全国共済お役立ちコラム

「掛け捨て保険はもったいない」って本当?

2019-3-1

生命保険に加入する際、「掛け捨て保険」か「貯蓄型保険」のどちらにするかで迷うことがあるかと思います。貯蓄型保険の場合、払い込んだ保険料を解約返戻金や満期保険金として受け取ることができます。掛け捨て保険の場合、払い込んだ保険料が満期になっても戻ってこないケースがほとんどです。掛け捨て保険は、「保険料が戻ってこなくて損」と抵抗を感じる方々がいます。しかし、うまく活用すれば万一の事態に、とても『頼もしい存在』となります。この記事では、保険の種類や掛け捨ては本当にもったいないのか、保険の必要性などを解説していきます。

保険の種類

保険にはいろいろな種類があります。
「生命保険」「医療保険」「がん保険」「就業不能保険」の特徴を解説します。

▶生命保険
生命保険とは、各生命保険会社が販売する保険商品の総称ですが、一方で死亡保険のみを指す場合もあります。

死亡保険を指す場合は、「定期保険」と「終身保険」という大きく2つのタイプに分かれています。

定期保険:一定期間の被保険者の死亡・高度障害を保障する商品です。
ほとんど全ての商品が「掛け捨て型」と呼ばれ、保険料が1円も戻らないタイプの商品です。
終身保険:一生涯にわたり被保険者の死亡・高度障害を保障する商品です。
こちらのタイプは解約すれば解約返戻金という形で保険料が戻ります。

▶医療保険
医療保険とは、被保険者が病気やケガをした場合、その入院治療を金銭的にサポートする商品です。

こちらも、「定期タイプ」と「終身タイプ」という大きく2つのタイプに分かれています。

定期タイプ:一定期間の被保険者の病気やケガの治療を保障する商品であり、全ての商品が「掛け捨て」です。

終身タイプ:一生涯にわたり病気やケガの治療を保障する商品であり、こちらのタイプは終身払(一生涯保険料を払い続ける方法)を選ぶと掛け捨てとなります。

▶がん保険
がん保険とは、がん治療に関する金銭なサポートをする商品です。

こちらも、「定期タイプ」と「終身タイプ」という大きく2つのタイプに分かれています。

定期タイプ:一定期間の被保険者のがん治療を保障する商品であり、全ての商品が「掛け捨て」です。
終身タイプ:一生涯にわたりがん治療を保障する商品であり、こちらのタイプも終身払(一生涯保険料を払い続ける方法)を選ぶと掛け捨てとなります。

▶就業不能保険
就業不能保険とは、被保険者が病気やケガ、または精神疾患で働けなくなった場合に、保険金を分割または一時金で受け取る定期タイプの保険です。
働けなくなれば、いきなり保険金が受け取れるわけでは無く、「働けなくなった日から〇日以降」等の条件が付加されています。
こちらは、掛け捨て型の商品であり、年満了(例:10年・20年で満期)、歳満了(例:60年・65年で満期)というように、保険期間が定められています。

掛け捨ての保険は無駄ではない!

結論から述べると、掛け捨ての保険は無駄ではありません

保険料が掛け捨てになる代わりに月々の保険料の負担が抑えられるからです。保険料が安くても、保険に加入する目的はしっかりと果たせるため、無駄ではありません。
たとえば、貯蓄型の保険の保険料と掛け捨ての保険の保険料の差額を有意義に活用できた場合を考えると、掛け捨ての保険も無駄ではないですね。

|確かに保険満期や中途解約しても保険料は戻らない
掛け捨て型保険は、保険が満了したり中途解約したりしても、払い込んだ保険料は1円も戻りません。
そのため、結局保障が生かせないまま契約を終えてしまうこともあります。
保険期間中、病気やケガをしなかったことは幸いですが、やはりもったいないという感情を抱くのはやむをえません。

|柔軟に契約者のニーズへ対応できる
しかし、一旦ご自身が契約したら、ご自身のニーズが変容しないまま継続するのかといえば、そうとは言えません。
医療保険の場合は、20代の方なら病気は心配ないけどケガが心配、50・60代の方々ならケガは心配ないけど生活習慣病が怖いという方々は多いです。
このように、年齢を重ねると保障したい内容は変化していきます。
また、生命保険(定期保険)の場合は、20代で若く独身者のとき「万一の際の葬儀費用くらい備えておくか」と、200万円程度で契約していたものの、所帯を持つなどして「これだけでは残された家族が心配だ」と、更に多くの保険金を設定したいケースも出てくるはずです。

|ニーズやライフステージの変化に応じて保険見直しがしやすいのが掛け捨て型
掛け捨て型は、保険料が安く抑えられ、そもそも保険料は戻って来ないと割り切って契約しているため保険の見直しがしやすいです。
そのため、ご自身の変化したニーズに対応して、柔軟で迅速な見直しができる点が最大のメリットです。
ご自身の事情の変化に合わせつつ、効率的な活用が出来るのは、掛け捨て型保険の有用性の一つと言えます。

保険の必要性

民間の保険へ加入しなかったからと言って、公的な健康保険のように国民皆保険ではないので、役所に怒られるなどという事はありません。
民間の保険へ加入するか否かは自分次第です。
また、ご自身が給与所得者で、事業所の労災制度や福利厚生に関するサポートが十分なら、無理に加入しなくても構いません。

ただし、公的な健康保険は基本3割自己負担であり、患者側が払うべき医療費負担は存在しますまた、有料の病室の使用料は「差額ベッド代」と呼ばれ、公的な健康保険の保障対象外です。
つまり、自己負担で対応しなければならない部分は意外と多いと言う事になります。
また、自営業・自由業者は公的なサポートは国民健康保険しかないため、特に死亡保障を家族のためにしっかり備えておかないと、残された家族の万一の場合の生活保障は不十分な状態となります。
そのため、事前に万一の事態を想定し、民間の保険へ加入するべきなのです。

まとめ

一見、保険料が戻ってこないのは損をしているように感じますが、保険料負担が低いのが掛け捨て型保険の強みです。
この掛け捨て型保険をうまく利用すれば、効率的な備えが期待できます。
掛け捨ての保険がもったいなのではなく、上手く活用できない・必要性の低い保険に加入しているなどが、もったいない保険の掛け方と言えます。
保険の特性をしっかりと理解して、自身のニーズやライフスタイル・ライフステージをしっかりと把握して、効率的にリスクに備えるようにしましょう。