全国共済お役立ちコラム

入院や手術への備えについて考えてみましょう

2019年1月5

もしも、ご自身が大きな病気やケガをしてしまったら、どういった状況が思い浮かびますか?仕事は続けられるだろうか?家事や育児は誰がどのように担っていくのか?など、不安に感じられることが多く、生活に与える影響は小さくはなさそうです。
その中でも考えておきたいのが「金銭的」な影響です。治療費や入院費用などによる支出の増加や、仕事ができなくなることによる収入の減少などにより、家計がダメージを受ける可能性があります。医療費に備えるための医療保険を考える上で、前提となる公的医療保険制度の仕組みや、医療費の実情をご紹介します。

医療費はどれくらいかかるか知る

具体的に医療費はどの程度かかるのでしょうか?
入院日数は平均16.2日です。また、自己負担費用は平均約20.8万円で、その費用には治療費や食事代、ベッド代や日用品費などが含まれています。
公的医療制度が適用されない「先進医療」を受ける場合、治療費は全額自己負担となり治療費がかさむケースが考えられます
もし万が一病気やケガに直面した時、「幅広い治療の選択肢を持ちたい」と考えるのであれば、公的医療制度の適用外の治療も選択肢に入る可能性があります。その場合は自己負担が大きくなる可能性も考慮する必要がありそうです。

医療保険は「定期」「終身」の大きく2タイプ

各保険会社が取り扱う医療保険は様々な種類があり、最新の医療実態に合わせて商品のリニューアルが行われることもあります。
その種類の多さや商品の移り変わりの速さから、どのように医療保険を選ぶべきか?今入っている医療保険は見直しするべきか?など頭を悩ませる方は少なくありません。
ただし、医療保険は保障期間の観点で見ると「定期医療保険」と「終身医療保険」の2つのタイプに分けられます。まずは、ご自身にとって保障がいつまで必要かを考えてみましょう。

①定期医療保険
5年や10年などと期間を決めて保障するタイプ。決めた期間中は、保険料が変動しませんが、保険期間終了後に再度同じ保障を更新しようとすると保険料は上がります(一般的に契約年齢が上がるほど保険料は高くなるため)。
②終身医療保険
一生涯保障するタイプで、保険料も一生涯変わらないのが一般的なため長寿化に対応している商品と言えます。保険料の払い方は一括払や短期払(60歳や65歳までと期間を決めて支払いその後の支払いはなし)、終身払(一生涯に渡り保険料を支払う)などの中から選択できます。

よく「定期医療保険と終身医療保険はどちらが良いか?」といった議論がありますが、いつまで病気やけがに対する金銭的なカバーしたいのかなど、自分の考えに適しているものを選ぶのが第一優先でしょう。特に医療保障においては、保障をいつまで確保するかだけではなく、以下の観点でも定期・終身のどちらが良いのかを検討してください。

|選ぶポイント
①現在の保険料と一生涯で支払う保険料
定期医療保険の方が、終身医療保険に比べて安いのが一般的です。
ただし定期保険の場合は、年齢を重ねるにつれて病気・けがになるリスクが高くなるため、更新するごとに保険料も高くなります。そのため、一生涯で支払う保険料の総額という点では終身医療保険の方が安くなる可能性があります。さらに、終身医療保険でも保険料の払込期間によっては、支払う保険料は異なりますので、総額も比較すると良いでしょう。

②新しい保険への乗り換えやすさ
医療保険は、医療技術の向上や新しい疾病に対応するニーズの発生などに合わせて新しい商品が発売されます。医療の変化に合わせて保険を見直したい方には定期医療保険がおすすめです。

③健康状態
定期保険の場合、保険期間が終了して再度保険に加入しようとすると、同じ保険会社であっても再加入の際は健康告知を求められることがあります。年齢を重ねていくと生活習慣病や慢性疾患などにより保険に加入できなくなる可能性があります。
終身保険であれば一度加入できれば一生涯保障が継続しますので、健康状態により将来保険に加入できなくなるリスクを考慮する必要がありません。また、自動で更新される定期保険の場合も、保険ごとに定められた更新可能期間中は同様に保障が継続します。

入院日額や手術給付金を「いくら」備える?

医療保険は「入院日額給付金」と「手術給付金」が保険の主契約になっているのが一般的です。
もし医療費が高額になったとしても、高額療養費制度が活用できれば自己負担額は約9万円程度に抑えることができ、入院日数の16.2日(一般病床)で割ると1日あたりの治療費の平均額は約5,600円です。
医療保険の主な目的を、治療費のカバーとするなら、日額5,000円プランを、さらに収入の減少分や、差額ベッド代などの諸費用分までをカバーしたい場合には、日額1万円プランを選択するのが良さそうです。
さらに1000円単位で保障金額が選べる保険会社もありますし、短期入金給付金(日帰り入院であっても5日分や10日分の入院日額給付金をまとめて給付するなど)が保障される場合もありますので、ご自身の考えに合った入院給付金を設定しましょう。

支払い限度日数についてもチェックが必要です。以前は一度の治療で長期間入院して治療を受けるのが一般的でした。しかし最近は入院日数が短くなってきており、給付される1回の入院で保障される日数の上限を30日・60日・120日などと短くされる方が増えてきているようです。保険料が上がりますが、360日など長期間を保障するタイプもあります。

手術給付金については、手術の種類を問わず一律10万円、など定額で保障するタイプと、手術の種類により5〜20万円、などと保障金額が異なるタイプの大きく2種類に分けられます。以前はどんな手術のときに保険が使えるのかわかりにくい商品もありましたが、最近は保障の対象となる手術を、原則公的医療保険と連動させている医療保険が一般的です。

先進医療特約や女性疾病特約などの「特約」を知る

保障の期間と金額が決まったら、特約を検討しましょう。代表的な特約の内容と検討するポイントは以下の通りです。
①先進医療特約
厚生労働省が認める先進医療を受ける場合、その治療費の実費を保障する特約です。
例えば子宮筋腫の治療のひとつである「高周波切除器を用いた子宮腺筋症核出術」は平均約30万円 、がん治療の一つ「陽子線治療」は約270万円であり、公的医療保険の対象外で全額自己負担となりますが、先進医療特約でカバーできます。
② 女性疾病特約
女性特有の疾患や、妊娠・分娩に関わる入院・手術を保障する特約です。例えば乳がんや子宮がん、子宮内膜症や子宮筋腫などで入院する場合、主契約となる入院日額給付金に上乗せして給付金が支払われるのが一般的です。さらに切迫早産や帝王切開などでも保障の対象となります。
③ 生活習慣病に関する特約
一般的には三大疾病や七大生活習慣病による入院を保障します。
主契約の入院日額保障に上乗せして給付金が支払われるタイプや、一時金として給付金が支払われるタイプがあります。

特約を付加すると保障は手厚くなりますが、その分、保険料が高くなるのも事実です。どこまで保険でカバーするかを見極めて、ご自身で納得できる医療保険を選びましょう。