出産はすべて保険適用外?!こんなときに保険が使えるって知っていますか?

妊娠や出産は嬉しいけれど、それと同時にいろいろな不安がつきものです。体調面や仕事のこと、無事に出産できるかどうか……。これだけでもたくさん考えてしまうのに、お金の心配までしたくありませんよね。しかしながら、出産に伴う費用は意外と高額。出産はゴールではありません。その後の育児にも費用がかかるのが現状です。
そのようなとき、出産の際に保険が適用できるかどうかは確認しておきたいところですよね。
とはいえ、出産方法や入院日数などはひとそれぞれ。それに出産は予定通りにいくものではなく、その時になってみないとわかりません。出産の際に保険を使うことは難しいのでしょうか。
今回は、出産の方法別に保険適用か保険適用外かについて解説していきます。
保険適用の出産と保険適用外の出産の違いと条件とは?
出産には、保険適用される場合と保険適用外の場合があります。
基本的に出産というのは保険適用外です。保険には公的な健康医療保険と民間の医療保険とがありますが、出産はケガや病気で治療が必要なものではないとみなされるので保険は適用外になってしまいます。
しかし、すべての出産が保険適用外なわけではありません。出産とひとことで言っても、方法はいろいろありますよね。大きく分けた場合、「正常分娩」と「異常分娩」とでわけられます。
この違いだけで保険が適用される部分が変わってくるのです。
正常分娩
正常分娩とは、自然に陣痛が始まり、正産期における経腟出産であり、特に医療行為を必要としない分娩のことを指します。
この場合には公的な健康医療保険適用外となります。「命がけで長い陣痛を乗り越えて出産するものなのになぜ?」と感じられる方も多くいらっしゃるでしょう。しかし、公的な健康医療保険は「病気や怪我のとき、安心して医療が受けることができるための制度」なので、正常分娩は該当しないのです。
つまり、出産育児一時金は支給されますが出産費用は実質全額自己負担となります。
異常分娩
異常分娩とは、母体と胎児のトラブルにおいてベストな出産方法で手術などの医療行為をおこなう分娩です。一番多い事例として帝王切開術が挙げられます。ほかにも陣痛促進剤を使用した出産や鉗子分娩、吸引分娩なども含まれます。
この場合には公的な医療保険は適用となり、3割自己負担額となっています。異常分娩における入院や手術、治療による投薬や検査なども保険適用です。
しかし、出産費用すべてが保険適用になるわけではないので注意が必要です。食事や個室を選んだ場合のベッド代などそのほかの費用に関しては全額自己負担となります。
妊娠前からチェックしたい!民間の医療保険は出産のときに使えるの?
民間の医療保険の場合にも、正常分娩は保険適用外となることがほとんどです。
異常分娩だった場合には加入している保障内容によって対象になる場合が多くあります。
また、帝王切開術分娩などにおいては正常分娩よりも入院日数が延びることがありますよね。そのような場合にも保険が適用されます。
保障内容にもよりますが、「入院給付金」、手術を受けている場合には「手術給付金」が支給されることが多いでしょう。
自分がどのような保険に加入しているか、保障内容と併せて確認しておくといいですね!
出産のとき保険適用外になってしまう思わぬ落とし穴に気を付けよう!
ここでひとつ注意するポイントをお話しておきます。民間の医療保険の検討は妊娠前からしておきましょう。
妊娠してから保険に加入しても保障されず保険適用外となるケースがほとんどです。妊娠初期までならOKという保険もありますのでチェックしてみてくださいね。
異常分娩は「まさか自分は大丈夫だよね」と思って気に留めずにいてしまいがちですが、実は4人に1人ほどの割合で帝王切開術分娩をしています。正常分娩を予定していてもお産の途中で緊急帝王切開術に切り替わることも珍しくありません。
妊娠前からしっかり備えておくことで、お金の面を心配せず出産を迎えることができますよ。
また、公的な健康保険は何もせずとも3割負担に切り替わりますが、民間の保険は支給金受け取りに申請が必要となります。
出産後は慌ただしい毎日でついつい申請漏れしてしまい給付金を受け取れなかった……ということのないよう気を付けてくださいね!
まとめ:出産は保険適用外と決めつけないで!対象となる条件を把握しておきましょう
「出産は病気や怪我と違うから」という思いが先立ってしまい、公的な健康保険や民間の医療保険が利用できないと不安を感じている人もいるでしょう。
確かにすべての人が保険の適用条件に当てはまるわけではありません。しかし、知っているのと知らないのでは大きな違いがあります。正常分娩でさえ高額な医療費となり、異常分娩になればさらに高額な医療費が上乗せされます。知っていれば心配事がひとつ減りますよね。
正常分娩の人も手当や一時金などそのほかさまざまな制度がありますので、ぜひチェックしてみてください。
決めつけや思い込みはせず、自分にはどのような制度が適用されるのかをいま一度確認してみるといいですね!