目まで、病気入院は1日目から124日目まで保障されます。所定の手術に対して最大10万円の保障、所定の先進医療に対して最高150万円までの保障がされます。

・こくみん共済
医療保障タイプ2口
月額掛金: 2,300円

医療費全般の保障を重視した保険です。
加入は満18歳から満64歳、65歳以降も掛金は変わらず満80歳まで保障。
入院したとき1日目から最高180日まで保障されます。
所定の手術に対して6万円の保障、所定の先進医療に対して最高1,000万円まで保障されます。

・COOP共済
たすけあい医療コース(V4000)
月額掛金: 4,000円

医療費全般の保障を重視した保険です。
加入は0歳から満64歳。保障は満65歳まで、別コースに加入して満85歳までです。
入院(病気・事故)は、84日まで保障されます。
所定の手術に対して最大16万円の保障、長期入院(270日以上の連続入院)で60万円の保障、所定の後遺障害に対して最大200万円の保障、病気死亡・所定の重度障害に対して20万円の保障がされます。

・JA共済
医療共済
月額掛金: 男性 6,542円・女性 6,752円(注)
(注)掛金の条件は、加入年齢25歳、入院保障10,000円(最大60日)、先進医療保障あり、入院見舞保障あり、共済(保障)期間は終身、掛金払い込み終了年齢99歳、特約付きの場合で、この条件を変えると掛金は変動します。

医療費全般の保障を重視した保険です。
加入は90歳~75歳(加入プランによって異なる)保障期間は終身、80歳、10年更新の選択などが可能です。
入院(病気・事故)保障日数は選択が可能となり、所定の手術に対して入院手術の場合20万円、外来での手術の場合5万円の保障、所定の先進医療に対して1,000万円まで保障されます。

|共済はどんな人に向いている?
共済も保険も死亡や医療などのリスクに備えることができます。共済か保険のどちらか1つだけを選ぶ必要なく、それぞれに特徴あります。
では、どのような人が共済に向いているのでしょうか。

・経済的な余裕がない人
共済は民間保険と比較しても掛金が安いため、高額な掛金を支払う余裕はないが、将来何かあった時のためにも保障に入っておきたい人にも向いています。
また、掛金も一定なので値上がりの心配もありません。

・大きな保障が不要な人
大きな保障はいらないけど万が一に備えたい人に共済は向いています。
例えば、子供が独立した夫婦は子供のために加入していた死亡保障が不要になるケースがあります。死亡保障は掛金も高いものが多く、そこまでの保障がいらなくなったのであれば、手軽な金額で幅広い保障を受けられる共済がおすすめです。
他にも若い独身者など保険が不要な人にも向いています。

・加入中の民間保険+αで保障をつけたい人
すでに他の保険に加入していて、プラスアルファで保障が欲しいという人には、掛金が安く、気軽に加入ができる共済はおすすめです
また、中年層以上の人にとって、共済の掛金は金額より、実質的に安くなります。そういった人にも負担が少なく加入できる共済は合っているといえるでしょう。

まとめ

今回は共済の基礎知識と各共済保険内容を紹介しました。
日本国民全員が公的医療保険に加入していますが、入院した際の食事代や差額ベッド代、交通費などは適応対象外です。
また、ケガや病気によってその他の出費が増えたり、仕事に復帰できず収入が減少する可能性もあるでしょう。
公的医療保険で医療費の一部がカバーできますが、入院や手術による経済的な負担をカバーしきれるわけではありません
そのため何かあった時の備えとして医療保険に加入しておくことが大切です。
共済保険は営利を目的としていないため、少ない掛金で始められます。 家計の負担を減らして医療費・入院費のリスクに備えるには共済保険に加入しておくことを強くおすすめします。