持病があっても医療保険に入れるの?

医療保険というと、以前は持病や過去に病気になったことがある人は加入できないというのが一般的でした。
ですが、今では、多くの保険会社で持病があっても加入できる医療保険を取り扱うようになり、選択肢が広がっています。
今回は持病がある場合の医療保険について考えていきましょう。
持病がある人でも加入できる保険のポイント
持病があっても加入できる医療保険には主に3つのポイントがあります。それは、申込時の引受基準が緩和されていること、その分保険料が高めで、支払削減期間があること、持病が悪くなった時も保障があること、です。
申込の引受基準とは?
引受基準とは加入時の健康状態のことです。 引受基準が緩和されているというのは、一般の医療保険と告知項目の数や基準のハードルが低いということを意味します。ゆえに加入できるというわけです。「引受基準緩和型」や「限定告知型」の医療保険などと呼ばれることがあります。
保険料が高めになる?
引受基準緩和型の医療保険は、その分保険料が高く、さらに加入直後から1年間は保障が半額になってしまう場合が多いです。
例えば、40歳男性が一般の医療保険で月2,500円で加入できる商品と同条件の商品だとしても、引受基準緩和型の医療保険は4,000円となったりする場合があります。そして、1年間は支払削減期間となっていて、入院しても受け取れる日額は1日あたり2,000円となったりする場合があります。
医療保険というのは、原則的に契約者間で不公平が生じないように、保険会社はそれぞれ、健康状態に一定の基準を設けています。一般の保険のうち2種類を標準装備したのが「引受基準緩和型」の医療保険です。その2種類とは、保険料を上乗せして払うこと、一定期間は保障を減額するというものです。
とはいっても、最近では、保障の減額がなくて加入当初から満額で保障するという商品も出てきていたりします。また、保険会社によって、引受基準は異なるため、保険料もさまざまです。しっかり比較して検討しましょう。
持病が悪くなった時も保障がつく!
引受基準緩和型の医療保険の大きな魅力といえば、その持病に対しても保障されることでしょう。
持病で入院したことがある人は、持病ゆえにまた入院する可能性も低くなく、そういった不安があります。その時も保障されるというのは、備えとして非常に心強いことでしょう。
持病があって医療保険を検討する際に注意することは?
では、持病のある方が医療保険の加入を検討する際の注意点について確認していきましょう。 既に保険に入っていて、何らかの理由で見直しが必要になり、引受基準緩和型への移行を検討している場合、あらためて保険を切り換える必要があるのかということを考えてみましょう。
例えば、加入中の保険を少し減額するなどの手直しをすることで、持病を持っていたとしても、より希望に即した保険にすることが可能かもしれません。持病に対する保障があるからといって、安易に切り換えてしまうことは、加入中の保険よりも条件が悪くなることもあるため注意が必要です。
一般の医療保険で持病をカバーできるか?
次の注意点は、持病があるからといって、本当に引受基準緩和型にしか入れないのか、ということを確認することです。
持病を保障している保険は、先にも述べた通り一般の医療保険に比べて高くなります。 持病があるからといって、すぐに引受基準緩和型だけを検討するのではなく、まずは一般の医療保険も検討してみましょう。
その場合のポイントとして、どんな保険の場合も共通ですが、診査ではできるだけ詳しく告知することが大事です。例えば、飲んでいる薬や量などについても詳細に報告するようにしましょう。毎年の健康診断の結果票によっては有利になることもあります。
保険会社は診査の情報をもとに、基準を判断します。その上で、たとえ保険料を上乗せして支払うことになったとしても引受基準緩和型より保険料が抑えられる可能性もあります。
もし仮に、診査が通らなくても、別の保険会社で検討してみることも大事です。診査の基準は保険会社すべてが同じではありませんので、別の会社では加入できる可能性があるからです。
目的について今一度考える!
持病があることにまどわされずに、加入を検討するときは、もう一度立ち返り、何のために医療保険に入りたいと思っているのか、ということを見つめ直すことも大事です。
持病を保障するタイプの保険料は基本的に一般と比較して割高になりますし、医療保険という特性上、数千万円といった高額の保証金を受け取るケースは少ないでしょう。加入しなくても、貯蓄で対応することはできないのか、ということまで考えてみましょう。
一方で、入院時の経済的な負担の大小にかかわらず、保険に加入していることで、安心を得られるという価値もあります。あなたや家族が治療費への不安感が強いなら、加入は安心へとつながることは大事なポイントです。
持病があっても前向きに医療保険を検討しましょう!
持病がある場合の医療保険選びのポイントを見てきました。保険はやはり、万が一の時に安心するためのものです。持病があっても諦めずに冷静に検討しましょう。