全国共済お役立ちコラム

共済は掛け捨てだから貯蓄型の保険より損するって本当?

2020-1-3

みなさん誤解されているようですが、掛け捨て部分のない保険や共済はありません。たとえば満期金付き保険の場合、保障部分と満期金部分の二本立てですが、死亡保険金を受け取ると満期金はなくなり、逆に満期金を受け取れば死亡保険金はもらえません。つまり、どちらかは掛け捨てになる仕組みになっています。
金利予測が困難な状況下、貯蓄と保障を分けて考える人が増えています。都道府県民共済は保障だけを行う制度です。営利を目的とせず、剰余金はご加入者にお戻しするので、単なる掛け捨てではないのです。

共済の掛け捨て保険について

2018年時点で共済事業全体の加入者は2,100万人と非常にポピュラーな保障選びの対象となってきました。加入条件の緩さや親切な料金設定から、共済への加入を考えている人も多いのではないでしょうか。
しかし、共済は掛け捨ての保障だから損をするといううわさを聞き、貯蓄型保険の契約を検討してはいませんか。保険や共済に入る以上、どうせなら少しでもお金が戻ってくる方がうれしいですよね。
・共済の掛け捨ては損なのか
・貯蓄型保険は掛け捨てではないのか
・共済と保険の違い
を紹介します。記事を最後まで読めば、ご自身の目的にあった保険選びができるようになりますので、最後までご覧ください。

【共済の掛け金は掛け捨てだから損は嘘!】
結論から言うと、共済が掛け捨てだからといって損をすることはありません。掛け捨てという言葉から、お金を払ったら戻ってこないと同じと思われがちですが、共済の掛け金は戻ってくる可能性があるのです。
また貯蓄型保険は「貯蓄」という言葉から保険料全てが貯蓄されているとイメージされますが、厳密には異なります。
共済は損をするという誤ったうわさについて、掛け捨ての観点からもう少し詳しく説明します。
【貯蓄型保険にも掛け捨て部分が必ず存在する】
生命保険や死亡保険などの保険料は、付加保険料と純保険料が混ざり合っています。
・付加保険料:保険会社の経費にあてられるお金
・純保険料:保険金を払うためのお金
一般的な保険料のイメージは後者の方が強いのではないでしょうか。貯蓄型保険に関しても、ふたつの保険料を毎月支払っていて、付加保険料は経費として掛け捨てているのです。
つまり、貯蓄型保険も掛け捨てる部分が必ず存在します。また保険料の決まり方を知ると、必ずしも共済より貯蓄型保険の方がお得にはならないことが理解できます。
保険料が決まる要素の一つが予定利率です。予定利率とは、保険料の資産運用で得られる利益率です。
受け取った保険料を国債や株式で運用し、利益を生みます。そのため、景気が良くないと予定利率が下がり、そのぶん保険料が高くなるのです。
貯蓄型にも掛け捨てる部分があること、世の中の経済状況によって保険料が高くなることを覚えておきましょう。

【共済には割戻金があるからただの掛け捨てにはならない】
共済には割戻金という制度があるため、一概に掛け捨て型の商品とは言えません。
毎月掛け捨てるお金を掛け金と言います。掛け金から実際の保障金と共済運営のための経費を差し引いた余剰金が割戻金です。
後述の理由もありますが、共済には生存保険金や満期の保険金が無いため、掛け捨てで余ったお金を割戻金という形で返金します。保障にお金がかかるとはいえ、全員が事故や病気に合うわけではないので、余剰金が生じるのです。
また全国生協連によると、2014年~2018年では掛け金に対して30%程度の割戻金が返金されているので、お金が余らないことはほとんどないといっていいでしょう。
具体的には、例年掛け金に対して50%~55%の割合で共済金が普及されています。共済はこの割合を見越して、掛け金総額の30%を割戻金に回せるように金額を設定しているのです。逆に言えば、万が一掛け金の80%が共済金になったとしても共済は破綻しないため、ある程度の安全も保障されています。

共済と保険の違いを明確に理解しておこう!

ここまで掛け捨て部分や割戻金についてお話ししました。しかし、なぜ共済は余剰金があるにも関わらず、自分たちの売り上げとせずに加入者へ返金するのでしょうか。
この疑問は保険会社との違いを明確にすれば解決します。
ここからは共済が保険と違う点を次の観点から説明します。

▶「事業の仕組みの違い」
まず保険会社とは事業形態が違います。保険会社が株主の利益のための事業なのに対し、共済には株主が存在しません。
では共済は何のための事業かというと、相互扶助のためです。相互扶助とはある組織の中の人間同士で互いに助け合う理念を言います。
だれが事故や病気にあうかわからないから協力してお金を出しあうという理念で事業を営んでいるのです。
基本的に組合員しか加入できないのもうなずけますね。

▶「共済をおすすめできる人」
共済への加入をおすすめできる人は以下のとおりです。
❖保障に回せるお金が少ない
❖小さい子どもがいる
❖現在の保険を補強したい
❖バランスよく保障をつけたい

掛け捨て金額は多くの保険より安く割戻金もあるため、家計が厳しい人に向いています。遊びや部活動などではケガをしやすいため、小学校や中学校に通う子どもがいる人にもおすすめです。また、保険の穴を埋める使い方もできます。現在契約している保険だけでは不安という人は、不安な部分をカバーするように共済へ加入してみてはいかがでしょうか。
通院や死亡時など、低コストでまんべんなく保障をつけておきたい人にもおすすめできます。

まとめ

いかがでしたか。共済や保険を選ぶときに重要なのが、目的意識です。
何のため・だれのための保障なのか、何を目的に加入するのかなどを整理したうえで保険選びをすると、自分にぴったりの保障に巡り合えます。掛け捨て型より貯蓄型保険のほうがおトクなのではありません。保険である限り、貯蓄型であっても掛け捨て部分が必ず存在します。そもそも、あなたが保険に入る目的は何ですか?
保障を得たいのではなく、お金を貯めたいということなら、保険ではなく預金など金融商品の検討をした方がいいでしょう。