全国共済お役立ちコラム

地震保険は何が補償されるの?適用範囲はどこまで?

2022-10-3

地震保険へ加入していても実際に受けた被害が適用されるのか不安ですよね。どの程度適用されて保険金はいくらなのか気になることはたくさんあるかと思います。
地震保険の対象となるのは居住用の建物と居住用建物に収容されている家財⼀式です。
対象となる建物や家財に地震・噴火・津波による損害が発生した場合に損害の程度に応じた保険金が支払われます。 なお、一部損に満たない場合や避難生活中を狙った盗難、自動車やバイクの損害などは対象とならないのでご注意ください。そこで今回は、地震保険が適用される範囲と適用外の具体例から紹介していきますので、ぜひご覧ください。

地震保険が適用される補償範囲を確認

地震保険が適用される損害は大きく4つあります。
まず、地震、噴火または津波を原因とする火災、損壊、埋没または流失による損害
次に、地震等を原因とする地すべりなどの災害による急迫した危険が生じたため、居住不能のものとなった損害。
さらに、木造建物、共同住宅を除く鉄骨造建物が地震等を原因とする地盤液状化により受けた損害。
最後は、地震等を原因とする浸水による損害です。
以上の損害により、何がどの程度損害を受けたときにどれくらい補償されるかを以下に解説します。

|地震保険が適用する範囲と被害例
地震保険が適用されるのは住居用建物と家財の損害であり、損害程度はそれぞれ
全損、大半損、小半損、一部損の4区分で認定されます。

具体的損害について、地震保険が適用になるかどうかを見てみましょう。

(例1)食器が棚から飛び出し割れた
家財は食器陶器類、電機器具類、家具類、身回品その他、衣類寝具類の5つに分類され、それぞれ構成割合が決めらています。
衣類寝具類の場合、ほとんどが損害していれば家財全体の30%が損害したとみなれますが、食器陶器類はすべてが損傷していても家財全体の5%の損害としかみなされません。
したがって、食器類だけが損傷したのであれば、一部損にも該当しないことになります。

(例2)屋根が半分以上損害してしまった
建物は主要構造部ごとに構成割合が決めらえており、屋根は木造2階建ての場合、半分以上が損害したとき建物全体の損害割合は5%と見なされます。
したがって、一部損として保険金の5%が支払われます。

(例3)家は壊れたところがないが、傾いてしまった
地盤の液状化により建物が傾いたり地盤沈下したときは、その程度によって損害が認定されます。建物の傾きが1.7/100(約1°)を超えるか、地盤沈下が30㎝を超えた場合、全損と認定されます。また、建物の傾きが0.4/100(約0.2°)を超え、 0.9/100(約0.5°)以下の場合か地盤沈下が10㎝を超え、15㎝以下の場合 、一部損と認定されます。
したがって、一部損未満の傾きや地盤沈下の場合は、地震保険は適用になりません。

|適用期間は3年!地震保険が適用されないケース
ここでは地震保険が適用されないケースについて解説します。

保険金が支払われない場合
 故意、重大な過失または法令違反
 地震の際の紛失または盗難
 戦争、内乱、その他これらに類似の暴動
 核燃料物質などの特性による事故
 地震等が発生した日の翌日から10日を経過した後に生じた損害

家財に含まれないもの
次のものは家財に含まれず地震保険は適用されません。
 一個又は一組の価額が三十万円を超える貴金属類、書画、骨董、美術工芸品、べっこう製品など
 稿本、設計書、図案、証書、帳簿その他これらに類する物
 通貨、有価証券、預金証書、貯金証書、印紙、切手その他これらに類 する物
 自動車

請求権の時効
なお、地震保険の請求権の時効は3年ですので、地震が起きてから3年を過ぎると保険金の請求ができなくなります。時間が過ぎると損害程度を立証することも難しくなりますので、時効を待たずに早めに請求することをお勧めします。

地震による被害を確認したら保険会社へ報告をしよう

地震により建物や家財が被害を受けたら、まず保険会社へ連絡しましょう。
建物は主要構造部が時価で3%以上、家財は時価で10%以上が損害を受けないと保険金は支払われませんが、素人が評価できるものではありませんのでとりあえず連絡しておくのが無難です。

|保険金請求から受け取りまでの手続きの手順
保険金請求から受け取りまでの手順は次のようになります。

 保険会社へ連絡し、調査日時を決める
 保険会社からの損害調査員または損害保険鑑定人による調査
 保険会社から正式な損害認定と保険金の請求書が送られてくる
 請求書に必要事項を記入し、必要書類を添付して送付
 後日所定の口座に保険金が振り込まれる

調査に来るまでに日数がかかる場合は、片付けが必要になる場合もありますので、被害状況や被害個所を記録に残したり写真を撮ったりしておくことをお勧めします。
調査が終わったときに調査員に損害の程度を聞いておけば、どのくらいの保険金が支払われるか予想ができます。

被害が大きい地域の場合は保険金が早急に支払われる
地震保険の保険金は支払い申請後原則30日以内に支払われるようになっています。
しかし、大規模震災の場合は損害調査に時間がかかるため、30日を超すことはあり得ます。

加入先の保険会社が分からない場合
被災したときには保険証書も持ち出せず、どこに連絡して良いかも分からないときもあると思います。そんなときには、一般社団法人日本損害保険協会の「自然災害等損保契約照会センター」(電話番号:0120-501331)に連絡すれば教えてくれます。
上記電話番号を避難グッズの中に入れておけば、万が一のとき助かりますね。

まとめ

地震保険が適用される範囲について解説しましたが、いかがでしたか。
この記事のポイントは、適用となる損害は、地震、噴火、津波による火災、損壊、埋没、流失の損害で、適用の範囲は、住居用建物と家財です。そして損害程度は4区分され、区分に応じて保険金が支払われるが地震のときでも地震保険が適用されない場合があるので、被害を受けたときにはまず保険会社に連絡するということでした。
地震保険が適用される範囲や被害の程度は、私たちが思っているものとは違っている場合があります。地震保険についての正しい認識を持ち、万が一のときに備えましょう。