火災保険にはっきりとした相場はない!?

火災保険は、火事だけではなく、身近なトラブルやさまざまな自然災害に対応している保険です。必ず加入しておきたい保険のひとつですが、いざ準備を進めていくと、保険料はいくらぐらいが妥当なのか等、特に気になるのが保険料ではないでしょうか。
それは火災保険の保険料はさまざまな要素によって決まるためであり、火災保険の保険料にはっきりとした相場はないといえるでしょう。火災保険料の相場を知りたい場合は、まず火災保険の保険料が決まる仕組みを知るべきなのです。
そこで今回は、火災保険の算出の仕組みを紹介しながら、火災保険の保険料の相場を考えていきましょう!
保険料に大きく影響するのは「所在地」と「建物の構造」!
災害リスクは地域によって異なります。そのため、自然災害が多い地域は保険料も高めに設定されているのです。例えば、台風が多い九州や沖縄エリアなどは、首都圏に比べて同一の保険金額でも火災保険料が高くなります。過去の自然災害の発生状況に応じて災害のリスクが高いエリアほど保険料は高くなるのです。
また、消火施設の充実度も保険料に考慮されます。住宅が密集し災害被害が大きくなりそうな首都圏は、火災保険料も高額になりそうなイメージです。しかし、消火施設が充実しているので、意外にも低めなのが特徴です。
鉄筋の家と木造の家とでは、火災時の燃え広がり方が異なります。そのため、建物の構造においても、リスクが高いほど保険料は高額になります。建物は、耐火マンションなどのM構造、コンクリート造や鉄骨造などのT構造、木造や土蔵造りなどのH構造の3つの構造に分類されます。ただし、木造であっても耐火建築物や準耐火建築物などはT構造に該当します。そして、M構造、T構造、H構造の順に保険料は高くなります。
これらに加えて、一戸建てかマンションかといった住居環境によっても保険料は異なります。
補償内容の選び方は?
保険料を決める重要なポイントは、どんな災害に備えるかということです。火災保険では、「火災」「落雷」「破損・爆発」といった火災リスクにおける補償をベースに、「水災」、「風災」、「盗難」などの補償を組み合わせるのが一般的です。補償内容を手厚くすれば保険料は上がります。また、補償対象を建物だけにするか、家財も含めるかによっても変わってきます。
例えば、近くに川や山がなく、台風での浸水や土砂崩れなどの被害を受けにくい場所であれば、「水災」の補償は不要かもしれません。一方で、一戸建てだから「盗難」の補償をつけるというように、必要な補償を見極めることが大切です。保険料の節約のために、補償内容を減らせばいいというものではありません。
特約に関しても、見極めることは同じです。特に個人賠償責任補償特約は、自動車保険やクレジットカードにもセットできる特約なので、二重加入になっていないか確認が必要です。
また、地震保険は都道府県によって数万円の差があり、保険料も決して安いものではありません。しかし、火災保険では地震による損害を補償できず、地震で被害に遭ったときの損害額は深刻なものになる可能性が高いため、可能な限り加入することをおすすめします。
保険期間を長期にするとお得なのか?
保険料の節約には、補償を絞るということよりも、保険料の支払期間や支払方法を見直すといいでしょう。
火災保険は、原則として1~10年の期間内で契約期間を選ぶことができます。2年以上の契約から保険料の割引があります。そのため、節約を重視するなら10年契約が最もお得です。保険会社にもよりますが、最大2割程度の割引があります。ただし、長期契約は保険料の一括払いが基本なので、予算も考える必要があります。
また、長期契約では注意するべき点もあります。建物の価値は時間の経過により変化するので、いざというときに思うように活用できない場合があります。さらに、長期契約を結びすぎると契約内容を忘れてしまい、補償範囲と自分のライフプランが合わなくなることもあります。したがって、おおよそ5年ごとに、保険金額が適正かどうかを確認しましょう!
自分に必要なプランを検討しましょう!
火災保険の保険料は、建物構造、専有面積、所在地、補償内容、特約、保険期間、保険金額などによって決まる個別性の高い保険です。自分がどんなプランの保険に加入するべきか、しっかりと検討しましょう!