全国共済お役立ちコラム

地震保険とは?知っておきたい地震保険の基礎知識!

2022-10-1

地震保険とは、通常の火災保険では補償されない地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出による損害を補償する保険です。つまり、地震を原因とする火災は基本的には地震保険でしか補償されません。火災保険の補償の1つとして「地震火災費用保険金」というものはありますが、保険金の支払いに条件があり、補償金額も心許ないという現実があります。地震はいつどこで発生するかの予測が非常に困難な災害である上、地震が発生したときの被害は広範囲にわたり、その被害額も甚大なものになることが容易に想像できます。
ですから、地震保険は、地震保険法に基づいて、「国と保険会社が共同で運営している制度」なのです。

地震保険の契約方法

単独では契約できず、必ず住宅用の火災保険に付帯して契約しなければなりません。すでに契約している火災保険に中途から加入することもできます。
なお、法人の場合は、地震等による損害に備えて、火災保険等に地震危険担保特約を付加するなどして対応する必要があります。

地震保険の保険期間は?

短期、1年または長期(2年~5年)で、1年ごとに更新するか、主契約の火災保険の保険期間に合わせることもできます。最長で5年となります。中途契約の場合は火災保険の次回更新時期までになります。

地震保険の保険料とは?

地震保険の保険料率は、損害保険料率算出機構が算出し、基準料率として位置づけられており、各損害保険会社は、この基準料率を使って保険料を算出するため保険会社間で保険料が異なることはありません。
なお、地震保険の基準料率は、建物構造・都道府県別の基本料率に、割引が適用される場合は、以下のような割引率(4種類)のいずれかを適用します。このとき、重複適用は不可となります。

・免震建築物割引 品確法に基づく免震建築物である場合:(割引率:50%)
・耐震等級割引 品確法または「耐震診断による耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)の評価指針」に定められた耐震等級を有している場合:(割引率:耐震等級3⇒50%/耐震等級2⇒30%/耐震等級1⇒10%)
・耐震診断割引 耐震診断または耐震改修の結果、改正建築基準法における耐震基準を満たす場合:(割引率:10%)
・建築年割引 昭和56年6月1日以降に新築された建物である場合:(割引率:10%)

そもそも地震保険は必要なの?

「地震大国・日本」とよく言われます。
2016年(平成28年)4月14日、16日に、それまで大地震とは無縁だと思われていた熊本県熊本地方で最大震度7の巨大地震(それぞれM6.5、M7.3)が発生したことは記憶に新しいと思います。その5年前の2011年(平成23年)3月11日には東日本大震災も発生しました。
大変残念なことですが、日本に住んでいる以上、被害の多寡はともかく、地震により被害を受ける可能性はゼロにはなりません。
したがって地震保険は必要ですし、加入しておいた方が良いでしょう。
特に、家を新築したばかりの人や住宅ローンがまだだいぶ残っている人は、地震保険にも加入しておくことをお勧めします。

地震保険の対象物件とは

住宅用の建物(専用住宅、店舗併用住宅)と家財(生活用動産)に限定されています。住宅用の予定であれば建築中でも付帯は可能で、門、へい、物置・車庫などの付属建物も含まれます。ただし、工場、事務所専用の建物など住居として使用されない建物、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属や宝石・美術品・通貨、有価証券、印紙、切手、自動車などは含まれません。なお、家財の盗難による損害も補償されません。

❖地震保険にまつわる注意点

あくまでも地震保険は、再建費用等の補填という位置付けで、実際の損害を補償する火災保険など他の損害保険とは違って、前述の地震保険法(第一条)にあるとおり“被災した人々の生活の安定に貢献する”ことを目的にできた制度です。建物を建て直すための費用を補償する保険ではないという点に注意が必要です。
そのため保険金額は、火災保険で設定した金額の30~50%でしか設定することができません。また、保険金額の上限も建物5,000万円、家財1,000万円と決まっています。実際に受け取れる保険金の額は、損害の程度によって決まります。

❖こんな場合は補償の対象外に

工場、事務所など、住居として使用されない建物は地震保険の対象外になっています(店舗併用住宅、事務所併用住宅等は可能)。 また、有価証券(小切手、株券、商品券等)・預貯金証書の他、1個または1組の価額が30万円を超える貴金属・宝石・骨とう、自動車、印紙、切手等も地震保険の対象外です。 ですから、自家用車が地震を原因とした火災で燃えた場合、地震保険では補償対象外ですし、自動車保険(車両保険)でも基本的には補償の対象外になっています。 また、マンションのケースで、地震で水道管が破裂し階下に被害を与えた場合など、地震が原因で他人に損害を与えた場合でも火災保険や地震保険の補償の対象外となります。

地震保険の割引制度とは

地震保険の保険料は、地域や建物の構造(火に強いかどうか)によって異なります。都内の耐火構造の住宅で、保険金額1,000万円あたりおよそ22,500円(年額)になります。 保険料は決して安くありませんが、地震保険には割引制度も存在します。
免震建築物割引、耐震等級割引、耐震診断割引、建築年割引の各種割引制度があり、それぞれの条件を満たすことで割引を受けることができます。また、条件によっては最大で50%割引を受けられます。 そのほか割引とは異なりますが、地震保険は地震保険料控除といって、地震保険料の一定額を課税所得から控除することができる制度があります。

まとめ

地震保険は政府と損害保険会社が共同で運営する保険であるため、保険会社によって条件が変わるということはありません。地震保険の必要性を感じながら保険料の支払いが負担に感じるのであれば、一緒に付けている火災保険の方で補償の見直し等を行うことで負担を軽減することができます。