全国共済お役立ちコラム

手術給付金の基礎知識を知っておきましょう

2022-4-2

「手術給付金」とは、病気やケガで所定の手術を受けた場合の保障です。手術給付金が給付される内容は、保険会社の約款に定める手術や公的医療保険対象の手術などがあります。
病気やケガで手術を受けることになった時に、手術給付金を受け取ることができるのかやいくらもらえるのかなど気になるところでしょう。
しかし、全ての手術が保障されているわけではなく、各保険会社の保険商品によりさまざまな違いがあります。ここでは、手術給付金の仕組みや対象となる手術など、基礎知識をお伝えします。保険商品を選ぶポイントの1つとして、ぜひ参考にしていただければと思います。

そもそも手術給付金とは?

手術給付金とは、医療保険に加入している方が、病気やケガが原因で所定の手術を受けた場合に支払われるお金のことです。
手術給付金は、支払対象となる手術を受けるごとに何度でも支払われますが、保険会社によっては、施術の開始日から60日に1回の支払いを限度に設定している場合があるため、保障内容についてしっかり確認することが重要です。
また、同じ日に複数の手術を受けた場合、それらの手術のうち給付支払額が高い手術についてのみ給付金が支払われるのが一般的です。
入院給付金は入院していることが前提条件ですが、手術給付金は入院のない外来手術であっても給付金を受け取ることができます。保険会社によって異なりますが、多くの保険会社では入院を伴う手術と外来手術とで、別々の給付条件を設定して給付を認めています。

|手術給付の対象となる手術
手術給付金は、どんな手術でも保障してくれるわけではありません。給付対象になる手術とならない手術がありますので、注意が必要です。
手術給付金の対象となる手術とはどんな手術なのかを知っておきましょう。
対象となる手術は、加入する医療保険によって2つのタイプに分かれます。

【公的医療保険に連動する約1,000種の手術】
公的医療保険制度の対象となる約1,000種の手術が給付対象となる医療保険です。現在の医療保険では、このタイプが主流です。
公的医療保険と連動するため、これまで対象外だった手術が新たに対象となる場合もあり、医療技術の進化に対応した形といえます。
【保険会社所定の88(89)種の手術】
保険会社の約款で定める88(89)種に分類された手術が対象となる医療保険です。88種ときくと1,000種と比べてとても少なく感じますが、これは対象となる手術等を大きく分類しているためで、手術の数として600種類前後はあり、一般的な手術はカバーされています。

|対象外となる手術
保険による責任開始前(保障が始まる前)に発生していた病気やケガを原因として責任開始後に行った手術は、原則として給付の対象外です。
また、公的医療保険対象の手術等であったとしても給付金の対象とならない場合があります。
会社によっては、以下の手術などを対象外としてることがあります。また、支払回数に制限がある手術もあるため、約款の内容を必ずご確認ください。
■対象外の例
(1)治療目的ではない手術
a)レーシックなどの視力回復を目的とした手術
b)美容整形上の手術
(2)正常分娩にともなう手術
(3)先進医療に含まれる手術

手術給付金っていくらぐらいもらえるの?
手術給付金が実際にいくら受け取れるかどうかは、加入する医療保険によって、大きく2つのパターンに分かれます。

【金額が一律で決まっている】
給付対象となる手術の内容にかかわらず、手術1回につき〇円や、入院日額の〇倍といったように、一律で金額や給付倍率が決まっているパターンです。
この場合、多くの保険会社で、入院を伴う手術と外来手術とで異なる金額または倍率を設定しています。
【手術によって倍率が決まる】
対象となる手術の内容によって給付倍率が異なるパターンもあります。このパターンは、保険会社の約款に定める手術を対象とする医療保険に多く、入院給付金日額に手術の種類に応じた給付倍率を乗じた手術給付金が受け取れます。
比較的軽度な手術は倍率が低く、重大手術ほど倍率が高くなっています。対象となる手術内容や給付倍率は、保険会社によって異なります。

医療保険に加入する際に見る手術給付金のポイント

医療保険への加入を検討する際に、手術給付金について確認すべき4つのポイントをご紹介します。保険選びの参考にしてください。

|手術給付金の給付倍率
手術の保障を手厚くしたい方は、手術給付金の給付倍率が高い医療保険を選択しましょう。
保険商品によっては、入院を伴う手術だけでなく、外来手術を手厚くすることも可能です。また、重大手術の保障を手厚くすることもできます。
ただし、手術給付金を手厚くすると、保険料も上がります。保障と保険料のバランスを意識して検討するようにしましょう。

|手術給付金の給付条件
手術給付金は対象となる手術であれば、何度でも給付が受けられます。しかし、保険会社によっては以下のような条件が設定されている場合もあります。
・施術開始日から60日に1回を限度とする
・1日に複数回の手術を受けた場合は、1回分のみ給付する
・放射線治療は60日に1回を限度とする
なかなか目につきにくいポイントですので、気になる場合は保険会社にしっかりと確認しましょう。

|女性疾病やがんの備え
女性特有の疾病や、男女問わず罹患リスクの高いがんの保障を重視したい場合などは、特約によって保障を手厚くすることも可能です。
治療期間が長引いたり、治療費やその他の費用が高額になったりしやすい疾病に対して給付金が上乗せできるかどうかも保険選びのポイントです。

|先進医療への備え
ほとんどの保険会社で付加することのできる先進医療特約は付加することがおすすめです。
先進医療とは、厚生労働大臣が承認した高い医療技術のことで、その技術料は公的医療保険の対象とならないため全額自己負担となり、高額となる場合がある治療です。
先進医療特約は、保険会社によって上限金額は異なりますが、かかった技術料を保障してくれます。医療技術が進化する中、選択肢の幅を広げ、自分に合った治療方法を選ぶことも重要です。経済的な理由により手術が受けられないということがないよう、先進医療の保障はカバーしておきましょう。

まとめ

医療保険の保障の1つである手術給付金は、約款に定められている手術のみが支払の対象となり、公的医療保険に連動している約1,000種か、保険会社が指定している88(89)種のどちらかとなります。治療を目的としない美容整形や視力矯正手術、正常分娩による手術は対象外になるため注意しましょう。
給付される金額や倍率、給付条件については保険会社によって異なります。加入時にしっかりと確認し、十分に納得した上で加入するようにしましょう。