医療保険は掛け捨てが良いの?

医療保険を選ぶ際に掛け捨て型と貯蓄型のタイプをどちらにするかというのは大事なポイントです。
どちらか迷われる方も多いのではないでしょうか?
今回は特に掛け捨て型について説明してきます。
ぜひ保険選びに参考にして下さい!
掛け捨て型とは?
掛け捨て型とは簡潔に言うと、解約返戻金がないタイプの保険で、保険期間が定期、終身いずれにしても、解約時に払い込んだ保険料が戻ってくることはありません。
一方、積立型というのは、解約返戻金がある契約のことを指します。一般的に、解約返戻率は保険期間の長さに比例して高くなり、解約した場合は、その時点における返戻率をもとに算出された解約返戻金を受け取ることができます。
掛け捨てはもったいない?
やはり「掛け捨てはもったいない」「保険料が返ってくる商品のほうがいい」といった意見はよく聞かれます。
ですが、本当に積立型のほうが一概にお得と言えるのでしょうか。正しく把握するために、掛け捨て型のメリット・デメリットを見ていきましょう。
掛け捨て型は保険料が安い!
掛け捨て型は積立型と比較して、毎月の保険料が安いというのが、大きなメリットのひとつになります。その仕組みについて見ていきましょう。
病気による手術や入院などのリスクは、当然、年齢に比例して高くなります。そのため、毎年の保険料は年齢とともに上がっていくことが一般的です。そこで、保険会社は保険期間中における「払込保険料」と「支払保険金」が全体として等しくなるように計算して、毎月同額の保険料を設定しています。
そうすることで、保険期間の前半は支払保険金が払込保険料を下回ることになります。この差額部分は「責任準備金」と呼ばれていて、保険会社は将来の保険金の支払いに備えて、これを積み立てています。
積み立てた責任準備金は、支払う可能性がある保険金額に比例して多くなりますし、責任準備金が多くしようとすれば、その分保険料も上がります。
この点、掛け捨て型の医療保険において、保険会社が支払うのは、入院給付金や手術給付金、その他特約による給付金に限られています。ですので、積立型のように加入者に対して将来払い戻す金額を考慮する必要がないということになります。そのため、掛け捨て型の医療保険は貯蓄型の医療保険に比べて積み立てておくべき責任準備金が少なく、その分、保険料を安く抑えられるというわけです。
新商品への見直しがしやすい!
新商品への乗り換えや、保険の見直しが行いやすいことも掛け捨て型のメリットです。
公的な保険制度も民間の保険も、状況は日々変化していますよね。ですので、現在加入している保険では、入院や手術への備えが不十分になる日が、将来的に訪れる可能性もあります。
そういった場合は保障内容の見直しや新商品への乗換えを検討する必要が出てくるでしょう。ですが、積立型の医療保険に加入していると、そのタイミングで解約すると返戻金が低く、損をすることになるため、乗換えに抵抗感が出てしまいます。
掛け捨て型の医療保険の場合は、そういった縛りがありません。そのため、より良い商品への乗換えや見直しをしやすいことは、大きなメリットといえるでしょう。
掛け捨て型のデメリットはどこにあるのでしょう?
メリットについて見てきましたが、ではデメリットについても把握しておきましょう。
掛け捨て型の医療保険に加入するデメリットはやはり、「解約返戻金がない」という点が大きいでしょう。保険期間中に入院したり手術を受けたりしなかった場合、払い込んだ保険料を全て無駄にしてしまったということになります。
ただ、先に述べた通り、掛け捨て型の医療保険は、積立型に比べて保険料を安く抑えることができます。そのため、「解約返戻金がない」というのは、考え方によっては、そこまでデメリットではないともいえます。
掛け捨て型と積立型、どちらを選べば良いの?
ここまで、掛け捨て型のメリットとデメリットを説明してきました。では、実際にはどちらを選ぶのが良いのでしょうか。ひとつの考え方の参考例を説明していきます。
保障と積立は分けて考えてみる!
医療保険は、そもそも「保障」としての性格が強い商品です。もちろん、これに積立型の貯蓄性を求めることが間違いというわけではないですし、積立型であれば、解約返戻金や健康祝金を受け取れるというメリットはあります。
そこで、「保障」と「貯蓄」については分けて考えてみるのはどうでしょうか。保険本来の目的である保障が強い医療保険は掛け捨て型にして保険料を安く抑えつつ、貯蓄については他の方法によって行うというのも、有意義な方法でしょう。
慎重に検討してタイプを選びましょう!
今回は特に掛け捨て型について説明してきました。掛け捨て型と積立型の医療保険には、いずれにもメリット・デメリットがあります。保険に入る目的と、自分に合ったタイプを慎重に検討しましょう!