全国共済お役立ちコラム

あなたに最適な保険とは?生命保険選びに欠かせない「掛け捨て」について

生命保険を比較・検討していると、さまざまなところで「掛け捨て」という言葉を目にすることでしょう。その言葉の響きから、ぼんやりとした掛け捨てのイメージを持っている人は多いかもしれません。しかし、具体的な意味まで深く理解している人はそれほど多くないのでは?
今回は保険の基本を理解するうえで欠かせない、掛け捨ての意味について解説していきます。

そもそも「掛け捨て」とは?

実は、掛け捨てという言葉は正式な保険用語ではありません。あくまで、「保険の契約が満了を迎えたときや、契約を途中で解約した際に、掛け金として支払った保険料が払い戻されない状態」のことを指す言葉です。
生命保険の契約後は、将来的なリスクに備え保険料を支払っていきます。その保険料は一般的に「掛け金」と呼ばれ、定期的に積み立てたり支払ったりするお金のことを指します。

一方、生命保険には掛け捨てとは異なり、契約満了時や途中解約時に掛け金が払い戻されるタイプの商品もあります。こういったタイプの保険は「貯蓄型保険」などと言われます。

通常、掛け捨て型の保険は掛け金が戻ってこないため、まるで掛け金を捨てたような状態になることから掛け捨てと呼ばれているのです。

生命保険の「掛け捨て」の仕組みについて

実は、生命保険はどんな契約形態でも、基本的にはすべて掛け捨てになるということをご存知でしたでしょうか? 次は生命保険の掛け捨ての仕組みについて見ていきましょう。

契約した保険会社に支払う保険料。その保険料は「純保険料」と「付加保険料」の2つに分けられます。
将来的な保険金や給付金の支払いに利用されるのが純保険料。一方、人件費をはじめ宣伝費、販売手数料、保険会社の事務所を維持するための諸々の費用など、生命保険会社の運営上、必要となる経費として利用されるのが付加保険料です。付加保険料は保険契約にプラスされている手数料という捉え方もできます。

原価と販売コストの違いとは?

たとえば日常的に購入している日用品。その商品の価格には「原価」と「販売コスト」が含まれています。保険商品も同様に、原価と販売コストを支払います。その原価にあたるのが純保険料で、販売コストにあたるのが付加保険料です。

生命保険の純保険料は、予定利率や予定死亡率など、総計データに基づいた複雑な計算式を用いて算出されます。この計算に用いられる総計データは「標準生命表」と呼ばれるもの。日本アクチュアリー会が作成し発表している総計データです。
これに基づいて、生命保険会社は純保険料を計算します。そのため、同様の保険形態の商品であれば、どの生命保険会社の商品を選んだとしても原価に差はありません。

一方、付加保険料は保険料全体に占める割合が約30~60%と幅があるように、生命保険会社によってそれぞれ異なります。一部、付加保険料を公開している生命保険会社もありますが、基本的に付加保険料は開示されていません。

「販売コストである付加保険料がそんなにも多くの割合を占めているの?」と驚いてしまうかもしれませんが、商品を販売するためのコストは必要不可欠なもの。それほど驚く数字ではないということを覚えておきましょう。

生命保険の原価って何?

純保険料は、別名「危険保険料」とも呼ばれています。危険保険料は、死亡したときに支払われる保険料や入院・手術時に受け取る給付金など、保険契約の「保障」の役割を担う保険料。生命保険の本体であるため、その保険商品の原価であるとも言えます。

「生命保険はどんな契約形態でも、基本的にはすべて掛け捨てと言われるけれど、貯蓄型保険もあるんじゃないの?」と疑問に感じる人もいるはずです。

実は、保険商品の中には、「危険保険料」に加え「貯蓄保険料」を合わせて純保険料を構成しているものがあります。このタイプの保険商品では、満期を迎えたときに満期保険金が受け取れたり、契約の途中解約時にある程度まとまった金額を受け取れたりするものがあります。掛け捨て型の保険に対し、貯蓄保険料があるタイプの保険には貯蓄部分があることから「貯蓄型保険」と言われるのです。

一方、掛け捨て保険は、純保険料が危険保険料としてそのまま「保障」に充てられる保険契約ということになります。

保険の王道でもある掛け捨て保険

どうせ保険料を支払うなら貯蓄型にしたほうがおトクなイメージがあると感じる人も多いかもしれませんが、生命保険の基本は掛け捨て。それを聞くと驚く人が多いのも事実です。保険の原価と販売コストについて知ると、保険がどういった仕組みで成り立っているのか理解できることでしょう。自分に合った保険のプランを選ぶためには、王道とされる掛け捨て保険の知識を深めたいところですね。