出産手当金には保険が必要?支給の条件とは?

出産前後の「産前・産後休暇」って、実は会社から給与が支給されないって知っていましたか?そうなると産前・産後休暇の期間中、どうやって生活していけばよいのか不安になりますよね。
でも大丈夫。「出産手当金」という制度があります。
今回は、保険適用になる「出産手当金」について解説していきます。
出産手当金とはどういったものでどのくらいもらえるのか、支給対象の条件にはどんなものがあるのかなどについてくわしく説明するので、最後まで読んでぜひ参考にしてみてくださいね!
出産手当金とは?支給額はどのように計算される?
まず、「出産手当金」とは何かというと、出産を理由に会社を休んでいた期間の給付金のことです。生活費用や出産・育児の費用を一部保証するといった目的があります。
給与分全額支給ではもちろんないので、気になるのはその金額。自身の標準報酬月額の平均をもとにした計算式にのっとって支給額が決定します。
つまりそれぞれの報酬によって支給額も異なるということですね。
具体的な計算式は
支給開始前12か月間の標準報酬月額の平均÷30日×2/3
となります。
手続きは本人が行なっても会社側が行なってもOK。いずれにせよ「事業主証明」という申請書などの手続きをすることで適用となります。
しかしすべての人が対象となっているわけではありません。出産手当の受け取りの条件を見ていきましょう。
出産手当金を受給できる人とできない人がいる?!給付される人の条件とは?
先ほども述べたように、出産手当金の受給には一定の条件を満たしている必要があります。
自身が健康保険の被保険者であること
出産手当の支給対象者は「会社の健康保険に加入していること」が第一条件です。
ここで重要なのは、「会社で自身が加入している保険」であることです。つまり、国民健康保険や家族の扶養に入っている場合は対象となりません。(2022年7月現在)
2022年10月より法改正で出産手当金の対象者が拡大されることも予想されます。あわせてチェックしていきたいところですね!
産前・産後休暇を取得していること
冒頭で説明したとおり、「出産手当金は出産のために会社を休んだ期間の給付金」となっているので、産前・産後休暇を取得していることは大前提となります。
また、産前・産後休暇の期間は出産する子の人数によっても変わってくるので要チェックです。
また、産前休暇と産後休暇の期間はどのくらいの長さなのかを知っておく必要があります。
〈産前休暇〉
出産する子がひとりの場合、出産予定日前の42日間を指します。双子以上であれば出産予定日前の98日間です。
産前休暇は従業員の希望によって取得できるものとしています。
産前・産後休暇を取得せず仕事を続けた場合には、出産手当金の給付対象外です。働いたぶんだけ通常通りの給与が支払われることとなります。
〈産後休暇〉
出産予定日後の56日間を指します。
産後6週間は取得義務となっています。それ以降は医師の許可により就労可能となります。
以上の期間において出産手当金が支給されるということですね。
しかし、予定日どおりに産まれてこないのが出産です。その場合にはどうなるのでしょう。
次の項目でくわしく解説していきます!
出産予定日に産まれなかった!出産手当金はどうなるの?
出産手当金というのは、産前・産後休暇期間のなかで申請している期間と実際の出産日です。
出産予定日と出産日はずれることが大半ですので、その時には実際の期間に応じて支給額も異なります。
出産予定日よりも早く出産した場合
ここでは、標準報酬月額の平均を280,000円と仮定して計算していきます。ここにみなさんの標準報酬月額の平均をあてはめて計算してみてくださいね。
280,000円÷30=9,330円(10円未満四捨五入計算)
9,300円×3/2=6,220円(1円未満四捨五入計算)
(42日-早まった日数)×日額6,220円=産前休暇分の出産手当金
出産予定よりも遅く出産した場合
ここでは、標準報酬月額の平均を280,000円として計算していきます。ここにみなさんの標準報酬月額の平均をあてはめて計算してみてくださいね。
280,000円÷30=9,330円(10円未満四捨五入計算)
9,300円×3/2=6,220円(1円未満四捨五入計算)
(42日+遅れた日数)×日額6,220円=産前休暇分の出産手当金
出産が早まった場合や遅れた場合でも出産手当金がしっかりと補償されるので安心ですね!
まとめ:出産手当金を受給するには保険に入っていれば大丈夫!
出産で仕事を休業するとなると、お金の面で不安になる人がほとんどでしょう。会社の保険に被保険者として入っていれば出産手当金は受け取ることができます。
報酬分全額支給とはいかなくても、2/3もの支給額が支払われるのは大きいですよね。安心して出産前後休暇を取得できるのではないでしょうか。
今回の出産手当金についての条件や支給額の計算などを参考にしながら、出産前後にどのくらいの収入があるのかをあらかじめ確認してみてください。どのようなやりくりができるのかを知っておくことは大切です。時期が来た時に慌てずに生活していきたいものですね。