全国共済お役立ちコラム

震災は非日常ではない?備えて安心地震保険の話

2022-10-7

地震はいつどこで起こるかわかりません。そんな地震や噴火、これらによる津波に対して、経済的に備えるのが地震保険です。ここ数カ月、関東で小規模な地震が群発するなど、日本は今もなお揺れ続けています。そうした中、着実に高まっているのが災害対策への意識です。地震発生後の暮らしを支える「地震保険」への加入も、万が一の備えとして押さえておくべきポイントでしょう。今回は、被災後の当面の生活を支えてくれる地震保険の内容について、わかりやすく解説していきたいと思います。

地震保険は、生活再建の支え

大地震に遭って、住まいを失うかもしれない。そんなときの生活再建の助けになるのが、「地震保険」です。火災保険と併せて契約する損害保険の一種で、地震による直接的な住宅の損壊はもちろん、地震による火災や津波などで住宅や家財が受けた被害も補償するものです。

|地震保険とは
地震による住宅などの損害を官民共同で補償し、被災後の生活再建を支える保険です。
日本では、いつどこで地震が発生してもおかしくありません。もし、自分が暮らす地域で大地震が発生し、家を失ってしまったら…。そんなときに役立つのが「地震保険」です。地震保険は、「地震・噴火・津波を原因とする、火災・損壊・埋没・流失による損害を補償する保険」です。地震保険の保険金だけで必ずしも元通りに再建できるわけではありませんが、被災後の生活再建を支える役目を果たします。
「地震保険」は、1964年に発生した新潟地震を機に、地震による被災者の生活安定に寄与することを目的として、1966年に創設されました。
それまでも災害を補償する保険としては「火災保険」がありましたが、火災保険では、地震や噴火、津波による火災や損壊などは対象となっていませんでした。大地震が発生したときには多額の保険金の支払いが発生するため、民間の損害保険会社だけでそれを引き受けることは困難なためです。そこで、民間の損害保険会社の負担を超えるリスクを、再保険によって政府が分担して引き受ける「官民共同の保険」として、地震保険制度がつくられたのです

|保険金は、どんなときに支払われるの?
地震や噴火、これらに伴う津波などで住宅や家財が損害を受けたときに支払われます。
保険金が支払われない主な場合は以下のとおりです。
 地震などの発生日の翌日から起算して10日経過後に生じた損害
 地震などの際に、保険の対象の紛失または盗難によって生じた損害
 故意もしくは重大な過失または法令違反による損害
 戦争、内乱などによる損害

|支払われる保険金は?
支払われる保険金は、建物や家財の損害の状況によって異なります。大地震が発生すると、広域にわたって大きな損害が一斉に発生することが予想されますが、保険金をできるだけ早く、公正に支払えるようにするため、損害の状況を4つに区分しています。損害の程度は、各保険会社が判断します。

▶近年の補償の活用事例
 東日本大震災(2011年3月)
津波による被害をはじめとした、甚大な被害が発生しました。こうした中で、2020年3月末までに、約82万件、約1兆2,862億円の保険金が契約者に支払われました。この震災では、支払う件数や金額が膨大だったにもかかわらず、地震発生から約3か月で9割を超える事案の対応が完了し、約55万件、1兆円を超える保険金の支払いが行われており、被災者の生活の再建や安定に役立てられました。

 熊本地震(2016年4月)
家屋の倒壊による被害が多く発生しました。2020年3月末までに、約21万件、約3,883億円の保険金が支払われました。

 2018年に発生した地震
2018年6月18日に発生した大阪府北部を震源とする地震においては、2020年3月末までに約15万件、約1,162億円の保険金が支払われました
2018年9月6日に発生した北海道胆振東部地震においては、2020年3月末までに約7万件、約494億円の保険金が支払われました。

地震保険に加入するには?

損害保険会社の火災保険とセットで加入。保険料の割引を受けられる場合があるほか、所得控除を受けられます。地震保険は単独で加入することはできず、火災保険とセットで加入することになっています。火災保険に加入する際に、地震保険を外すという希望を出さない限り、自動的に火災保険に付帯されます。
もし、火災保険に加入しているが、地震保険は外したかもしれないなど、記憶があいまいな方は、契約内容を確認しておくことをお奨めします。
また、火災保険を申し込んだ際に地震保険に加入しなかった場合には、途中から地震保険を加えることができますので、加入することをご検討ください。
地震保険の補償プランは一律で、全て同じ補償内容となっています。同じ補償額であれば、損害保険会社によって保険料に違いが出るようなことはありません。
保険期間は、短期・1年・長期(2年~5年)のいずれかを選択することができます。

▶保険の対象は?
地震保険の対象は建物と家財で、それぞれに加入する必要があります。なお、契約金額には建物、家財でそれぞれ上限が設けられています。

▶保険料は?
地震保険の保険料は、お住まいの地域(都道府県)や建物の構造によって決まります。2021年1月から保険料が改定されました。

▶保険料の割引制度
保険料には、建物の免震・耐震性能に応じた割引制度もあります。地震保険の対象となる住宅が一定の要件を満たしていれば、保険料を安くすることもできます。

地震保険料の所得控除は?

地震保険料の一定額が控除され、税制上のメリットが受けられる「地震保険料控除」があります。
 所得税:地震保険料の全額(最高50,000円)
 個人住民税:地震保険料の2分の1(最高25,000円)

まとめ

いかがでしたか。東日本大震災や熊本地震、直近では2022年3月16日に発生した福島県沖地震など、ここ10年前後で大きな被害をもたらした地震が全国各地で発生しております。
これに伴い地震保険も注目されていますが、分かりにくい部分も多くありますよね。
今回の記事で、少しでも地震保険についての理解を深めていただければ幸いです。