全国共済お役立ちコラム

火災保険で台風の被害はどこまで補償されるのか?

2020-6-7

毎年、日本列島には大きな台風がいくつか上陸し、ときに大きな被害を及ぼすことがあります。実は火災保険は、台風による被害を受けた場合にも補償対象になるのです。
しかし、どのような損害について、どこまで補償してもらえるのか、見当がつかない人も多いのではないでしょうか?実際に、火災保険に加入していて台風の被害を受けても、損保会社が指定する条件を満たしていなければ保険金が受け取れないケースもあります。
そこで今回は、台風の被害に遭った時に保険金をきちんとスムーズに受け取るために、火災保険は台風による被害をどこまで補償できるのかについて紹介します!

台風ではどのような補償が適用され、どのような条件があるのでしょうか?

台風に備えた補償として、火災保険には「水災補償」、「風災補償」、「落雷補償」があります。どの補償内容が適用されるかは、台風の被害の内容によって異なります。
風災補償は強風によって被害が出たものに対して補償してくれますが、その強風には「最大瞬間風速が秒速20メートル以上」という基準があります。また、保険会社によっては、風災補償の補償条件を20万円以上の損害が出た場合としているところもあります。

水災補償は台風、暴風雨、豪雨等による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れ・落石などによる被害に対して補償されますが、床上浸水または地盤面から45cmを超えた浸水、損害割合が30%以上という2つの要件を一般的に満たす必要があります。保険会社によっては、火災保険の水災補償の適用条件をもっと厳しくしている場合もあるので、確認が必要です。

ここで注意したいのは、たとえば暴風雨で窓ガラスが割れて大量の雨水が建物内に吹き込み、水浸しになったような場合は、風災になり、水災ではありません。
落雷補償は、落雷による損害に対して補償されます。
台風に備えるには、「風災」「水災」「落雷」の補償を全て付けておくと万全であり、これらの補償は基本の補償内容に含まれていることが多いです。しかし、家がマンションの上階にある場合等、台風の場合でも浸水のおそれをあまり気にする必要がなく、水災を外しても差し支えない場合は、保険会社によっては選択可能ですので、確認してみましょう。

どのような場合に補償が適用されるのでしょうか?

火災保険では、補償の範囲を「建物」「家財」のいずれか、もしくは両方から選ぶことができます。台風による被害を受けた際にも、この範囲での補償となります。
例えば、建物が選択されていれば、建物そのものや敷地内にありかつ建物の外にあるような車庫や物置なども補償の対象です。また、床や畳は家財ではなく建物の補償対象です。台風による強風で屋根が飛ばされてしまった場合や突風により道に転がっていた石が窓ガラスにあたり破損した場合、さらに台風の影響でカーポートの屋根などが壊れた場合等にも補償が適用されます。
家財が選択されていれば、家のなかにある家具・家電製品・衣類などが補償の対象となります。台風の際に発生した雷が原因で、パソコンやテレビなどが破損した場合や突風で窓ガラスが破損し、家の中の家具が傷ついた場合等に補償が適用されます。また、敷地内にある自転車も「家財」として補償されるので、台風による突風で、ドアの外にとめてあった自転車が飛ばされて破損した場合も対象となります。

しかしながら、台風の被害に遭っても火災保険の補償が受けられない場合があります。
主な例としては、建物の破損などの原因が、台風ではなく建物や家財の経年劣化・老朽化であると考えられる場合です。しかし、建物の経年劣化の状況に関しては、保険料の計算時に築年数で考慮されているため、経年劣化により建物が弱っていたとしても、結果的に台風によって破損したということであれば補償が行われます。しかし、建物の破損の原因が台風であることを証明するのは難しいです。
そして、事故が起こってから保険金請求まで3年以上たった場合も補償の対象にはなりません。ただし、そもそも火災保険に入っていることを知らなかったなどの理由で事故の連絡が遅れてしまった場合、時効が過ぎてしまっていても請求が認められる可能性もありますので、気付いた時点で保険会社に問い合わせてみましょう。

どのような保険金を受け取ることができるのでしょうか?

台風の被害に遭った場合、支払要件に当てはまると、契約時に決めた保険金額を限度として損害保険金が支払われます。損害保険金として支払われる金額は、損害額から免責金額を差し引いた残りの金額です。免責金額とは、契約時にあらかじめ決めた自己負担額のことをいい、自己負担額を設定しなければ、損害額をまるまる補償してもらえます。しかし、設定することで、保険料を抑えることができます。

また、台風により建物や家財が損害を受けた場合、一時的にホテルで仮住まいしなければならないなど、修理・買い替え費用以外にも、出費がかかることがあります。その際の費用をまかなうための保険金として、臨時費用保険金があります
さらに、被害があった保険対象物を片付けるのにかかった費用を補償する残存物取片づけ費用保険金などもあります

火災保険は会社によって異なるので注意が必要です!

火災保険は、損害保険の会社によって条件が異なる可能性があります。台風による被害が生じたとしても、設定された補償の条件を満たしていないと補償が受けられません。

安易に火災保険を契約するのではなく、あらかじめ基本補償の適用範囲や補償内容などをきちんと確認することが大切です!