全国共済お役立ちコラム

火災共済で損害に備えるメリット・デメリットとは?

2020-6-8

生命保険・損害保険と似たような制度に共済があります。そして、火災などによる建物や家財の損害に備えるものとして、損害保険には火災保険があり、共済には火災共済があります。火災保険と火災共済には、根拠になる法律、契約の性質や補償のされ方、使われる用語など、様々な違いがありますが、どのように違うのか疑問に思っている方もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、火災保険と火災共済の違いを紹介しながら、火災共済のメリット、デメリットを考えていきましょう!

火災共済と火災保険の違いを理解しましょう!

火災共済は、組合員の助け合いを目的に生協や労働組合などの非営利団体が運営しています。一方、火災保険は営利目的に損害保険会社など民間企業が運営しています。
共済と保険では使われる用語も違い、保険料は掛金、保険金は共済金となります。

火災保険は民間企業である保険会社が不特定の方たちを対象に公平原則に基づき販売されているのに対して、共済の運営母体である非営利団体は、公務員など特定の職業や特定の地域、組合員など限定された方たちを対象に平等原則に基づいて最低限の補償確保を目的に販売されています。ただ、現在はものによっては簡単な手続きで非営利団体の組合員等になれるので、実質的には、契約の対象者という観点では、通常の火災保険と共済は変わらないケースが多いと言えます。

火災共済のメリットとデメリットとは?

メリットとしては、火災共済は利益を目的としていないため掛金が安く設定されています。そして、火災共済は建物の構造・広さ・家族人数などによって掛金と保障限度額が決定され、商品設計がシンプルで、掛金の金額が加入者の状況に左右されず一律の場合が多いです。
また、毎年度決算において、集まった掛金よりも共済金の支払いの方が少なく、剰余金が生じた場合などに、利用分量に応じて共済の加入者に剰余金が還元される制度があります。

デメリットとしては、共済は加入者みんなでお金を出し合って災害に備え、運営母体である非営利団体がそのお金や加入者を取りまとめるものであるため、一般的に加入者全員が同じプランになります。したがって、共済の補償内容はパッケージ化されており、自由に補償内容を変えることは難しく、マンションだから落雷の保障はいらないという方でも内容を変更することはできません。

火災共済の補償内容と共済金

火災共済も、火災保険と同様に、災害時や事故にあった際に、住宅や住宅の敷地内にある家財に損害が生じた場合に、損害に対し補償を受けることができます。
しかし、火災共済の補償内容はシンプルであり、補償範囲はとても限られています。大きく分けて火災と風水害、そして火災共済独自の地震に対する補償があります。風水害に関しては、風災、水災がひとくくりにされているため、選択することができません。
地震保険は民間保険会社だけだと思っているかもしれませんが、地震共済は全労災、JA共済、県民共済などで実施しています。地震に対する補償については、火災保険の場合は、地震保険に加入しないと補償を受けることができませんが、火災共済の場合は、基本補償に組み込まれていることが多いです。基本補償の掛金で地震の補償を受けることができることは、保障額は少ないですが、メリットと考えることができます。

また、特約に関しても、火災共済は限られており、「借家人賠償責任特約」「個人賠償責任保険」「新価共済特約」などがあります。
例えば、全労災では、火災や風水害・地震被害に備える「住まいる共済」があり、近隣に延焼したときの類焼損害保障特約、盗難保障特約、個人賠償責任共済などの特約もあります。共済なので掛金も安く、火災・風水害・地震をカバーしても月々2,000円~6,000円程度で補償が受けられます。
そして風水害等共済金では、契約期間中に暴風雨、突風、台風、高波などにより住宅・家財に損害が生じた場合の最高保証額は300万円となっています。この金額は損害の程度が住宅の損壊率70%以上の非常に大きな被害が起きた場合であり、被害の程度によって共済金は異なります。

火災共済がおすすめの人はどんな人?

火災共済は補償や掛金がシンプルなので、掛金を抑えて負担を減らしたいという方には火災共済がおすすめです
一方で、火災保険は補償対象や内容、特約の種類が多く、自分の希望や必要に応じて細かくカスタマイズすることができます。自分で補償を選択しようと思う方には、共済と比べて保険料は高くなりますが、比較的自由に補償内容を設定できる火災保険を利用することになります。

火災共済と火災保険は、どちらも大切な住まいに対して補償するものです。それぞれの内容をよく理解して、ご自分に合った共済・保険を選びましょう!