掛け捨て型保険とは?貯蓄型との違いは何??

保険には、大きく分けて「掛け捨て型保険」と「貯蓄型保険」の2種類があり、それぞれ保険料や満期・解約返戻金の有無が異なります。それぞれ一長一短の特徴があり、一概にどちらが良いとは言い切れず、自分自身が「どういった事態に備えるために生命保険を検討しているのか」を明確にし、目的に合った保険を選ぶことが大切です。
掛け捨てとは、満期保険金がなく途中で解約しても解約払戻金がない(保険の)ことです。 掛け捨ての保険は、満期保険金などがある保険と比べて保険料が安く設定されているのが一般的です。今回は掛け捨て保険について詳しく解説していきます。
掛け捨て保険と貯蓄型保険
掛け捨て保険と貯蓄型保険についてさらに詳しくみてみましょう。
|掛け捨て保険とは
掛け捨て保険とは、支払った保険料が返って来ない保険商品で、保険期間を一定期間としている定期タイプのものと考えてよいでしょう。例えば保険期間20年の「定期保険」は、20年後に保険期間を満了すると保障はなくなり、保険料は戻りません。死亡保障の他にも、「医療保険」「がん保険」の定期タイプのものは、一般的に掛け捨て保険となります。
掛け捨て保険は、一定期間の保障だけを必要とするときに活用します。保険料は保障のみの費用となるため、保障金額を高く設定しても保険料は割安です。
|貯蓄型保険とは
貯蓄型保険とは、保障機能と貯蓄機能が合わさった保険商品で、保険期間は一生涯となる「終身」のものや一定期間のものもあります。
例えば、死亡保険の「終身保険」は必ず保険金の支払いが生じる商品ですので、保険会社は保険料の一部を積立てて運用します。終身保険の場合は、「60歳まで」など保険料払込期間が設定され、一般的にその時期を過ぎると、積立金が保険料払込合計額よりも時間が経過するにつれて増えていく仕組みとなっています。
目的から考える掛け捨て保険と貯蓄型保険の違い
掛け捨て保険と貯蓄型保険では、そもそも「何に備えるのか」が異なります。掛け捨て保険の目的は、リスクに備えるための保障で、貯蓄型保険の目的は、ライフイベントへの資金準備となります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
|目的から考える掛け捨て保険
掛け捨て保険の目的は、貯蓄では賄うことが難しい経済的なリスクを補うことです。代表的なものは、死亡リスクに対する備えです。同じ死亡保障でも貯蓄型保険の終身保険で定期保険と同等の保障を得るには保険料はとても高くなります。少ない保険料で必要な時期に大きな保障を得ることができる掛け捨て保険はとても合理的なのです。保険料の負担が少なければ、使い道が自由なお金も増えることになり嬉しいですね。
出費を抑えながら必要な保障をしっかりと得るためには、割安な保険料の掛け捨て保険を検討しましょう。
|目的から考える貯蓄型保険
貯蓄型保険の目的は、ライフイベントへの資金準備となります。
貯蓄型保険の中には、貯蓄目的が明確で、使う時期に合わせて保険期間が設定されている「学資保険」や「個人年金保険」があります。人生の中でも重要なライフイベントの資金準備を目的としています。貯蓄の目的が明確なので、保険に加入さえすれば保険期間が終わる頃に必要な資金が貯まるため、貯蓄を任せられるというメリットがあります。
掛け捨て型に加入すべきシチュエーション
保険はご自身のライフプランに合わせて選ぶことが重要です。掛け捨て型がおすすめのケースは、以下のとおりです。
❖20代や独身の方
20代や独身の方には掛け捨て型の医療保険がおすすめです。特に20代の若い時期は貯蓄が十分に準備できていない場合が多く、万が一入院するような時に入院費等を貯蓄でカバーできないことがあります。このようなケースにおいて、掛け捨て型の医療保険は、
①保険料が安いので、家計の負担が少ない
②たくさんの貯蓄がなくとも入院費を保障される
以上のようなメリットが挙げられます。
❖結婚・出産などで出費が多い方
結婚したばかりの方、出産を控えている方については、結婚・出産に伴う出費が多く、保険に回す資金があまりないと思われます。このようなケースもやはり掛け捨て型の生命保険が活躍するでしょう。特に、まだ妊娠していない女性やこれから出産する可能性のある女性には、女性疾病特約など女性特有の病気に係る保険に契約することをおすすめします。掛け捨て型には貯蓄機能はないため、十分な保障をつけておく必要があるものと思われます。
また、万が一(死亡・高度障害状態)の場合は遺族へある程度の生活保障をしなくてはいけません。そんな時は、多額の死亡保障を安く備えることができ、比較的安い定期保険、または収入保障保険となります。
❖定年退職で収入が少なくなる60歳以降の方
定年退職となると、年金が主な収入となり家計の負担を軽くする必要が生じてきます。老後資金が十分に確保できていない場合は、掛け捨て型の医療保障がおすすめです。
また、持病や入院歴などが原因により保険契約できないことがあるかもしれません。その場合は引受基準緩和型医療保険といったものがあり、持病や入院歴などがあっても契約できることがあります。この場合、掛け捨て型に比べ保険料は高くなりますが、貯蓄型に比べると安くなります。
❖掛け捨て型と貯蓄型、両方を組み合わせるべきケースとは?
特約などといった名称で主契約部分に別途保障が付いて、掛け捨て型と貯蓄型の両方を組み合わせていることがあります。例として、定期保険特約付終身保険というものがあります。これは、定期保険部分が掛け捨て型、終身保険(一生涯保障)部分が貯蓄型となります。
よって、終身保険部分は貯蓄型のため、保険料は高めですが安易に解約はせず、資金の必要性が生じた場合に部分的に解約するとよいでしょう。それに対して、定期保険部分は掛け捨て型のため、保障が不要になった際に解約することで、月々の支払い額を減らすことができます。
まとめ
いかがでしたか。掛け捨て型保険は、保険料が安いにも関わらず貯蓄型と同等の保障を得られることが最大のメリットと言えます。そのため保険料が高いと感じている方には、保障のみが得られる定期保険や医療保険などの掛け捨て型保険がおすすめです。
契約の際は、マイホーム・自動車の購入、子どもの入学などのご自身やご家族のライフイベントを考慮しながら、加入する目的を明確にした上で必要な保障や保険期間を決めるようにしましょう。