無痛分娩での出産で高額療育費の対象になるの?

出産時に無痛分娩を選択する人が多くなってきている昨今。出産の痛みは不安ですよね。
しかし、特別な出産方法ということもあって自然分娩に比べると費用も高いのではないかと考えてしまいます。
公的な健康医療保険制度の「高額療育費」というものはご存じですか?
無痛分娩で出産費用が高額になった場合には、この高額療養費という制度を利用して申請することができるのでしょうか。
今回は、出産時の無痛分娩にかかる費用はどのくらいなのか、高額療養費として申請が可能なのかといった点について
くわしく解説していきます。
無痛分娩をすると自然分娩にくらべて〇万円も出産費用が高い?!
無痛分娩とは、麻酔を使用して痛みを和らげた状態で出産する方法です。
母子ともに負担が少なくなるとも言われています。
無痛分娩の費用は自然分娩時の費用と比べるとプラス10万~20万円が相場となっています。産院によってはさらに高額になることもあるようです。
なぜこんなに高額になるかというと、無痛分娩の場合には「硬膜外麻酔」という特殊で難しい麻酔を使用するため、専門の麻酔科医による処置となるからです。
高度療育費とは?無痛分娩としては申請できる?
高額医療制度とは、健康保険の適用の範囲内で月初めから月末までの医療費が高額になった際に自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。
費用が高額になる無痛分娩ですが、高額療養費として申請はできるのでしょうか?
原則的に無痛分娩は健康保険適用外となります。つまり高額療養費としての扱いも難しくなるわけです。
しかし、無痛分娩であっても吸引分娩や鉗子分娩、帝王切開術になる場合もありますよね。更にはそのぶん入院も延びることとなります。
そういった場合には公的な健康医療保険が適用される場合があるので、高額療養費として申請することも可能ということになります。
高度療育費の申請方法
高度医療制度の申請には事前申請と事後申請とがあります。
無痛分娩の場合、先ほど述べたように原則的には高額療養費適用外です。無痛分娩であってもなんらかの事情で医療行為が行われた場合には適用となることもあるため、おのずと事後申請となるでしょう。
事後申請の場合には、医療機関の窓口で一旦3割を負担します。申請書を提出して受理されると、自己負担限度額超過分が払い戻されるというシステムです。
ここで重要なポイント。申請に必要なので必ず領収書を医療機関から忘れずに受け取っておきましょうね!
無痛分娩での出産は民間の保険でも適用されるの?
民間の保険の場合はどうなるのでしょうか。
この場合にも、無痛分娩であっても吸引分娩や鉗子分娩、帝王切開術などになった場合には対象保障となる場合もあります。
自身が加入している保障によっても変わるので、契約内容を事前に確認しておきましょう。保険会社によっては妊娠前の加入者のみ対象の場合や契約後1年以上経過していることを条件にしているところもありますので、要チェックですね!
所得によって違う!高度療育費の自己限度額はどのように設定されているのか
高度療育費の自己限度額は所得によって上限が決まっています。
【標準報酬月額830,000円以上の場合】
自己負担限度額:252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
【標準報酬月額530,000円~790,000円の場合】
自己負担限度額:167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
【標準報酬月額280,000円~500,000円の場合】
自己負担限度額:80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
【標準報酬月額260,000円以下の場合】
自己負担限度額:57,600円
【被保険者が市町村民税の非課税者など】
自己負担額:35,400円
と設定されています。
1年間で自己負担限度額を超える医療費の支払いが3ヶ月以上となった場合には、「多数該当高額療養費」という制度に切り替わります。
これは4ヶ月目から区分ごとに自己負担限度額が引き下げられる制度です。手続きは特にありません。
妊娠出産の場合だと、切迫早産などの長期入院で該当することがありますね。そういった場合に適用される可能性が出てきます。
まとめ:無痛分娩でも高額療養費として申請できる場合がある!
出産の壮絶な痛みを思うと無痛分娩を選択股として考える人は年々増加傾向にあります。
その際に安全面と金銭面での悩みも出てくるでしょう。
公的な健康医療保険を利用した高額療育費の対象としては、帝旺切開術をはじめとした医療行為が行なわれた場合に適用されることが多いことが今回の記事でわかったと思います。
特に問題なく無痛分娩を行なった人は適用外ということではありますが、妊娠や出産は予定通りにはいかないことの方が多いです。
万が一のことが起こった場合には早急な対応が必要となります。そんな時に高額療養費の制度があることはとても心強いです。
今回の記事を参考に、無痛分娩を選択する方も一度は高額療育費のシステムを確認してみてくださいね!