共済保険を選択すべき人とそうでない人の特徴について

保険にはさまざまな種類がありますが、実は仕組みとしても種類があります。そのなかでも、共済保険は民間のものとは異なる仕組みを持っている保険です。では、共済保険はどういった人が選ぶべき保険なのでしょうか?今回は、共済保険について説明をしながら、選択すべき人、選択すべきでない人の特徴を解説していきます。
そもそも共済保険とは?
そもそも、共済保険とはどんな保険なのでしょうか。
共済保険の最大の特徴は「営利を目的としていない」ということです。通常の保険は民間の会社が営利目的で行っていますが、共済保険の母体は企業ではなく協同組合などの団体。組合員によって構成されていて、組合員のために事業を行っているのが共済保険の特徴です。
また、監督官庁と根拠法令が異なるという点も大きな違いです。監督官庁や根拠法令というのは、その事業の判断基準の拠り所となる部分なので、これらが異なると方針も異なることになります。民間の保険は金融庁および保険業法ですが、共済の場合は厚生労働省および消費生活協同組合法などを拠り所としています。(各共済によって異なります。)
共済保険のメリットは?
では、共済保険にはどういったメリット・デメリットがあるのでしょうか?
共済保険のメリットは、「掛け金が安い」ことです。前述の通り、共済保険は営利を目的とせず、組合員のための事業として運営されているため、割安な掛け金で保障を受けることができます。
次に、割戻金の還元があるということも魅力的なメリットといえるでしょう。割戻金とは、支払保険料と経費を差し引いた余剰分のこと。共済の場合、割戻金が発生した際には加入者に還元される仕組みになっています。もともと、掛け金は割安ですが、実質的にさらに安くすることができます。
さらに、職業に左右されない保険であるというのもポイントのひとつです。例えば、自営業や個人事業主の場合、収入が不安定と見なされることがあります。民間の保険ではそれを理由に保険料を高く設定されてしまう場合がありますが、共済の場合は職業によって掛け金が変わったりすることはありません。
そして、掛け金が一定のままということもメリットです。民間の保険では、年齢を重ねるたびに保険料金が高くなったり、加入時期によって保険料金が異なったりしますが、共済の場合、掛け金は一定のままなので、年齢を重ねるほど割安に感じられるのです。
共済保険のデメリットも知っておこう
一方、共済保険が持つデメリットについても見てみましょう。
保障の内容が、民間の保険と比較すると手厚くはないということです。掛け金が安い反面、保障が手薄になってしまうことは避けられません。
また、年齢などを問わず掛け金が一律であるため、保障内容に融通がきかないということもあげられます。共済の特性上、幅広い年齢の加入者から同額の掛け金を集めるため、保障内容を個々に合わせることが難しいというデメリットがあるのです。
共済保険を選択すべき人はどんな人?
共済保険が適しているのは、あまり保険にお金をかける余裕がない人があげられます。共済保険は民間の保険と比べて保険料が安く、掛け金も一定です。また、割戻金があれば、さらに経済的な負担を軽減することができます。そのため、収入が多くないけれど、もしもの時に備えたいという人は、共済保険を選択するメリットがあるでしょう。
社会人になりたての人や子どもが既に独立した人など、大きな死亡保障は必要ないけれども最低限の保障はしておきたい、という人にもおすすめです。
また、現在加入している民間の保険にプラスして保障を増やしたい人にも適しています。「現在の保険ではまかないきれない。だからといって保険料は増やしたくない」という人にとって、共済保険は適した保障を提供してくれることでしょう。
共済保険を選択すべきでない人は?
一方、共済保険を選択すべきでない人の特徴について考えてみましょう。
まず、年齢が若い人にとっては不向きな保険という考え方もあります。なぜなら、共済の掛け金は一定で、ケガや死亡のリスクが低いにもかかわらず、高齢者と同じ金額を払うということになるため、割安に感じられないケースがあるからです。
また、保険に貯蓄性を求めている人にとっては、不向きな保険といえるでしょう。共済保険には積立タイプがないため、将来にまとまったお金を受け取ることを期待している人は、貯蓄性のある民間の保険を検討したほうがいいかもしれませんね。
家族の生活費に備えるため、大きな保障が必要な場合もあまり向いていません。共済保険の死亡保障金額は、民間の保険と比較するとそれほど手厚くありません。万が一のことがあったあとの家族の生活費のことを考えるなら、その他の保険とプラスして備えを考えたほうがいいかもしれません。
地域に根ざした全国共済の商品から検討してみる
保険には、それぞれに一長一短があります。特徴を知ることで、自分に合った保険なのかどうなのかを判断できます。共済保険には、掛け金の安さという魅力だけでなく、掛け金が一定だという支払い面での安心感や割戻金のメリットもあります。
共済保険の中でも広く知られているのが、住まいの地域に根ざした全国共済などの組合。生命共済や火災共済など、将来の備えと安心につながる商品が提供されていますので、ぜひ一度、検討してみてはいかがでしょうか。