医療保険ってどんな種類があるの?

近年、世界有数の長寿大国となっている日本。
そんな中、「将来、入院や手術が必要な大きな病気を
患わないか?」という不安を抱いている方も多いので
はないでしょうか。
そんな病気やケガに対する経済的なリスクに備えるのが医療保険です。
しかし、ひとくちに医療保険と言っても、様々な種類があり、保障内容もそれぞれ異なります。
ここではそんな医療保険の種類について、詳しく説明
していきます。
医療保険には2つの種類がある
医療保険には大きく分けて2つの種類があります。
一つは「公的医療保険」です。正式名称は「公的医療保険制度」といい、病気や怪我をしたときに医療費の自己負担額の一部が軽減される社会保険制度のひとつです。
そしてもう一つが「民間医療保険」です。民間医療保険は公的医療保障制度における不足をカバーする目的で保険会社や保険代理店等が販売する金融商品です。
公的医療保険制度
先ほど医療保険には「公的医療保険制度」と「民間医療保険」の2種類があると言いましたが、さらに公的医療保障制度には「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3つの種類があります。これらは、保険に加入する人の年齢や就労状況等によって分けられます。
1.被用者保険
被用者保険とは、サラリーマンなどの被用者とその扶養家族を対象にした健康保険のことを指します。被用者保険の種類は、主に以下の4つに分けられます。
●組合管掌健康保険
大企業の被用者を対象とした健康保険
●全国健康保険協会管掌健康保険(協会けんぽ)
中小企業の被用者を対象とした健康保険
●船員保険
船員が対象
●共済組合
公務員が対象
保険料は被用者の給与水準によって定められ、被用者と企業が折半して支払います。また、傷病手当金や出産手当金など様々な給付があり、万が一病気やケガ、出産等で休業する場合も、安心して療養や出産に専念できるところが大きな特徴です。
2.国民健康保険
国民健康保険は市区町村が運営する医療保険制度で、主に自営業や農業、無職の人など企業に所属していない人が加入します。
保険料は、世帯ごとの収入や資産額、世帯人数に応じて算出され、世帯主が負担しますが、その市町村の療養の給付にかかる費用によって保険料を算定しますので住むところによって金額が異なります。また、傷病手当や出産手当金の給付はほとんどの市町村が行っていないため、被用者保険と比べると保障が手薄な場合もあり、もしもに備えて民間の医療保険などで補うことが大切です。
3.後期高齢者医療制度
後期高齢者医療制度とは、75歳以上の方、もしくは65歳以上で障害がある方が加入する公的医療保険制度です。
対象となる人は個人単位で保険料を支払い、窓口負担は1割となります。(ただし現役並みの収入世帯は3割負担)
また、年額18万円以上の年金を受給している場合、保険料は年金から天引きされます。
民間医療保険
公的医療保険制度が年齢や就労状況等によって3つの保険制度に分類されたのに対して、民間医療保険は「保障期間」「被保険者」「貯蓄性」「引受基準」等で分類することで、主に6つ種類の保険に分けられます。
1.定期型医療保険
定期型医療保険は、契約時に定めた保障期間で契約が終了する医療保険です。ただし更新をすれば、その後も保障を継続させることができます。
一般的に、若い時に加入すると保険料は割安ですが、更新すると更新時の年齢に基づいて保険料が変わるため、長期期間加入する場合は更新する度に保険料が上がっていきます。
また、更新時の健康状態によっては更新できなくなる場合もあるため、特定の期間だけ保障が欲しい場合や充実させたい場合におすすめです。
2.終身型医療保険
終身型医療保険は、保険料が上がらず一生涯の保障を持つことができる医療保険です。そのため定期型医療保険のような定期更新は不要ですが、一生涯の保障になるので、契約時には自分の将来のライフプランに合っているかを十分に確認することが大切です。
3.貯蓄型医療保険
貯蓄型医療保険は、掛け捨てではなく貯蓄性がある医療保険です。何年かに一度、生存給付金を受けられたり、決められた年齢になった時に、それまで支払った保険料から受け取った給付金を差し引いた分が戻ってきたりと貯蓄性がありますが、その分保険料は割高になります。貯蓄が苦手で、保険と一緒なら続けられそうという方におすすめです。
4.女性向けの医療保険
女性向けの医療保険とは、「乳がん」や「子宮がん」など、女性特有の病気に対しての保障を手厚くした医療保険で、これらの病気にかかった場合、入院給付金が上乗せされます。また、女性疾病だけでなくがん全般にも同様の保障を受けられる商品もあるため、女性疾病やがんへの不安が大きい方におすすめです。
5.引受基準緩和型医療保険
引受基準緩和型医療保険とは、持病や病歴のある場合でも加入しやすいように加入条件が緩和された医療保険です。通常の医療保険では、健康状態によって加入できない医療保険でも、それぞれの保険会社が定めた条件をクリアすれば加入することができます。ただし、健康な人と比べて持病や病歴がある方は入院や手術をする可能性が高いため、通常の医療保険よりも保険料が割高になる傾向があります。
6.無選択型医療保険
無選択型医療保険とは、健康状態などの告知が不要で、誰でも加入することが出来る医療保険です。誰でも加入できますが、一方で、保障が限定的であったり、保険料が最も割高であったりと加入時には注意すべき点が多くあります。そのため、初めから無選択型医療保険への加入を検討するのではなく、持病がある方でもまずは引受基準緩和型医療保険からの検討をおすすめします。
まとめ
このように、医療保険には様々な種類があります。それぞれの違いや特徴を理解し、自分にあった医療保険を選ぶことが大切です。