全国共済お役立ちコラム

超地震大国日本に住む私たちの地震保険の必要性とは?

2020-6-5

地震保険とは、通常の火災保険ではカバーできない、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする火災・損壊・埋没または流失などの損害を補償する保険です。そして、単独では加入できず、火災保険にセットする形での契約が必要になります。
近年、大きな地震が全国各地で頻発し、地震保険がより注目されるようになりましたが、加入率は高くないのが現状です。
そこで今回は、地震保険とはどのようなものかをご紹介し、その必要性を考えていきましょう!

保険料や補償はどの保険会社でも変わらない!

地震保険は民間の保険会社と国が共同で運営する公共性の高い保険です。それは、地震による損害額は非常に大きいので、地震保険を保険会社のみで運営することはできないためです。保険会社だけでは補償しきれないような損害が発生した場合に、政府が代わって保険金を支払う仕組みになっています。
したがって、通常の損害保険とは違い、どこの保険会社で入っても、地震保険の補償内容や保険料は一律に設定されています

保険料はどのようにして決まるのでしょうか?

地震保険は所在地と建物の構造ごとに国で保険料を決めています。建物の構造は、耐火建築のほうが非耐火建築よりも保険料は安くなる傾向にありますが、地震保険の保険料は、所在地にも影響を受けます。
また、地震保険の契約期間は1~5年で、契約期間が長いほど割引率は大きくなります。
さらに、地震保険には「建築年割引」「耐震等級割引」「免震建築物割引」「耐震診断割引」の割引制度が用意されており、保険料が10~50%割引されます。
地震保険の保険料の目安は、保険金額1,000万円当たりで、鉄骨・コンクリート建築(耐火)の場合には年間7,100円~2万5,000円、木造建築(非耐火)の場合には年間1万1,600円~3万8,900円となっています。

そして、地震保険の保険料は地震保険料控除の対象となり、所得税や住民税の控除が受けられます
地震保険は各社で比較する必要はなく、火災保険を比較して選び、そこに地震保険を付ければいいと言えるでしょう。

設定した保険金額は必ず全額支払われるわけではないです!

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30%~50%の範囲内で設定することになっています。また、建物が5,000万円、家財が1,000万円という形で、それぞれの対象ごとに金額の上限も設けられています。

そして、地震保険で設定した保険金額が、必ずしも全額支払われるわけではなく、建物や家財の損害状況に応じて、支払われる保険金額は変わってきます。その認定基準は建物・家財ともに「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階で判定され、設定した地震保険の保険金額をベースにして、全損は100%、大半損は60%、小半損は30%、一部損は5%の割合で支払われる仕組みになっています。つまり、支払われる保険金額は、実際にかかった修理費や再建費、再購入費ではなく、損害規模と契約金額に応じた金額です。しかし、修理の見積もりなどが不要なため、比較的早く保険金が支払われます。
地震保険は建物や家財の損害額すべてを補償するものではなく、生活を建て直すための資金と位置づけられています。

住宅の種類による地震保険の考え方とは?

地震保険は住宅の種類に応じて、考え方が若干異なります。
持ち家で一戸建ての場合は、地震によって、建物と家財ともに経済的リスクが発生する可能性があります。そのため、ローンを完済した人や、十分に貯蓄を準備できている人以外は、基本的には建物と家財の両方の地震保険に加入したほうが良いでしょう。

分譲マンションの場合は、建物の地震保険の対象を住んでいる室内の専有部分と、ロビーや廊下などの共用部分の2つに分けて考えます。専有部分については、住宅ローンが残っている方は、住宅ローンの支払いを続けながら、生活を建て直すための費用を負担しなければならないケースが想定されます。そのような経済的なリスクをカバーする意味で、専有部分の地震保険は建物と家財ともにしっかり加入しておきたいところです。
次に共用部分については、分譲マンションの管理会社や管理組合の考え方によって異なり、個人の裁量でどうにかできる問題ではありません。したがって、加入の有無を確認し、現状を変えたいのであれば、管理組合に働きかけを行うと良いでしょう。

賃貸住宅の場合は、建物は大家のものであるため、建物の地震保険については加入しなくても良いと言えるでしょう。しかし、家財は、家財一式が大きな損害を受けて、買い揃え直す費用負担は入居者自身がしなければなりません。所有している家財にもよりますが、基本的には家財の地震保険に加入することをおすすめします。

地震に対する公的な支援制度は十分ではありません!

地震による経済的なダメージをまかなう公的な制度の代表的なものとしては、「被災者生活再建支援制度」があります。しかしながら、受け取れる支援金は最大でも300万円までとなっており、この金額で建物を建て直したり、家財をそろえ直したりすることは、厳しいのが現実です。地震による経済的な被害は甚大ですが、公的な支援制度は十分とは言えません

そのため、地震による経済的なリスクを補てんするためには、地震保険は有効な方法の1つなのです。
日本国内で今後30年以内に震度6弱以上の地震が起こる確率がゼロの地域はなく、常に地震のリスクに晒された日本で暮らす私たちにとって、地震保険の必要性は非常に高いと言えるでしょう!