社会保険の保険料について知っていますか?種類や計算方法について解説!

毎月もらっている給料明細の中身。皆様はきちんと保険料の金額まで把握されていますでしょうか。長い間、会社勤めをしていると、社会保険料も税金も会社任せになってしまいやすく、毎月ご自身がどれぐらいの保険料を何に対して払っているかまでは、中々把握できていない事も多いかと思います。
毎月のお給料からどういった仕組みで保険料が引かれているのかを理解することは、みなさまの資産管理と将来の為にも非常に重要になってきます。
今回のコラムでは、社会人なら覚えておきたい社会保険料の種類や計算方法について触れていきます。
会社勤めの場合に払う保険の種類
基本的に企業に勤めているサラリーマンの方などが毎月支払っている社会保険は、「健康保険料」「厚生年金保険料」「雇用保険料」の3種類になります。また、40歳以上の方からは、これらに合わせて「介護保険料」も含まれてきます。
健康保険
健康保険料は、病気やけが等により病院で治療を受ける事が必要になった際、かかった医療費を一部肩代わりする為に使われる財源になっています。対象者は主に雇用期間に定めのない正社員ですが、パートタイマーの方でも「2ヶ月以上の雇用見込みがあり、週所定労働時間および日数がともに正社員の4分の3以上」の場合は対象となります。さらに、従業員数が501人以上の事業所においては「1年以上の雇用見込みがあり、週所定労働時間が20時間以上、かつ月収が88,000円以上」の場合でもパートタイマーの方は加入対象となります。
厚生年金保険
厚生年金保険は老後もしくは死亡・障害の際に給付する、老齢・障害・遺族厚生年金の財源とするために必要となってくる保険です。70歳未満の方は全員加入対象となり、その他の対象要件は健康保険と同じです。
雇用保険
雇用保険料は、労働者が失業をして所得がなくなってしまった場合などにおいて、生活支援や再就職支援を図るために必要な財源となるものです。加入条件としては、「勤務開始時から最低31日以上働く見込みがあること」「1週間あたり20時間以上働いていること」「学生ではないこと(例外あり)」の以上3つが決められています。ただし、法人役員の方や個人事業主の方、家族従業員や学生の方には適用されない保険となっています。
介護保険
介護施設や自宅において、幅広い介護サービスを受ける際、かかる費用の一部を補助するために必要になる財源です。会社勤めの従業員の方で、40~64歳の方は支払い対象となります。
会社勤めの場合の保険料
健康保険
健康保険は、「全国健康保険協会」か「健康保険組合」のどちらに加入するかで保険料が異なります。前者「全国健康保険協会」の場合では、都道府県ごとに保険料率が定められており、全国平均はおよそ10%です。
計算方法は、毎月の「標準報酬月額」×保険料率÷2となります。また、後者の「健康保険組合」の場合、保険料率は事業所の被保険者数や年齢構成等によって3~10%の間で異なりますが、令和元年での全国平均は9.218%とされています。
厚生年金保険
厚生年金保険での、保険料率は以前まで引き上げられる傾向にありましたが、現状は18.3%と固定されています。計算方法は、健康保険と同様です。
雇用保険
雇用保険は、社員の雇用を守る大切な保険ですが、保険料率は0.3%となっております。こちらの計算方法は「賃金総額×0.3%」で求められます。
介護保険
介護保険に関しても、40〜64歳までに徴収される介護保険料率は、「全国健康保険協会」と「健康保険組合」で異なります。「全国健康保険協会」での保険料率は一律で1.80%、「健康保険組合」は平均保険料率 1.573%となっています。計算方法に関しては、こちらも「健康保険」と同様になっております。
労災保険料は全額会社負担
社会保険のうちの1つに「労災保険」がありますが、この保険料に関しては全額会社側で負担することが決められています。労災保険は、従業員1人1人に対して届け出はせず、事業所単位で届け出をしています。そのため、従業員は1円の負担も必要がないものとされています。
定年退職後も支払う保険とは?
健康保険と介護保険に関しては、社会保険か国民健康保険かの違いはありますが、基本的には、「任意継続被保険者」になるか「国民健康保険」に加入するかを選び、定年後においても払い続けなければならない保険になっています。ただし、例外的に被保険者である親族の「被扶養者」になることができた場合には保険料の支払い義務はなくなります。
任意継続被保険者
こちらは名称の通りですが、働いていた現役時代の健康保険を継続的に引き継ぐというものです。ただし、保険料の事業主負担はなくなるので、負担額は今までのおよそ2倍となります。
国民健康保険
「任意継続被保険者」にも「被扶養者」にもならない場合は、国民健康保険の被保険者となります。その場合は、扶養されている家族も同様に、国民健康保険の被保険者として扱われます。
被扶養者になる
健康保険の被保険者である親族に扶養されている場合、その「被扶養者」になることが出来ます。「被扶養者」になると保険料の支払い義務はなくなります。被扶養者になるための条件としては、退職後の年収が180万円未満(60歳以上)、かつ扶養されていることです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。社会保険料の仕組みというのは非常に複雑であり、料金も決して安くないです。しかし、そんな保険料だからこそご自身の支払い料金をまめに確認することが、資産管理の為に大切です。保険料の確認を習慣化させることが必要といえるでしょう。