全国共済お役立ちコラム

マンションにも火災保険の必要性が高いわけとは?

2020-6-6

分譲マンションは鉄筋コンクリート造の耐火構造であることがほとんどのため、火災保険が不必要に思う方もいるのではないでしょうか?実際に、木造が9割以上である一軒家に比べて、分譲マンションはハード面で火事に強いことは確かです。しかしながら、マンションが被る損害は火災に限ったことではなく、マンションが故に備えておかなければいけないリスクもたくさんあります。
そこで今回は、マンションにおける火災保険のメリットを紹介しながら、火災保険の重要性を考えていきましょう!

火災保険を対象とする場所はどこなのでしょうか?

新築でも中古でも分譲マンションの建物部分は、共用部分と専有部分に分かれます。 共用部分とは、エレベーターやエントランスなど、住民全体で使用、管理する部分のことです。専有部分は、壁の内側の面積を基準とする「上塗り基準」と壁の中心線を基準とする「壁芯基準」がありますが、自分自身の住まいとして独立して自由に利用できるスペースのことを言います。

通常、火災保険は専有部分を保険の対象とすることになります。共用部分については、一般的には、居住者が負担する管理費が原資となり、管理組合で一括して火災保険に加入している場合が多いです。管理組合がどのような火災保険に加入しているのかを確認しましょう。その際に注意したことがあります。それは、ガラス、バルコニー、玄関扉などは、専用使用権付共用部分と呼び、色を勝手に塗り変えたり、窓ガラスに広告をだしたりする等の行為を禁止するために、マンション管理規約では共用部分としていることがあります。その場合、特別の約定が無い限り、専有部分の保険の対象に含まれる事が一般的ですが、保険会社ごとに見解が異なる場合があるため、保険会社に確認が必要です。

マンションに必要な補償内容とは?

火災保険という名前から、火災保険は火事への備えという印象が強いですが、補償範囲は火災だけではありません。マンションの建物の火災保険では、どのような災害に遭いそうかをイメージし、補償内容を吟味することが大切です。
マンションだからこそ特に必要な補償として、水漏れのトラブルがあります。

マンションでは、上階と下階との間で漏水事故が起きた場合、マンションの中で被害者と加害者の関係が生じます。どちらが金銭を負担するのか、賠償責任の所在をめぐる争いが生じやすくなるので、水濡れ補償だけでなく、「個人賠償責任特約」「水濡れ原因調査費用」などの特約をつける方もいます。個人賠償責任保険は、ベランダから植木鉢やマットなどが落ちて、通行人に損害を与えてしまったような場合の賠償責任にも対応できます。

また、マンションの上層階に住む場合、洪水などの水害が発生しても床上浸水などのリスクは低くなるので、水災の補償は不要と考える方が多いようです。しかし、水漏れなどで家財の被害に遭う可能性は低層階でも高層階でも同じですので、補償は必要と言えます。さらに、台風や竜巻などの突風が発生し、風で飛んできたもので窓が割れる等の風災で被害を受ける可能性もあります。その際は、前述したように、窓ガラスが「共用部分」と見なせれば、管理組合が加入している火災保険で対応できる可能性があります。しかし、窓ガラスが割れたあとの住居内の家財の損害も考えるのであれば、家財の風災補償は必要になります。
そして、地震保険については、マンションは一戸建てよりも耐震性能が高いとされています。しかしながら、建物が頑丈だったとしても、大きな揺れによって家財が被害を受ける可能性はあるので、マンションでも地震保険に加入するメリットは十分あります。

保険金額と保険料はどのくらい?

火災保険の場合、建物の保険金額の設定は、再調達価額を基準に算出し、同等のものを再築するにはいくら必要かという発想で考えます。新築マンションの場合、建物の評価額は購入額と同じではありません。購入した金額には、広告費用や不動産会社の利益、敷地利用権や共用部分の金額も含まれているからです。マンションで火災保険に加入する際の建物の評価額は、設計費や材料費などの建築費用の部分だけになります。なお、一般的に建物の評価額は、保険会社ごとに異なりますが、プラスマイナス30%の範囲で自由に調整することができます。しかし、それを上回る高額な補償にすることはできません。

そして、保険料は設定する保険金額だけでなく、立地や建物構造によって変わってきます。一般的に、マンションの方が一軒家より火事や災害に強いので、保険料が安くなり、マンションの火災保険料はリーズナブルなケースが多いです。また、耐震性の高いマンションや火災の発生確率の低いオール電化マンションの場合であれば、保険料の割引制度が適用される可能性も高いです。ご自身のマンションで適用できる割引があるか確認すると良いでしょう。

よりよい火災保険を選びましょう!

マンションはご近所との間が壁一枚で仕切られ、両隣・上下が密着しているので、万が一、災害が発生した際に、被害を受けてしまったり、逆に被害を与えてしまったりする可能性が高くなります。したがって、マンションでも火災保険の必要性は高いと言えます。

火災保険の補償は、火災時に限らず、多くの災害や事故による損害を担保してくれます。火災保険のカバー力を知ったうえで、よりよい保険を選びましょう!