全国共済お役立ちコラム

手術で入院する時によく聞く「差額ベッド代金」とは?費用や保険適用について徹底解説!

2023-2-5

手術費や入院費と言われると真っ先に思いつくのが治療費だと思います。しかし実際には、治療費の他にも食事代や家族の交通費、そして差額ベッド代金などが別途かかります。手術となった場合には入院が延び、その分場合によっては差額ベッド代金もかかります。
この差額ベッド代金。費用や条件など意外とイメージがわかないですよね。
今回は、「差額ベッド代金とは何なのか」「どのくらいの費用がかかるのか」「保険は適用されるのか」などといった差額ベッド代金の仕組みについて解説していきます。

手術や入院に必要な「差額ベッド代金」とは?どんな基準がある?

差額ベッド代金は、必ずしも全員が必要というわけではありません。では具体的にどのような仕組みなのでしょうか?以下にまとめてみました。

差額ベッド代金とは
差額ベッド代金とは、正式名称は「特別療養環境室料」と言います。
基本的には1人~4人部屋の個室もしくは少人数部屋を希望した場合にかかる費用となっています。

差額ベッド代金を支払う条件
条件としては「自分が希望して入室していること」です。あくまで自分の希望ということで、差額ベッド代金が発生するというわけですね。
同意書への署名を行なった時点で「本人が希望している」として捉えられる場合もあるので、記入を求められた場合には詳細を確認してみるとよいでしょう。

差額ベッド代金の基準
・1つの病室が4床以下であること
・1人あたり6.4㎡以上の面積を有すること
・プライバシーを各ベッド確保する設備を整えていること
・個人用の私物収納の設備、照明、机やイスの設備が整っていること

差額ベッド代金はいくらくらいの費用がかかるの?

個室や少人数部屋の利用となるとやはり差額ベッド代金は高額になるのでは?と感じますよね。
実際にはどのくらいの費用がかかるのでしょう。1日当たりの差額ベッド代金の平均をまとめてみました。

1日当たりの差額ベッド代金の平均
・1人部屋の場合:7,097円
・2人部屋の場合:3,099円
・3人部屋の場合:2,853円
・4人部屋の場合:2,514円
・1人部屋~4人部屋すべての平均:6,258円
※厚生労働省令和元年9月「第422回中央社会保険医療協議会・主な選定療養に係る報告状況」

このように、1部屋の人数が少なくなるほど費用は高額になります。
手術後の入院で1週間個室を利用するとなると、差額ベッド代金のみで平均して約50,000円を支払うこととなります。
高額だと感じる方も多いかもしれませんが、意外と個室や少人数部屋を希望して差額ベッド代金を支払う人が多いものです。
みなさんやはり手術で入院日数が長いぶん、プライバシーを大切にしながらしっかり療養したいという気持ちがあるのでしょうね。

手術で入院した場合、差額ベッド代金は保険で適用される?

手術が必要になれば入院期間も長くなるもの。この場合、個室や少人数部屋を希望して差額ベッド代金を支払うことになると高額になることが予想されます。その時に保険は適用されるのでしょうか?

公的な健康医療保険制度の場合
日本は公的な健康医療保険が充実しており、医療費における自己負担は1~3割となっています。
しかし、これはあくまで医療費の実です。差額ベッド代金は医療費には含まれないため、全額自己負担になります
また、高度療養費制度や医療費控除などにも適用されないので注意が必要です。
一部例外としては、大部屋に空きがないなどの病院側の都合による場合には適用される場合もあります。

民間医療保険の場合
民間医療保険の場合、差額ベッド代金を給付してくれる保険があります。
「実費保障型」といった保険です。差額ベッド代金以外にも入院や手術に必要な生活用品にも適用されます。
デメリットがあるとしたら、ほかの保険商品よりも高額であるということです。また、入院に特化した保険商品なので、保障内容の幅が狭いと感じてしまう人もいるかもしれません。
このほかの民間保険の商品の場合には、多くは医療費のみの保障となっていることが多いのが現状です。それでも民間医療保険に加入していることで、入院や手術の治療費用は保障されています。そのお金で自己負担額の一部をカバーすることはできるでしょう。

個室や少人数部屋に入院しても差額ベッド代金が発生しない場合もある!

「知らないうちに差額ベッド代金を支払うことになっていた!」「希望はしていないけどやむをえず個室や少人数部屋になっちゃった!」という場合、差額ベッド代金は本当に支払う必要はあるのでしょうか?

治療上やむをえず特別療養環境室に入る場合
手術を行なった場合、手術直後などには本人の希望関係なく特別療養環境室に入ることがあります。ほかにも、急患の場合もよくあるケースです。
・重症状で安静が必要
・常に監視が必要な状態
・感染症のリスクが大きい患者の場合

これらの場合には人と接する大部屋の利用は不適当とみなされます。
上記のような理由で個室を利用することになっても、差額ベッド代金が請求されることはありません。
しかし、状況によっては病院側から治療上の理由から個室もしくは少人数部屋の入室となった場合にも差額ベッド代金を支払うこともあるので確認しておきましょう

感染症など強いウィルスに罹っている場合
感染力の高いウィルス感染を起こした患者は病棟管理が必要なため、個室で隔離しなくてはなりません。このような場合にも差額ベッド代金は支払う必要はありません。

まとめ:差額ベッド代金は費用がかかるが民間保険の利用ができる

手術や入院となると、病院側から「特別療養環境室料」利用希望の有無に伴い「差額ベッド代金」について話があると思います。
個室や少人数部屋を希望すれば費用もかかります。しかし、療養のために落ち着いた環境で過ごしたいと考える人も少なくありません。
差額ベッド代金は民間医療保険の加入で補うことも可能です。自身の生活費とのバランスを考えながら保険加入を検討してみるのも1つですね。
必ずしも差額ベッド代金が必要な特別療養環境室料の利用は必要ではありませんが、検討している方は今回の記事を参考にしてみてくださいね!